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YOMIURI ONLINEの「発言小町」の投稿で、興味深い発言がありました。
ある主婦が27年間付けていた家計簿に合計・統計機能がついていたため、27年間という全期間の収支、消費動向、キャッシュフローを計算したところ、驚きの結果がでたそうです。
この家庭は収入の大半をご主人の給与が占めているそうですが、給与所得は3億7000万円。家計簿をつけ始めた当初の年収が600万円ほどだったそうで、後の方が年収の伸びが大きいとの分析です。収入でいえば、双方の親からの相続合計9000万円が給与の次に大きい割合だったそうです。
一方、支出はどうかというと、税・社会保障を除いた消費支出は2億4000万円でした。最大の支出はマイホーム購入で約5000万円、ローン金利は2300万円とのことで住宅価格の約半分です。外食・嗜好品を含めた食費は3200万円でした。
この方の最大の言い分は、家計の中で占めた税金の割合の高さです。支出に税・社会保障を加えた総支出は3億6000万円で、税・社会保障は消費支出の半分の1億2000万円だったそうです。
総額で見ると、税金の高さにあらためて驚かされます。
投稿者のご主人の27年間の総所得は3億7000万円でした。
単純計算でこの3億7000万円を27年間の平均年収として計算すると、約1370万3703円という結果になります。
投稿では、家計簿を付け始めたときには年収600万円だったとありますが、それ以降の具体的な年収増の割合が不明のため、実数は導くことができません。しかし27年間の年収を平均しても1300万円超となるので、ご主人は高額所得者といえるでしょう。
ただし、高額所得者の定義は「所得の高い人」ということであり、収入額で決められたものではないことに注意をしたいところです。また、給与所得以外の収入として9000万円の相続所得があります。その他1軒目の家の売却益があり、これも収入に入ります。しかし、ご主人の失業時の生活費や、家の大改装、子供の教育費などに充てる等しており、総収入からの支出も、かなりの額だったのでは、と分析することができます。
ご主人の27年間の総所得が3億7000万円という実態は、日本の平均的な生涯年収と比較した場合にどのようなことが分かるのでしょうか?
大卒の男性の生涯平均年収は2億5000万円と言われています。(独立行政法人労働政策研究・研修機構調べ)大学の学部卒で、60歳定年まで37年間ほど勤め上げた場合、平均年収で約730万円ほどになります。
ご主人の27年間の平均年収が1300万円で、あと定年まで何年勤務するのかは不明ですが、定年まで所得は得られる可能性があるので、所得の総額がこれよりも増えることが想定されます。
統計上、学部卒男性の37年間の平均年収が730万円ですから、投稿者のご主人の年収はやはり平均よりも高いということがいえるでしょう。また、投稿者からは所得に対して税金・社会保障費が高いという指摘がありました。1億2000万円という統計ですから、所得の半分に近い金額です。高額所得になればなるほど累進課税により税額が増えるということが分かります。
投稿者による長期間の家計簿の分析してみると、これも1つのビッグデータと言えるでしょう。コツコツつけてきた家計簿から、家計における収入と支出の割合、生活費の内訳、そして何にお金がかかっているのかという、家計の「見える化」が可能となります。ビッグデータは何も、企業のマーケティングや国政の分析だけに利用するものではありません。身近な家庭の中にもビッグデータがあり、それを活用することができるのです。
総務省の情報通信白書によると、スマートフォンなどの情報通信機器を使用したビッグデータの活用と広がりが示唆されています。
「Zaim」や「マネーフォワード」といった、家計簿アプリも多くのユーザーによって利用され、各家庭や個人のキャッシュフローの見える化が実現されています。ビッグデータは、統計上浮かび上がった現状や諸問題を把握し、改善に向けていくための大切な原資です。
ビッグデータをうまく活用し、生活を豊かなものへと変えていくには、必ずしも、「私は今猛烈にビッグデータを駆使している」と意識する必要はありません。ビッグデータだけでなく、あらゆるデータは耳を傾けると、今まで気づかずにいた何かを教えてくれることがあります。特に家計簿という数値データはもっとも身近なデータ活用体験かもしれません。せっかくデータを集めたならば、その有効利用方法を身近なところから、今一度考え直して見ませんか?
極端な話、ペットボトルのふただってたくさん集めれば色々と有効利用できるんですから!
(データのじかん編集部)
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