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長期休暇前で気になる大阪・関西万博「混雑具合」。大混雑の初日でもスムーズに入場できたおすすめルートをレポート!「DX Namamono information」第16便

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2025年4月13日、大阪・関西万博(関西万博)がはじまった。筆者は幸運にも某国からの招待枠を利用し、4月13日初日に万博に行くことができた。それから約2カ月経ち、関係者を含む総来場者数の最高記録は5月31日の18万人を記録。さらに6月1日時点では25日連続で1日あたりの総来場者数は10万を超えている。目標の数値云々は別として、このような状況で一般来場者としては万博を楽しむために気になるのは混雑具合だろう。

特に入場ゲートについては報道されることも多いため、これからの暑い時期にかけて不安を抱く人も少なくないだろう。さらにこれから万博に行かれる方にとって、心配の種の一つが交通アクセスのように思う。そこで約14万超が来場した大阪・関西万博屈指の混雑日かつ悪天候だった初日に来場した筆者が、おすすめする「桜島駅・西ゲートコース」の初日当日の模様をお伝えし、快適に万博を体験するお手伝いをできればと思う。

低迷する大阪・関西万博への機運。外国人・中国人観光客は頼みの綱になり得るか?

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鉄道利用だと2ルート

関西万博は大阪南港にある夢洲で行われている。自家用車での夢洲への乗り入れは禁じられているため、自ずと公共交通機関を利用することになる。鉄道の場合、2ルートが存在する。

1つ目はOsaka Metro中央線夢洲駅から東ゲートに向かうコースだ。夢洲駅から東ゲートへは徒歩移動のため、最も交通至便なコースといえる。2つ目はJRゆめ咲線(桜島線)の桜島駅からシャトルバスに乗り、西ゲートを目指すコースだ。

この他、新大阪駅・大阪駅・京阪中之島駅・近鉄大阪上本町駅・近鉄大阪阿部野橋駅・南海難波駅・南海堺東駅などから夢洲行きの直行バスが運行されている。桜島駅以外からの夢洲直行バスは本数がそれほど多くなく、予約は必須だ。一方、桜島駅発着のシャトルバスは必ずしも予約は必須ではなく、本数も多い。

私は新大阪駅から臨時列車「エキスポライナー」に乗り、桜島駅へ。桜島駅から西ゲートを目指すコースを選択した。

8時台の西ゲートはスムーズだった

写真:筆者撮影

私は新大阪駅から8時02分発の臨時列車「エキスポライナー」桜島行きに乗車した。「エキスポライナー」は8両編成で、大阪(うめきたエリア)、ユニバーサルシティ、桜島の順に停車する。

大阪駅発車後も乗車した桜島方1両目は、全席が埋まるくらい。立客はまばらで、まったく混雑していなかった。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)最寄駅のユニバーサルシティ駅では3割ほどが降車した。桜島駅には8時20分に到着した。

桜島駅から夢洲行きのシャトルバスに乗る。私はアプリ「KANSAI MaaS」を通じて、シャトルバスを予約した。シャトルバス自体は5分間隔(8時台)で運行されているが、予約は1時間毎になっている。私は前日4月11日の12時前に8時台の便を予約。桜島駅発着のシャトルバスの運賃は350円だった。

写真:筆者撮影

万博の公式HPによると、8~10時台の桜島駅からのバスに関しては、事前予約した人から優先的に乗車できる、とのことだ。改札を出ると、スタッフが万博来場者を「バス予約なし」と「バス予約あり」で分けていた。「予約なし」のバスは桜島駅前のバスターミナルから出発する。そこには長蛇の列ができていた。

写真:筆者撮影

「予約あり」のバス乗り場は駅から少し離れていた。3分ほど歩き、「予約あり」専用バス乗り場に到着した。バス乗り場前には簡易改札があり、ここでスタッフに「KANSAI MaaS」の画面を見せる。

ただし、単に画面を見せるだけではなく、アプリを操作する必要がある。アプリでは「チケットを使う」を表示・タップするのだが、この作業が面倒だ。1人ほど10秒は要し、操作に迷う高齢者は多いことだろう。ここでは予約を示すスクショや領収書の印刷を見せるだけでもいいのではないか。

写真:筆者撮影

簡易改札を通過すると、再び列に並ぶ。ここで30分ほど待たされると思いきや、待ち時間10分ほどでバスに乗れた。桜島駅を出てから、15分ほどでバスに乗れたことになる。想像以上にスムーズで、正直なところ驚いた。

