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COP25で日本が2度も「化石賞」受賞……。 推進を求められる水素社会とは?

         

2019年12月2日~13日に開催されたCOP25(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)で日本が2度も化石賞(Fossil Award)を受賞しました!

めでたい!と拍手した方……速やかに手をお下げください。

化石賞は、駄作映画に贈られるラジー賞(ゴールデンラズベリー賞)や愚かな死因に与えられるダーウィン賞のように、皮肉を込めて授与される不名誉な賞なのです。

地球温暖化対策に後ろ向きな国家に対して与えられる化石賞。その概要を押さえ、日本人として地球温暖化を見つめ直してみましょう。

日本は化石賞常連国家 その受賞理由は?

日本は1999年COP5、2013年のCOP19など過去のCOPで何度も化石賞を受賞している化石賞常連国家です。その理由は「温室効果ガス削減目標が非常に低かった」「石炭火力発電所を積極的に海外展開する覚書を結んだ」などさまざま。

COP25での受賞理由は一度目が「梶山弘志経済産業大臣が石炭火力発電を継続利用する方針を示したから」、二度目が「小泉進次郎環境大臣が脱石炭や温室効果ガス削減に積極的な姿勢を示さなかったから」でした。

化石賞は会期中毎日3位まで発表されるため複数受賞する国家は珍しくないものの、日本が温暖化対策に非協力的というイメージは根強いものだといえるでしょう。ただし「世界一のCO2排出国である中国が受賞していないのはおかしい」など化石賞の公平さを疑問視する声もあります。

【CO2排出大国トップ10(2015年)】

順位 国名 CO2排出量(百万トン)
1 中華人民共和国(中国) 9040.7
2 アメリカ合衆国(米国) 4997.5
3 インド 2066.0
4 ロシア 1469.0
5 日本 1141.6
6 ドイツ 729.8
7 大韓民国(韓国) 586.0
8 イラン 552.4
9 カナダ 549.2
10 サウジアラビア 531.5

※エネルギー起源CO2(各種エネルギーの利用時に発生したCO2)の排出量
引用元:世界いろいろ雑学ランキング 二酸化炭素(CO2)排出量の多い国┃キッズ外務省

ちなみに日本以上の化石賞大国はアメリカで、COP25では6度化石賞を受賞。2000年のCOP6ではFossil of the century(今世紀の化石賞)が与えられています。

温暖化対策のために求められる水素社会

今後、化石賞の連続受賞を回避するため日本が出来ることは何でしょうか?

そのためのキーワードとして挙げられるのが水素社会もしくは「水素エネルギー社会」です。

水素社会とは文字通り、利用時にCO2を排出しない水素をエネルギーとして活用する社会を意味します。運搬性・貯蔵性・柔軟性が高い水素は有力なクリーンエネルギーとされ、2017年に水素基本戦略が決定され、2018年から東京で「水素閣僚会議」が開催されるなど政府によりキャンペーンが進められています。民間でも水素に注目が集まっており、大手自動車メーカーの多くは水素エネルギーを利用する燃料電池自動車(FCV)の開発・販売を進めています。

ほかにも水素社会の定着につれて普及が見込まれるテクノロジーは以下の通り。

  • 商用水素ステーション
  • 燃料電池フォークリフト
  • エネファーム(家庭用燃料電池)
  • 業務/産業用燃料電池
  • 水素ガスタービン
  • 水素発電所

2019年に水素・燃料電池戦略協議会が発表したロードマップによると、日本は2020年に東京オリンピックで水素の可能性を世界に発信し、2030年には水素発電の商用化をスタート。水素エネルギー関連の国内市場規模は2030年には約1兆円、2050年には約8兆円にまで成長すると目されています。

とはいえ、せっかく光明が見えたところに水をさすようですが(水素だけに……)、水素は決して万能ではありません。地球上では水素が自然にとれないため、何らかの化合物から製造する必要があります。手間がかかりますし、その際化石燃料を使ってしまっては本末転倒です。また水素ステーションなどのインフラがまだ普及していないこと、水素や燃料電池の製造コストが割高であることなども水素社会の進展を阻んでいます。

日本が完璧な水素社会を実現するにはそういった課題をすべてクリアする必要があります。

 

石炭がクリーンエネルギーとなる可能性も?

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