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「適正価格」のズレが企業の明暗を分ける

         

常に困難がつきまとう「適正価格」

企業が市場に投入する製品の価格は、さまざまな経緯で決定されたものです。しかし一般的に、その経緯は過去の手法に則ったものであるケースが多く、本来の適正価格とは離れていることも考えられます。この場合、ビジネスの正当報酬に換算すると決して無視できない額になったり、市場の動向や消費者の反応と比例しないことさえあるため、さらに問題を複雑にします。

たとえば適正価格を算出した際、従来の製品よりも1パーセント単価を上げた結果、それを上回る利益率を生み出すこともあります。しかし、実際にこうした成功例は少なく、多くの企業は適正価格を提示する機会を得ずにいるケースが多いはずです。

適切なポイントを見つけ出す「価格」の考え方

デジタル化が進み、顧客の購買活動の幅が飛躍的に広がりを見せる中でも、「価格」のベースは一定のポイントを保つ必要があります。それには今まで培ってきた大量のデータから、適切なポイントを見つけ出すことが大切なのです。

これまでの価格設定方法といえば、開発費用や人件費、原材料や資材、製造コストなど、細かい費用を計算して決定していたはずです。これが少数の製品であれば問題はありませんが、製品数が多くなるほど価格設定にかかる負担も増加し、さらにそれが適正だとなかなか言い切れない数字になってしまうのです。

自社が市場に投入できる製品が多量であっても、それぞれに適正価格が簡単に算出できるようにすれば、正当な報酬を受け取れるようになり、ビジネスを有利に展開できます。これを可能にするのがデータ活用です。

適正価格の算出でデータが利益に変わる

価格設定のカギは、これまで培ってきたデータの中に隠されています。たとえば、製品別や顧客別といった詳細な取引データを分析することで、段階的な価格ガイダンスを提供する「ダイナミック・ディール・スコアリング」という手法にも見てとれます。こうした手法では、データ分析や自動化のためのメソッドを確立することからはじめます。そしてデータ分析では、製品をとりまく周囲の経済状況や販売代理店が行なっている独自の取り組みといった、見過ごされがちな要因がおよぼす価格への影響などまで明らかにします。また自動化によって、数千の製品群を持っていても瞬時に適正価格の算出が行えるようになるのです。

こうした取り組みは、企業の価格設定に対するスキルと自信を高めるばかりでなく、データ活用や業務管理の変化にも影響するはずです。実際に適正価格を決めるのに大量のデータを活用しはじめている企業も出ており、そのいずれも利益率が向上しています。価格の設定が上手く行えれば、売上損失を防げるだけでなく、この取り組みに投資したすべてのリソースを回収しても余りある結果が得られるはずです。自社製品に対する「適正価格」の付与は、今まで損失していた売上の回収に繋がり、今後のビジネスを大きく飛躍させてくれるはずです。

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