写真:筆者撮影

バスは超満員といったところ。桜島駅から舞洲を経由して夢洲へ至る。所要時間は約10分だった。

写真:筆者撮影

西ゲートに到着したのは9時前のこと。西ゲートの前に長蛇の列はできていたものの、常に前に移動し、滞留している印象はまったくなかった。

私は招待状を持っていたため、VIP専用レーンを通った。VIP専用レーンは両端にあり、列に並ばなくてもよい。荷物検査は空港の手荷物検査の要領で行われた。ポケットにある物やカメラは別皿に乗せ、X線検査を行った。カバンの中にはペットボトルのお茶を入れていたが、目視での確認のみであった。2005年に開催された愛・地球博(愛知万博)では、飲食の持ち込みに関して制限があったこともあり、関西万博の柔軟な姿勢にいい意味で驚いた。

写真:筆者撮影

9時03分、西ゲートを通過して、万博会場に足を踏み入れた。新大阪駅から約1時間の道のりであった。

帰宅は嵐の中で

写真:筆者撮影

当日は午後から風雨が強くなった。私は神戸の自宅に18時前に、着く必要があった。そのため、15時30分にSゾーンから西ゲートに向けて歩き出した。Sゾーンから西ゲートまでの所要時間は10~15分。ゲート通過時は待ち時間もなく、そのままゲートを通過した。報道によると、夢洲駅側の東ゲートでは、ゲートを出る際にも待ち時間が発生したという。少なくとも15時台の西ゲートでは、そのような場面には出くわさなかった。

ただし、帰りはバスを予約しなかったこともあり、夢洲側のバス乗り場では約30分の待ち時間が発生した。気候が良い時の30分なら問題はないが、風雨が強い中での30分の待ち時間は正直なところ厳しかった。屋根がないため、ずぶぬれ。特に小さい子どもは本当につらそうだった。

何とか桜島駅行きのバスに乗り、精算は桜島駅バス乗り場で行っていた。バスの車内では万博を楽しみながらも、風雨により疲れ切った人々の表情が印象的だった。桜島駅側の簡易改札で交通系ICカード「ICOCA」をタッチするが、簡易改札のせいか、うまく反応しない人も多かった。その度に人の列が止まる。もう少し感度の良い読取機械が必要かもしれない。

桜島駅では16時41分発の普通西九条行きに乗車した。16時台は9本の設定があるせいか、車内は空席が見られ、シャトルバスとは大違いだった。隣駅のユニバーサルシティ駅でも多数の利用者が乗り込んだが、混雑とはほど遠い乗車率だった。西九条駅で大阪環状線大阪方面行きに乗り換え、大阪駅に到着したのはちょうど17時0分であった。万博会場から大阪駅まで1時間30分を要したことになる。

なぜ夢洲駅・東ゲートが大混雑したのか

交通アクセスも含め、万博に関するアドバイスをしたい。私が知る限り、桜島駅・西ゲートルートでは夢洲駅・東ゲートルートのような混乱はなかったように感じる。そのため、混雑回避を優先するなら、開園時間の朝9時を狙って桜島駅・西ゲートのルートを選択することをおすすめする。そして、往路(桜島駅→夢洲)のシャトルバスの予約を強くおすすめする。予約は定員に達すると予約不可になるため、早めの予約をおすすめする。

最後に、モヤモヤが残る疑問は、なぜ夢洲駅・東ゲートが大混雑になったか、という点だ。VIPの入場であっても、基本的に入場するゲートと入場時間を予約する必要がある。ここでの盲点は9時から12時までは1時間毎だが、12時の次は17時入場となる。つまり、12時に予約すると、12時~17時の間ならいつでも入場できる。とはいえ、ふつうは12時に予約すると、12時頃に入場するのではないか。

私は2日前の11日16時40分頃に予約した。その際は8時台を除き、東ゲートも満員ではなかった。2日前の表示を見て、東ゲートからの入場予定者も安心したのではないだろうか。

初日の一般入場者数は約11万9千人だった。これを上回る日もあるだろう。そのあたりの予約システムがどのように管理されているのか、気になるところではある。

著者・写真撮影:新田浩之
2016年より個人事業主としてライター活動に従事。主に関西の鉄道、中東欧・ロシアについて執筆活動を行う。著書に『関西の私鉄格差』(河出書房新社)がある。

 

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『DX Namamono information』

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