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KPIの設定や人事評価などで目標設定をする機会があると思いますが、どのように目標を立てたらよいのかわからない、という人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、目標設定を明確にするために最適な法則を紹介します。それは「SMARTゴール」という法則です。
SMARTの法則/SMARTゴールとは、ジョージ・T・ドラン(Dr. George T. Doran)博士が提唱した法則です。以下の5つの単語の頭文字をとって名付けられました。
「具体的に」の意。誰が読んでもわかるように、明確で具体的な表現・言葉で書き表すこと。例えば「5つのW」を考えながら作ると良いです。5つのWとは、「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」のこと。これらを意識しながら目標を立てると、目標に具体性が出てくるはずです。
「測定可能な」の意。目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表すこと。定量化とは、売上高や契約数など、数字で表すことができるようにすること。対義語としては「定性化(数値化するのが難しい目標のこと)」があり、こちらは将来の夢(キャリア、ポジションなど)が当てはまります。定量的に目標設定することで、目標を測定可能なものにしましょう。
「達成可能な」の意。希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容がどうかを確認すること。売上を上げたことがない状況で「売上1億円を目指す」というのはなかなか難しいでしょう。かといってすぐに達成できるものを掲げるのも適切ではありません。
上司に相談の上、現実的な目標を掲げましょう。
Attainable(実現できる)、Assignable(アサインできる)などの単語に置き換わっていることも時折あります。ドラン博士の提案では、Assignableだったようです。
「経営目標に関連した」の意。設定した目標が自分の属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうか確認すること。部署や会社の経営目標とあまりにもかけ離れた目標を立てないようにしましょう。
※この「R」はRealistic(現実的な)やRelated(関連した)という単語の場合もあります。また「SMARRT」というRが一つ多い発展形もあります。その場合、RealisticでRelatedまたはRelevant、という意味の場合が多いです。ドラン博士のオリジナルではRealisticだったようです。
「時間制約がある」の意。いつまでに目標を達成するか、その期限を設定します。1カ月後なのか、3カ月後なのか、明確なデッドラインを設けましょう。
この「SMARTの法則」では、個人だけではなく、プロジェクトごとの目標設定にも有効です。プロジェクトが立ち上がったら、チームで集まってSMARTの法則を用いながら議論してみるのも良いでしょう。
Time-Related, Time-Bound、Timelyなどの単語に置き換わっている場合もありますが、言わんとしていることは全て同じです。ドラン博士のオリジナルではTime-Relatedでした。
SMARTの発展形として「SMARTER」というものがあります。これは上記SMARTに加えて「Evaluated((上司に)評価される)」という意味と「Recognized(認識される)」もしくは「Rewarding(見返りがある)」という単語が加わったものです。ERが付け加わることで、上司の評価・承認が得られたかどうかも考慮の対象となります。
SMARTにTAがくっついたのが「SMARTTA」。Tは「Trackable(追跡可能かどうか)」、Aは「Agreed(当事者間の合意があるかどうか)」です。自分が今どのステージにいて、次のステージに行くにはどうすればよいかを把握し(Trackable)、万人が納得できる目標を立てましょう(Agreed)。
目標を立てることは意外と難しいと思っている方も多いと思います。
現実とかけ離れたものであっては駄目ですし、クリアしやすいものを掲げても駄目です。さらに、その目標がチームや会社に貢献できるものである必要もあります。目標設定に迷ったら、今回紹介したSMARTの法則などを参考にしつつ、緻密な目標を掲げてみましょう。
例えば、2019年3月までに現在900万円の月間売上を1000万円まで引き上げるという目標を達成するために、お客様60社に対し、我々の新製品◯◯を提案するというアクションを9月末までに実行し、12月末までに1社あたりの売り上げを平均12%拡大する、というのはSMARTに当てはめてみると、
ということがわかるかと思います。対して、「営業活動をもっと頑張る」では、具体性がなく、いつまでに何をどうしたいのかが明確ではありません。
具体的な目標は自分のモチベーションを高めるだけではなく、「今、自分のスキルはどのステップにいるのか」「自分は会社から何を期待されているのか」などを知るきっかけとなります。単に業績査定の資料として目標を掲げるのではなく、自己成長の起爆剤として目標設定に取り組むことをオススメします。
それにしても、SMARTゴールとは、アルファベットの解釈に諸説あるほど世界中に浸透しているものなのですね!興味のある方は、ドラン博士がSMARTゴールについて語る下の動画も合わせてご覧ください。
【参考記事】
(安齋慎平)
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