6月6日、関東甲信地方が梅雨入りしました。この時期、頭痛や食欲不良が起きたり、古傷が傷んだり、疲れが取れにくくなったりすることはありませんか? もしかすると、それは天候の影響によって発症する「気象病」が原因かもしれません。
気象病とは、天気の変化で起こる不調の総称です。めまい、肩こり、イライラが起こるものと、片頭痛や関節痛など持病が悪化するものの2パターンがあります。後者は特に「天気痛」と呼ばれています(参考記事)。
気象病の原因は、気圧・気温・湿度の変化にあります。特に気圧の影響が大きく、梅雨の時期に気象病に罹りやすいようです。気圧の変化が気象病を引き起こすのは、内耳に気圧の変化を感じ取るセンサーがあるからと考えられています。内耳は耳の鼓膜の奥にあり、体の平衡感覚をつかさどっていますが、内耳が気圧の変化に敏感になってしまうと、過剰に脳に情報を与えてしまい、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうのです。交感神経が活発になると頭痛になり、副交感神経が活発になると眠くなったりだるくなったりします(参考記事)。
ポーラ・オルビスグループの株式会社decenciaが30代から40代の女性277人に行った調査 によれば、「梅雨の時期、体調不良を感じたことがありますか?」という問いに対して、85%の人が「はい」と答えています。「はい」と回答した人に対して「体調不良に関して、具体的にどのような症状を感じますか?」との問いでは、「だるさ」が1位、「頭痛」が2位、「冷え」が3位という結果になっています。ほとんどの女性の方が何らかの不調を訴えているということがわかりますね。
ちなみに「梅雨の時期、肌の調子が悪いと感じますか?」という問いに対しては、82%の人が「はい」と答えています。そのうち、「肌の不調に対して、具体的にどのような症状を感じますか?」という問いには、「ベタつき(1位)」「毛穴の開き(2位)」「吹出物(3位)」という結果が出ていました。
NHK『視点・論点』の「気象病とは何か」のページ には、気象病とうつの悪循環に関する記述がありました。これによれば、慢性痛の人が痛みを繰り返し感じると、脳に強いストレスがかかり、扁桃体と呼ばれるところが過敏になったり、前頭前野(前頭前皮質)や海馬が委縮したりするなど脳が変化して、不安やうつなどの精神障害が現れ、痛みがさらに強くなってしまうとのことです。この負の連鎖を断ち切るには、適切な対処法を知ること。心療内科など医師に相談してみましょう。
エアコンを使いすぎると、自律神経の働きを弱めることになり、自律神経のバランスが崩れやすくなってしまいます。あまりエアコンに頼り過ぎないようにしたほうが良いかもしれません。
職場や学校においては、気圧の変化による体調不良は「気のせい」と言われてしまうこともしばしば。私も気圧の変化で調子が出ない日もありましたが、なかなか上司に理解してもらえず苦労しました。一人で悩まず、まずはお医者さんに相談するのが良いと思います。
この記事では、気象病の概要をおおまかにご紹介しました。詳しくは以下の参考記事もチェックしてみてください。
参考記事 天気の変化で不調を感じる「気象病」 対処法は|ヘルスUP|NIKKEI STYLE それは気象病かも _ 健康 _ NHK生活情報ブログ_NHK 梅雨の時期、天候が原因で起こる体調不良に要注意!8割以上の女性が“気象病”による肌あれを実感!!|株式会社DECENCIAのプレスリリース 「気象病とは何か」(視点・論点) _ 視点・論点 _ NHK 解説委員室 _ 解説アーカイブス
(安齋慎平)
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