当日は、本カイギのキュレーターを務める石井亮介さん、吉田祐宣さん、よしむらさん、臼井琴美さん、マスクド・アナライズさん、そして100人カイギ主催の高嶋大介さんも駆けつけ、会場を盛り上げました。
(写真左上より)データパレード 石井亮介さん/データ横丁 臼井琴美さん/法人番号株式会社 吉田祐宣さん/データマネジメント よしむらさん/AIコンサルタント マスクド・アナライズさん/100人カイギ 高嶋大介さん
初回イベントの冒頭では、発起人であり、キュレーターの一人であるウイングアーク1stの野島光太郎さんが登壇。「データ界隈100人カイギ」開催の背景そして、データを大切にするコニュニティでありながら、「データを捨てよ、町へ出よう!」をコンセプトに置く想いを語りました。
ウイングアーク1st 野島 光太郎さん
野島さんは「データを捨てよ、町へ出よう!」というユニークなスローガンを掲げ、このコミュニティが目指す姿を説明。それは、ITツールベンダーから研究者、学生まで、肩書や業界を越えた多様なデータ実務者が一堂に会する場所です。サイロ化された組織や断絶された知見を乗り越え、現場のリアルな声と出会うことで、新たな発見や連携を生み出す“共創”の場を目指します。
さらに、自身も研究テーマにしているという「セレンディピティ(偶然の出会い)」に言及。「企業や立場を越えて人と人が直接“対話”し、意図しない“気づき”を得ることが新たな価値を生む」と強調し、この100人カイギがデータ界隈における多様なつながりのきっかけとなることへの期待を語りました。
セレンディピティ・トリガー
株式会社レッジ 落合 研次さん
トップバッターとして登壇したのは、AI専門メディア「Ledge.ai」を運営する落合研次さんです。生成AIやAIエージェントといった最新トピックを取り上げ、基盤モデル(LLM)やマルチモーダルAIの動向、独自データ活用の重要性を解説。技術と社会の接点を分かりやすく伝えるメディアの役割を語りました。また、量子コンピューティングや核融合といった異分野との融合が未来のAIを形づくる可能性にも触れ、単に情報を伝えるだけでなく、変化を先取りするメディアの気概が示されました。
株式会社エイトレッド 金本 奈絵さん
続いて登壇した「ワークフロー総研」編集長の金本奈絵さんは、自身のキャリアやメディア運営の取り組みを紹介。ワークフロー総研が、イベントやキャンペーンを通じてバックオフィス領域のDXを後押ししている事例を共有しました。金本さんは「ワークフローとは、現場のデータと経営の意思決定をつなぐ“橋渡し”の仕組みである」と強調。数値化されたデータだけでなく、そこには現れない“現場の声”や“気づき”に光を当てることでイノベーションの種が見えてくると述べ、データで見えるものの奥にある「見えないものを見る」というメディアの重要な役割を提示しました。
株式会社ブレインパッド 我妻 徹さん
また株式会社ブレインパッドの我妻徹さんは、DX・データ活用専門メディア「DOORS DX」での挑戦を紹介しました。特定の企業や技術に偏らない中立性と実践性を重視し、PVやプロモーションを過度に追わないという編集方針を貫いています。検索機能への生成AI活用など、メディア自体を“実験の場”と位置づける取り組みも紹介。情報を一方的に届けるのではなく、ユーザーと共に体験を共有しながら成長する「共創型メディア」を目指すとし、広告業界出身ならではの新鮮な視点で「メディアがデータ文化をどう育てるか」という本質的な問いに挑む姿勢を示しました。
株式会社Rejoui 見並 まり江さん
株式会社Rejouiの見並まり江さんは、女性データサイエンティストに焦点を当てたメディア「R²(ルーツ)」の取り組みを紹介。データ業界で女性がまだ少数派である現状を踏まえ、彼女たちの原点や価値観に迫る丁寧な記事を発信しています。さらに「データは特別な人のものではない」という思想のもと、子ども向けの統計体験イベントや離島での女性向けワークショップなど、幅広い層へのエンパワメントに注力。データを通じて多様な人々の可能性を引き出すその活動は、メディアが持つエンパワメントの力を強く感じさせました。
株式会社マイナビ 浅野 高志さん
