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日本のデータドリブン経営には家庭教師が必要。日本屈指のBI先駆者「ジール」が語るデータドリブン経営の勘所

株式会社ジールは顧客のDXをサポートするDX推進事業を展開している。コンサルティングから、データ基盤の構築、AIおよびBI(ビジネスインテリジェンスツール)によるデータ高度活用、データドリブン人材の育成までをトータルに提供。近年はeラーニングサービス「ZEAL DX-Learning Room」をはじめとする伴走型支援に力を注ぎ、ツール、コンサルティング、SIを超えたDX人材の育成とデータ活用文化の浸透を目指している。その背景やねらい、実際の取り組みについて聞いた。

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30年1,000社を超えるBI/データ活用基盤構築実績と知見により、DXをトータルにサポート

株式会社ジール(以下ジール)はデータを最大限に活用し、顧客のDXをサポートするDX推進事業を展開している。DX構想策定のコンサルティングから、データ基盤の構築、AIおよびBIツールによるデータ高度利用支援や内製化のための伴走型支援、データ活用人材の育成までを一気通貫に提供。30年1,000社を超えるBI/DWHシステムの構築実績、データ活用領域での豊富な経験と知見を備えたエンジニア、国内外主要ベンダー各社とのパートナー契約により、顧客にとって最適な提案と導入後の的確なフォローを行う。

株式会社ジール 営業本部 コンサルティング営業2部 サブマネージャー 鈴木 岳海氏

同社のコンサルティング営業2部でサブマネージャーをつとめる鈴木 岳海氏は「コンサルティング、提案、システム構築で終わりではなく、そこから導入や運用保守、活用促進、人材育成までを、弊社内の各部署が緊密に協力しながらトータルに支援しています。その過程で、お客様も気づいていないような課題やニーズが明らかになり、新たなツールの導入やシステム構築につながっていきます」と語る。

データ活用やDXに成功しやすい会社の共通点は、クイックウィンと推進者

鈴木氏はデータ活用やDXに成功している会社には、ある共通点があると話す。

「社内に強力な推進者がいらっしゃる場合が多いです。多くの場合、業務の知識や経験を持ちながら現状に課題を感じており、データ活用やシステムに関心を持つ人が推進者になっています。その推進者を中心に、社内全体へ理解や共感の輪が広がっていきます。また、最初は大がかりでなくてもいいので、まずはクイックウィン(小さな成功事例)を一つ生み出すこと。そこから成功体験を積み重ねることで、いずれ大きな成果につながっていきます」(鈴木氏)。

また、顧客企業において、データ活用人材を育成したいというニーズが高まっているという。

「データの重要性はわかっていても、社内に活用できる人材がいない。現場にも情報システム部にも、なかなかそういう人材を育てる余裕やノウハウがない。そのためお客様から人材育成や教育についての相談を受けることが増えました」(鈴木氏)。

自律的なデータドリブン人材育成を目指す「ZEAL DX-Learning Room」を提供

顧客から日々寄せられる「データを活用する人材がいない」「効率的にデータ活用人材を育成したい」「BIツールを使いこなせない」などの声に応え、ジールが開発したのがeラーニングサービス「ZEAL DX-Learning Room」だ。eラーニングと練習/演習コンテンツを組み合わせたハイブリッド型サービスで、スマホやPC、タブレットでいつでもどこでも学ぶことができるため、BIツールとデータ活用のスキルやノウハウを効率的・体系的に身に着けることができる。

「ZEAL DX-Learning Room」を担当するデータドリブンサービス ユニット シニアコンサルタントの大澤 秀平氏は「ジールのこれまでの経験や知見を活かし、実務でのデータ活用を重視した内容になっています。最初に何のためにデータを活用するのか、データ活用の本質を知ってもらうことを重要視しています」と話す。

