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現場で検証!チェコとスロバキアのキャッシュレス&オンラインサービス事情「DX Namamono information」第25便

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私は7月初旬にチェコとスロバキアを訪れた。一般的にヨーロッパは日本よりもキャッシュレス化は進んでいる、と言われている。しかし、それはあくまでも西欧であり、中欧の情報は少ないのではないだろうか。そこで、訪れたところを概説的にキャッシュレス事情を説明していきたいと思う。

         

チェコの路面電車の車内はタッチ決済のみ

筆者撮影:プラハの路面電車

チェコの首都はプラハだ。人口は約130万人である。プラハには地下鉄路線が存在するが、3路線しかない。公共交通機関の主力は路面電車と言えるだろう。

路面電車の車内には券売機があるが、この券売機はタッチ決済対応のクレジットカード、キャッシュカードしか使えない。もちろん、現金での支払いは不可だ。つまり、タッチ決済対応のカードを持たずに乗車し、乗車券を購入しない場合、不正乗車とみなされる。

筆者撮影:プラハの路面電車にある券売機

カード読取部にカードをタッチすると、紙券が発行される。紙券の仕様は10年前と比べても、さほど変化していないように感じる。なお、購入した紙券には購入時間が印字されているため、車内の刻印機で刻印しなくても大丈夫だ。

カードが使えない観光スポットも

筆者撮影:プラハのテレビ塔

プラハは旧市街が世界文化遺産に登録されている。そのため、プラハ中心部は観光客でにぎわっている。当然、プラハにある観光施設やレストラン、店舗ではクレジットカードが使える。実際に、現金(チェコ・コルナ)はあまり見ない。

しかし、プラハのテレビ塔では、なぜかクレジットカードが使えず、現金のみだった。ここの入場料は350コルナ(約2500円)だ。仮に、現金がなくても、入口すぐにATMがあるため、心配はいらない。なお、プラハのテレビ塔はオンライン予約に対応している。キャッシュレスを求める場合は、オンライン予約をするといいだろう。

郊外はクレジットカードすら使えない

筆者撮影:ヴォイナ強制労働収容所

私はプラハから2時間ほど、路線バスを乗り継ぎ、第二次世界大戦後に運営されていた労働収容所を訪れた。知名度は低いが、立派な博物館だった。しかし、ここではクレジットカードは使えなかった。使用不可の旨は博物館公式HPに明記されていたので、問題はなかった。

チェコの場合、都市部ではカードは使えるが、郊外では全く使えないことがある。

スロバキアの路面電車のキャッシュレス事情はプラハと少し違う

撮影:ブラチスラバの路面電車

スロバキアは1993年にチェコスロバキアから独立した。首都ブラチスラバはオーストリアの首都ウィーンから列車で約60分だ。ブラチスラバの人口は50万人ほど。首都の割に人口は少ない。

私はチェコからオーストリアに行く際に、ブラチスラバに立ち寄った。滞在時間は半日である。

筆者撮影:ブラチスラバの路面電車にある券売機

ブラチスラバ中央駅から旧市街へは徒歩20分ほどの距離だが、暑さに負けて、路面電車を使った。ブラチスラバの路面電車にもタッチ決済のみ対応の券売機があった。しかし、プラハとはシステムが異なる。

カードを読取部にタッチすると、画面に緑色のチェック印がつき、それで購入完了。紙券は発行されない。

ちなみに……トイレはアナログだった

それでは、ブラチスラバがキャッシュレス先進都市かと言われると、それは違う。旧市街で公共トイレを利用したが、トイレの前には初老の男性がトイレ番をしていた。つまり、トイレを利用する際には現金(ユーロ)をトイレ番に払う必要がある。カードは不可だ。

個人的にはキャッシュレス時代にありながら、このようなアナログが残っていることに対し、懐かしさと嬉しさを感じた。

このように、チェコとスロバキアでは、少なくとも大都市では、クレジットカードが使える。しかも、公共交通機関では、タッチ決済のカードでないと苦しい。一方、カードが使えないところもランダム的に存在するため、念のため、現金も用意することをおすすめする。

著者・写真撮影:新田浩之
2016年より個人事業主としてライター活動に従事。主に関西の鉄道、中東欧・ロシアについて執筆活動を行う。著書に『関西の私鉄格差』(河出書房新社)がある。
 
 

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