宮西 京華(みやにし けいか)
保険会社で事務職をやっているデータマネジメント担当。歌い手動画を見るのが好き。
松田 紗友里(まつだ さゆり)
マーケティングが専門でSQLが得意。データ分析担当。ゲームやアニメが好き。
データマネジメント解説、連載の第七回が始まりました。
今回の話はデータマネジメントを担当する事になった宮西さんが、何をすればいいのかわからずに途方に暮れているときの話です。
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部長から「データマネジメントを担当してもらう」ってアサインの話をされて、急にそんな大役かよってびっくりしちゃったんですよね。
その時に「データマネジメントっていうのは、データをちゃんと管理して使いやすい状態にしておくことだよ」って説明は受けたのですが、じゃあ実際に何をどうすればいいのかがさっぱりわからないんです。
会議が終わった後、松田先輩に「データマネジメントって、具体的に何すればいいんですか?」って聞いてみたんです。
そしたら先輩、ニヤニヤしながら分厚い本をひょいっと差し出してきて。「DMBOK」っていうんですけど、これまたすごいボリュームで…見ただけでうんざりです。
先輩曰く「データマネジメントの基本が全部詰まってる本」らしいんですが、開いてみたら「データのガバナンス」とか「データのライフサイクル管理」とか、聞いたこともないような言葉がずらっと並んでるんですよ。
「この本さえ読めばデータマネジメントがわかるよ!」なんて言われたけど、いやいや、これを本当に全部読むの?覚えなきゃいけないの?って心の中で思わず叫びそうになっちゃいました。
でも叫んだところで何も進まないし、仕方ないか…って本を眺めてるんですけど、どうもDMBOKを読み切った自分の姿なんて想像もつかないんですよね。むしろ、この本の重みがそのまま私の肩にどっしりのしかかってくる感じ…。
目次をパラパラ見てみたら、なんと17章もあるらしくて。でも、タイトルだけ見てもよくわからない用語が並んでるし、どこから手をつければいいのかもさっぱり見当がつかない。ほんと、これから始まるのはまさに未知の世界なんだなって感じです。
思わずため息をつきながら、本を閉じて呆然とするしかありませんでした。
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初学者の方から「データマネジメントを学ぶには何をすればいいですか?」と質問をいただくことがあります。
データマネジメントの分野ではDMBOKが有名なので、「まずはDMBOKから読んだ方がいいですか?」と相談されることも多いのですが、私はあまりそうは思いません。
というのも、ある程度システムやデータに慣れ親しんだバックグラウンドがなければ、書かれている用語の意味が理解しづらいからです。
以前、一緒に読んでいたメンバーから「古文書を読んでいるみたいだ」と言われたこともあります。
DMBOKの良い活用方法としては、データマネジメントの実務を進める中で、取り組んでいる内容と同じ章を読んでヒントを得る、というやり方が適しているのではないかと思います。
では、初学者はどのように学習を進めればいいのでしょうか。私のおすすめは、ビジネスユーザー向けのセミナーや講演を見ることです。
ビジネスユーザー向けのセミナーや講演では、平易な用語で話が進められ、難解な言葉はあまり使われません。そのため、これから勉強を始める方でも内容を理解しやすいと思います。
最初にこういったセミナーや講演を通じてデータマネジメントの全体像をつかんでからDMBOKを読むと、書かれている用語や概念も理解しやすくなるでしょう。
これを読んでくださっている皆さんも、宮西さんと一緒にデータマネジメントを学んでいきましょう。
よしむら@データマネジメント担当
IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持ち、現在もデータマネジメント担当している。データマネジメント業界を盛り上げるために、経験を通して得た知識の発信活動を行っている。
本記事は「よしむら@データマネジメント担当」さんのデータマネジメントを学べることをコンセプトの4コマ漫画「AI事務員宮西さん–データ組織立ち上げ編」のコンテンツを許可を得て掲載しています。
保険会社で事務員として働く宮西さんは、会社がAI時代に対応するために新設したデータ部門に突然配属されました。事務員からデータマネジメントのリーダーへと成長していく宮西さんの奮闘記を描いた物語。
本シリーズ「データ組織立ち上げ編」では、宮西さんがデータ利活用組織を立ち上げるまでの挑戦を描きます。IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持つ著者「よしむら@データマネジメント担当」さんが豊富な経験を基に執筆しています。データ組織の一員の皆様には、ぜひご一読ください。
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