続いて世界の総人口と人口性比の推移を見ていきます。
60年間で人口はおおよそ2.5倍に急増したものの、人口性比はほとんど変化していません。
では続いて人口の多い国別で人口と人口性比を調べていきます。今回は2010年時点での人口上位10か国について見ていきます。
インドや中国、パキスタンなど、少子化に転じるのが遅かった、あるいはまだ転じていない国では男性の人口の方が多いのがわかります。一方特に人口性比に特徴があるのがロシアです。世界有数のアルコール消費国、ロシアでは成人男性のアルコール摂取量の多さが特に大きな課題となっており、2019年時点で男性の平均寿命が68歳と比較的低くなっておりそうした要因から人口性比が著しく低くなっています。
一方、日本やアメリカのようにすでに少子化が進む国では女性の平均寿命の高さから人口性比が100以下になっています。
ちなみに同国の1950年代の人口と人口性比は以下のようになっています。
パキスタン、バングラデシュ、ナイジェリアなど、女性の搾取・弾圧が激しかった国では、産み分けや虐待死などが要因となり女性の平均寿命が短く、人口性比が非常に高くなっています。一方、ロシアでは現在よりさらに男性の寿命が短く、人口性比も低くなっています。
世界全体では人口性比に大きな変化はありませんが、国別でみるとその時々の情勢や環境によって人口性比が変化するということがわかります。
今回は人口性比をさまざまなデータから観察しました。普段当たり前に思っている概念も改めてデータで観察するとさまざまな発見がある、ということを改めて実感しました。
皆さんもぜひ、何気ない疑問をデータにしてみてくださいね!
【参考引用サイト】 ・世界人口に占める女性の割合 - 農林水産省 ・統計局ホームページ/人口推計の結果の概要 - 総務省統計局 ・性比 - Wikipedia ・ロシアのアルコール消費量40%減 WHO報告書
(大藤ヨシヲ)
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