福井県は越前海岸や若狭湾から奥越の山々まで海と山が近く、また田園の広がる平野や清流をたたえる河川・湖沼も有するなど「越山若水」と称される豊かな自然と景観に恵まれた地域です。
食材は「コシヒカリ」、「越前がに」などが有名で、眼鏡や繊維などの製造業も盛んな「ものづくりの県」のため、産業基盤の安定性は全国の中でも上位に位置します。
ただ他の地方と同様に、人材の大都市圏への流出といった問題を抱えており、県は技術革新を活かした生産性の向上、新幹線開業を活かした観光・交流の活性化、健康・医療、宇宙・航空、食、エネルギーなど様々な分野で価値が創作できる産業・企業の増加を目指し、若者や女性に魅力ある仕事の増加や雇用条件の改善に繋げたいと考えています。
福井県では、2021年4月に知事を本部長とした「福井県DX推進本部」を設置し、生活・産業・行政の3分野で全庁を挙げたDX推進に取り組んでいます。
【引用元】福井県のDX推進について
全国2万3,826 社を対象に実施された帝国データバンクの「DX推進に関する企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の15.7%とかなり低く、そのうち「既存製品・サービスの高付加価値化」、「新規製品・サービスの創出」、「ビジネスモデルの変革」といった本格的なDXに進展している企業は、その1/3程度、即ち全体の僅か5%程度です。
DXで成果を得ている企業自体、極少数というのが今の日本の実態です。
No | 回答 | 結果 |
1 | DXを理解し取り組んでいる | 15.7% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 25.7% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 31.6% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 13.3% |
5 | 言葉も知らない | 6.4% |
6 | 分からない | 7.3% |
さらに「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別に見比べると、
と企業規模での格差が生じており、これは資金・人材の不足によるものと考えられます。
また大企業の多くは都市部に集中しているため、中小企業が主体の地方とでも格差が生じていると言えます。
次に「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
といった結果を示しており、ブルーカラー業種全般が低水準を示しています。
地域の主産業は、生産現場・現場作業が中心のブルーカラー業種が多く、またDX推進の遅れは、意識の欠如だけでなく、導入の難易度が高いことも要因として考えられます。
【引用元】DX推進に関する企業の意識調査 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
人口 | 757,762人(2022年2月時点) | |
---|---|---|
面積 | 4,190 km² | |
自治体数 | 17 | |
県内総生産 | 3兆2,580億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 | 2018年の農業産出額は470億円で全国44位。このうち米が約65%を占める。六条大麦、ナツメの収穫量は全国1位で、その他にらっきょう、ラディッシュ、うめ、そば、メロンなどが全国上位。農家民宿の産出額が全国8位、集落営農数が全国9位で営農が進んでいる。国営事業で整備された九頭竜川下流地域ではICTを活用したスマート農業の先進地域を目指している。 |
林業 | 2018年の林業産出額は15億2千万円で全国41位。木材生産、栽培キノコ類ともに全国38位である一方、国産材と輸入材の製材工場数は全国1位。おうれんは全国1位、まいたけは全国9位の生産量を誇る。 | |
水産業 | 2018年の漁業産出額は88億円で全国34位。さわら類は全国1位、ずわいがに4位、あまだい類が6位の漁獲量を誇る。漁家民宿、経営体数は全国1位で農業と同様、営漁が進んでいる。 | |
製造業 | 2020年の製造品出荷額は2兆2,591億円で電子デバイス(3,410億円)、化学(2,468億円)、繊維(2,306億円)、輸送機器(2,014億円)で約5割を占める。合繊織物を中心として総合産地を形成する繊維産業をはじめ、機械産業、眼鏡産業などが盛ん。眼鏡枠、眼鏡の部品、眼鏡、ニット・レース染色整理、たて編ニット生地の販売額は全国1位。伝統的工芸品では漆器製台所・食卓用品が全国1位、手すき和紙が全国2位、包丁が全国4位。 | |
商業 | 2014年の年間販売額は1兆8,430億円でうち卸売業が1兆1,133億円で小売業が7,297億円。卸売業では建築材料の10.5%が最も高く、食料・飲料(構成比9.8%)、農畜産物・水産物(同9.6%)がそれに続く。小売業は、その他の飲食料品の 12.7%が最も高く、自動車(構成比8.1%)、医薬品・化粧品(同7.0%)がそれに続く。 | |
エネルギー | 日本屈指の原発集積地域だが、福島第1原発事故以降、安全上の理由により現在多くが運転を停止している状況。2020年度の総発電電力量も161.2億kWhで前年に比べて43%減少。そのため県は、嶺南地域を中心に、原子力をはじめ再エネを含む様々なエネルギーを活用した地域経済の活性化やまちづくりを目指す「嶺南Eコースト計画」に取り組んでいる。 | |
企業 | 上場企業 | 16社 |
事業所 | 45,339事業所(2019年) |
農業、水産業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また個人・中小企業の単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 福井県 |
プロジェクト・サービス名 | 福井県DX推進プログラム |
活動・事業概要 | 生活・産業・行政の各分野における幅広いデジタル技術の社会実装 |
支援・取り組み内容 |
・生活のDX (くらし:県民生活の質の向上を目指す) 質的向上/人を呼び込むサービス提供 福井モデルのスマートエリア形成 ・産業のDX (しごと:県内産業の高付加価値化を目指す) 現場の実情に踏み込んだハンズオン支援 さらなる人材育成/供給策 ・行政のDX (自治体:デジタル自治体の実現を目指す) デジタルファーストの加速化 国と歩調を合わせた基盤整備 |
設立・運営開始日 | 2021年4月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 未来戦略課 |
公式サイト | 福井県のDX推進について |
運営者名 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
プロジェクト・サービス名 | DX推進事業 |
活動・事業概要 | 県内中小企業、個人事業者のDX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みを「相談・助言」「資金支援(補助金)」「人材育成」の観点から支援 |
支援・取り組み内容 |
・情報発信を目的としたDX関連のイベントの開催 ・DX専門家派遣事業 ・無料IT相談窓口 ・IoT・AI・ロボット等導入促進事業補助金 ・IT導入支援事業補助金 ・5G通信環境を活用した実証事業補助金 ・ふくいITエンジニア養成スクール ・サテライト講座 など |
設立・運営開始日 | 1971年8月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 新産業支援部 DX推進グループ |
公式サイト | 公益財団法人ふくい産業支援センター DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進事業 |
運営者名 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
プロジェクト・サービス名 | ふくいDXオープンラボ |
活動・事業概要 | 企業の生産性向上、業務効率化、あらたなビジネスの創出など、DXの積極的な取り組みを支援 |
支援・取り組み内容 |
・勉強会、実践研究会の実施 ・スタッフによる相談運営 ・専門家によるDX推進相談の運営 ・エクスペリエンス(体験)エリアの運営 ・図書エリア(図書の閲覧・貸出)の運営 |
設立・運営開始日 | ‐ |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | ふくいDXオープンラボ |
運営者名 | 福井県 |
プロジェクト・サービス名 | DX FUKUIアイデアボックス |
活動・事業概要 | 福井県によるDXの意見募集 |
支援・取り組み内容 |
以下のカテゴリーにおいて、デジタルを活用して福井県をより良くしていくアイデアや意見などの募集 ・生活のDX まちづくり、交通、健康福祉、防災、教育など ・産業のDX ものづくり、農林水産業、観光振興など ・行政のDX 自治体デジタル化など |
設立・運営開始日 | 2022年1月20日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | DX FUKUIアイデアボックス |
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