最後に登壇した株式会社マイナビの浅野高志さんは、ニュースメディア「TECH+」の運営について語りました。自身が非IT出身である経験から、現場のITリテラシー格差やDX推進の難しさを痛感し、「誰もが理解できるテクノロジーメディア」の必要性を感じてきたと話します。「TECH+」では、漫画や豊富な事例を用いて専門知識がなくても分かりやすい構成を追求。全国の中小企業や非エンジニア層にもデータの可能性を届けるべく、信頼と親しみやすさを軸に情報格差の解消を目指すという力強いメッセージが、会場の共感を呼びました。
講演後にはネットワーキングの時間が設けられ、参加者、登壇者、キュレーターが一体となって交流を深めました。各テーブルでは活発な名刺交換や意見交換が行われ、会場は熱気に満ちあふれます。普段は交わることの少ない異業種のメンバーが熱心に語り合う姿は、まさに「たとえテクノロジーやDXが進んでも、データ活用と価値創出には『人』と『文化』、そしてそれが育まれる『場』が不可欠です」という、このカイギが掲げる言葉を体現する光景でした。
当日はオンライン・オフライン合わせて多数の参加者が集まり、どのセッションも熱量の高いやりとりが展開されました。ネットワーキングの時間には、普段は交わらない異業種のメンバー同士が語り合う姿が多く見られ、「メディアによる情報発信が、対話のきっかけになる」といった声も多く聞かれました。「データ界隈100人カイギ」は、ITツールベンダー、コンサルタント、CDO、データサイエンティスト、エンジニア、ビジネストランスレーターなど、多様な立場のデータ実践者たちが一堂に会する“つながりの場”です。
「データ界隈100人カイギ」は、今回の#01を皮切りに定期開催を予定しています。今後も毎回異なるテーマと登壇者を迎え、より多くのデータ実践者がつながり、共に学び合うプラットフォームへと進化していくことでしょう。
“せっかくだから繋がろう”——。そんな純粋な想いが、次なる文化を育てる。テクノロジーを使いこなし、文化の担い手となるのは、いつの時代も「人」です。メディアが単なる情報の橋渡し役にとどまらず、文化の醸成者となることで、データ社会の持続可能な成長が実現する。本イベントは、その確かな第一歩を象徴する、非常に意義深い一夜となりました。
早速ですが、第2回の開催が決定しました。次回はダイハツ工業で全社のDXを推進する太古無限さんをキュレーターにお迎えします。
テーマは「ラーニングヒーロー会」。自ら学びキャリアを切り拓いてきた「ラーニングヒーロー」の方々をゲストに、その情熱と経験に迫ります。リスキリングやキャリアアップに関心のある方、必見です!
井上 佑太
データ界隈100人カイギ コミュニティマネージャー
旅をしながら、ライター・カメラマン・コミュニティマネージャーとして活動するスラッシュワーカー。旅先の魅力を文章や写真で発信しつつ、コミュニティの運営やイベント企画など、人と人、人と場所をつなぐ活動を展開している。
イベント名 | データ界隈100人カイギ#02「ラーニングヒーロー会」 |
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開催日時 | 2025年7月18日(金) 18:30~21:00 |
会場 | ウイングアーク1st株式会社コラボスペース 〒106-0032 東京都港区六本木三丁目2番1号 六本木グランドタワー36階 |
主催 | データ界隈100人カイギ運営事務局 |
対象者 | データに携わる全ての方 ・ITツールベンダー ・コンサルタント ・Chief Data Officer(CDO) ・データサイエンティスト ・エンジニア ・ビジネストランスレーター など |
参加費・定員 | ・現地参加:1,000円(定員:40名) ・オンライン参加:500円(定員:20名) ・学生の方:現地・オンライン参加ともに無料(定員:10名 ※各5名) |
URL | 2025年07月18日開催|データ界隈100人カイギ#02|ラーニングヒーロー会 |
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