いまやテレビを付ければ様々な商品がランク付けされ、1つの番組として成立している時代。都道府県ですらランキング化されています。ブランド総合研究所が発表している「都道府県魅力度ランキング」もその1つ。以前、某県知事がランキング結果に対して法的措置を検討すると発言したことも話題となりました。
世間の注目度も高いこのランキングですが、まずは2022年10月8日に発表された最新のランキングを見てみましょう。
都道府県魅力度ランキングは、47都道府県と国内1000の市区町村を対象に、全国の消費者3万4768人の有効回答(インターネット調査)を集計したもの。「各自治体について、どの程度魅力を感じますか?」という問いに対して、「とても魅力的」100点、「やや魅力的」50点、「どちらでもない」「あまり魅力を感じない」「全く魅力的でない」0点という風に点数で回答してもらいます。それらを加重平均して算出しています。
これによれば、1位は北海道、2位は京都府、3位は沖縄県となっています。2021年の同ランキングと比較すると、昨年9位だった奈良県が8位に上昇して昨年8位だった長崎県が9位に順位を落としている以外は、昨年と同じ結果となっているというのが驚きです。
一方、最下位争いに変化が。昨年47位だった茨城県が46位に上昇したのに対し、昨年46位だった佐賀県が47位に落ちてしまっています。隣県の長崎県(9位)や福岡県(7位)と比較しても、佐賀県の順位の低さが際立っています。スクウェア・エニックスとのコラボ企画「ロマンシング佐賀 2022」など、魅力ある企画を行っている同県ですが、魅力度を上げることは容易ではないようです。
都道府県幸福度ランキングは、全国の男女約450万人の調査モニターの中から15歳以上を対象に、2022年5月20日から26日にかけてインターネットで調査を実施したもの。各都道府県の住民それぞれ約500人からアンケート結果を回収し、調査時点で移転などの理由によりその地域に居住していない人を除く計2万3973人の有効回答をもとに算出しています。設問は、「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらともいえない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、50点、25点、0点で加重平均しています。
これによれば、1位は北海道、2位は鹿児島県、3位は宮崎県となっています。都道府県魅力度ランキングと比較しても、1位は両方とも北海道ではありますが、2位も3位も異なる結果に。4位~10位を見てみると、魅力度ランキングを前者・幸福度ランキングを後者とすると、4位(東京都/静岡県)、5位(大阪府/福岡県)、6位(神奈川県/和歌山県)、7位(福岡県/佐賀県)、8位(奈良県/長野県)、9位(長崎県/石川県)、10位(石川県/三重県)となっています。
面白いのは、この2つのランキング結果にかなりの差がある都道府県がある点。魅力度ランキングで4位にある東京都ですが、幸福度ランキングではなんと46位。対して魅力度ランキング最下位の佐賀県は、幸福度ランキングでは7位に位置しています。魅力的な地域に住むことが、必ずしも幸福度につながらないということでしょうか。両者の算出方法が異なるため一概に比較はできないですが、この2つのランキングを比較してみると面白いです。
順位は、居住者の居住満足度と満足度8因子・建物満足度・主観的幸福度・住み続けたい意向の12項目と、非居住者の居住訪問経験(5項目)、認知(2項目)、居住訪問希望(3項目)、個別評価(8項目)の18項目、合計30項目のそれぞれの順位の平均を元に算出しています。
これによると、1位は福岡県、2位は兵庫県、3位は神奈川県という結果に。調査機関や方法が異なることで、ここまで順位に変動が見られるのですね。ちなみに魅力度ランキング、幸福度ランキング、街の魅力度ランキングを順位で比較してみると、
1位(北海道/北海道/福岡県)、2位(京都府/鹿児島県/兵庫県)、3位(沖縄県/宮崎県/神奈川県)、4位(東京都/静岡県/京都府)、5位(大阪府/福岡県/東京都)、6位(神奈川県/和歌山県/長野県)、7位(福岡県/佐賀県/大阪府)、8位(奈良県/長野県/奈良県)、9位(長崎県/石川県/北海道)、10位(石川県/三重県/沖縄県)
となります。3つ全部に入っているのは北海道、福岡県のみ。やはりこの2道県は別格ですね。筆者も両方に行ったことがありますが、やはり魅力的な地域だと感じました。
以上、都道府県のランキングを見てきました。あなたの出身県は何位でしたか? どの都道府県も魅力的であり、順位付けするのは邪道という意見も聞こえてきそうですが、どうすれば自分の出身県が上位に上がるのか考えるのも面白いですよね。また、都道府県同士が切磋琢磨してブランド力を強化できれば、日本自体のブランド力向上につながります。それは観光立国を目指すわが国にとって好都合。ランキングを前向きに捉え、自分の地元を盛り上げていきたいものです。
【参考資料】 ・都道府県魅力度ランキング2022【47都道府県・完全版】 | ダイヤモンド・オンライン ・都道府県「幸福度」ランキング2022【完全版】 | ダイヤモンド・オンライン ・街の魅力度ランキング2022 | 大東建託
(安齋慎平)
メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。
30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!