万博の公式HPによると、「万博会場内は、国際博覧会として初めての試みとなる全面的キャッシュレスを導入します」と書いてある。つまり、現金は使えないということだ。
キャッシュレス決済はクレジットカードや電子マネーなど、様々な手段に対応している。また、万博協会が運営する電子マネー「ミャクぺ!」も存在する。
メディアでも「キャッシュレスな万博」を宣伝したため、私は財布をカバンにしまい、クレジットカードをスマホカバーに入れた。
万博会場内の物価は高い。そのため、キャッシュレスを試すといっても、大量に買い物をすることはできない。チェコパビリオンの展示を見終え、昼食をとることにした。せっかくチェコパビリオンに寄ったのだから、1階のレストランでチェコビールと軽食を注文することにした。
チェコビールは美味しい。価格はワンカップ1250円だ。また、軽食は「ポークと紫キャベツのパオ」を注文。こちらは2600円だ。いずれも「万博価格」と思える値段だが、こればかりはしかたがない。
決済はクレジットカードのタッチ決済で行った。スタッフも慣れた手つきで処理し、何ら問題はなかった。
しかし、まさかの事態はコモンズDのタジキスタンブースで起きた。タジキスタンブースでは当地のバザール(市場)のように、様々な物品が販売されていた。私もせっかくなので500円のキーホルダーの購入を決めた。
そこで、ロシア語で(タジキスタンはロシア語が通じる)「カードで支払えるか」と念のため尋ねた。キャッシュレスの万博だから、当然大丈夫だろうと思っていた。ところが「現金のみ」というまさかの答えが返ってきた。結局、現金500円で支払ったわけである。
他にも、キャッシュレス不可なパビリオンやブースがあるのか、それはわからなかった。ただ、少なくとも4月13日の初日時点で、大阪・関西万博が「全面キャッシュレス」ではない、ということはわかった。一方、私はこれを責める気持ちは毛頭ない。このようなハプニングが起こるからこそ、万博はおもしろいのだ。
著者・写真撮影:新田浩之
2016年より個人事業主としてライター活動に従事。主に関西の鉄道、中東欧・ロシアについて執筆活動を行う。著書に『関西の私鉄格差』(河出書房新社)がある。
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