株会社ジール データドリブンサービス ユニット SDD支援室 シニアコンサルタント 大澤 秀平氏

最初のパートでは、データ&ストーリーLLC 代表の柏木 吉基氏の監修により、単に分析結果を得るのではなく「ストーリーを創る」というデータ活用の本質を学ぶ。次のパートから具体的なBIツールの操作方法を学び、ハンズオンを含めた実践的な練習/演習を行っていく。さらに実務に活かす上でつまずきがちな事や疑問点を解消するためのTips集や、掲示板で質問することで素早く回答が得られる「Room」も用意されている。

「既に数十社のお客様に採用され、非常に高い評価をいただいています。あるメーカーでは社内の受講希望者が予定の3倍にも達しました。お客様からの問い合わせも多数寄せられ、伴走型支援の有効なツールとなっています」(大澤氏)。

ツールは手段に過ぎない――データドリブン経営の本質を語る

ジールでは顧客の内製化サポートやワークショップ、「ZEAL DX-Learning Room」の提供など、教育を軸とした伴走型支援に力を注いでいる。

大澤氏は「データ活用を組織に定着させ継続的に結果に結びつけるには、データ活用の目的やメリットを理解する人材を増やしていくことが不可欠です。そうしたメンバーが増えることで『データ活用文化』が醸成され、データドリブン組織への進化が促されます」と語る。

データドリブン経営を成功させる上で、ツールやシステムは重要な要素、ただ、データ活用のために優れたツールやシステムを導入したとしても、それは手段に過ぎない。目的はそれらを使いこなし、データを元に業務を改善し、意思決定の質を高め、実際のビジネスの成果や企業変革につなげていくこと。そこで鍵となるのがデータ活用人材の育成だ。

日本のデータドリブン経営には「家庭教師」が必要

さらに鈴木氏は、日本企業がデータドリブン経営を推進する上での課題について触れる。

「多くの企業が最新のツールを導入しますが、それだけではデータ活用は進みません。ツールを使いこなせる人材の育成や、データ活用の文化を組織全体に浸透させることが不可欠です。日本の多くの企業では、データ活用のノウハウや経験を持つ人材が不足しています。そのため、我々ジールが『家庭教師』のような存在となり、お客様と伴走しながらデータ活用の取り組みを支援しています。これにより、お客様自身が自律的にデータドリブン経営を実現できるようになります」(鈴木氏)。

大澤氏も、「我々の提供する『ZEAL DX-Learning Room』は、お客様のデータ活用人材育成を強力にサポートします。単なるツールの使い方だけでなく、データ活用の本質やビジネスへの応用方法までを包括的に学べる内容になっています」と語る。

ジールは「ZEAL DX-Learning Room」をはじめとする教育プログラムによってデータ活用人材のすそ野を広げ、誰もがデータを活用する文化の浸透を目指している。そうした取り組みが組織内の推進者を生み出し、「データの民主化」を進めることで顧客と自社の持続的な成長を実現していく。

 
大澤 秀平 氏(写真左)株式会社ジール データドリブンサービス ユニット SDD支援室 シニアコンサルタント
2015年に株式会社ジールに中途入社。前職からBI(ビジネスインテリジェンス)やDWH(データウェアハウス)の分野に携わり、データ活用の重要性に触れる。ジール入社後はウイングアーク製品を中心に、開発や導入支援を長く担当。近年はeラーニングサービス「ZEAL DX-Learning Room」を通じて、人材育成の分野にも取り組んでいる。これまでの経験を活かし、お客様のさまざまな課題解決に努めている。
 
鈴木 岳海 氏(写真右)株式会社ジール 営業本部 コンサルティング営業2部 サブマネージャー
2018年に株式会社ジールに中途入社。アカウント営業として、企業規模・業界を問わず様々なお客様へのデータ分析基盤やBIツールのご提案、構築プロジェクトに携わり、お客様のデータ利活用促進に向けて邁進しています。また、「WingArc Partner Award 2024」にて「Persons of the Year」を受賞させていただきました。
 

(取材・TEXT:市川哲男 PHOTO:倉本あかり 編集:野島光太郎)

 

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