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ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース #027:メタ社、ファクトチェックやめるってよ。

         

まいどどうも、みなさん、こんにちは。

わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。近年では北九州市のド派手な若者たちの成人式が「ニューヨークのファッションショーでも披露された」なんていう枕詞と共になんとなくオシャレな感じでニュースで紹介されたりしてちょっと戸惑いますが、それが終わればすっかり見慣れた日常の通常運転ムードに切り替わる季節ですね。例年、この時期になると2月末はウイングアーク社もメソポ田宮商事も会計年度の締めとなるため、2024年度に計上すべきものを整理して着地の準備をしつつ、2025年度に向けての予算決めやら年間計画やらを立て始める時期に突入していく感じです。余談ですが、わたくしは七草粥のような小動物系草食動物的な食べ物よりも1ポンドのサーロインステーキの方が断然好みです(笑)。

今週のニュースとしては、ロサンゼルスの山火事がお金持ちがたくさん暮らすエリアということもあり、かなりの注目を集めています。わたくしの友人宅も全焼してしまった、という知らせを耳にし、しかもそれがつい先日日本に遊びに来ていた友人夫婦だったので、わたくし的にも他人事のようには思えない事件となっており、世界どこで暮らしても何かしらの災害リスクはあるもの、ということを改めて実感しております。

さて、災害リスクとは直接関係ないかも知れませんが、フェイスブックを運営するメタ社が米国で行っていたファクトチェックを廃止する、という発表を行ったことを今週は取り上げてみたいと思います。ファクトチェック、というのは日本語で言うと事実確認、という意味になります。つまり、色んなニュースや噂が世界には飛び交っていますが、一体どれが真実でどれがでたらめなのかをフェイスブック側でチェックしよう、という取り組みで、問題があると判断された投稿やアカウントの表示を制限する仕組みになっていました。これは2016年の米大統領選の際に、あまりにも多くの偏った意見が投稿され、これらの投稿を表示することにより、得られる信頼よりも失う信頼の方が大きい、と判断したメタ社によって開始されたシステムでした。しかし、今回の米大統領選の様子から、「表現の自由について原点に立ち返る時が来た」と判断し、今回の決断に踏み切った、とメタ社のマーク・ザッカーバーグ氏は述べています。

まぁ、わたくしのようなウサギがこんなことを言うのもなんですが、ファクトチェックを客観的に行う、ということは当然ながら極めて難しいことなわけですので、どうしても特定の見解や意見がファクトチェックにより検閲されがちになる、という傾向は出てしまうわけです。実際に、保守派やトランプ支持者からは、これまでのファクトチェックに反保守バイアスがあった、という指摘もされていたりします。その一方で、この仕組みはあらかさまな偏見によるヘイトスピーチなどには一定の効果はあったようです。そして、ファクトチェックの弊害として見られていた、無害なコンテンツの表示制限は今後減るだろうと見られています。今後は、ファクトチェックの代わりにユーザー参加型の「コミュニティノート」システムを導入し、ユーザーによる判断を促す計画となっているそうです。しかし、「言論の自由」と「そうは言っても公の場で言うべきではない発言」あるいは「悪意のある嘘の情報」との線引きをどこにするのか、というのは特に世界規模での運営を前提とするSNSで「正しく」行うというのはどう考えても無理ゲーな感じしかないですし、次期米大統領自らが耳を疑うような話を連呼してしまう世界において、ファクトチェックシステムの崩壊は時間の問題だとわたくしを含む多くの人たちが感じていたのはないでしょうか?

最近はフェイスブック離れ、という話をよく耳にするようになりましたが、それでも2024年2月で全世界の月間アクティブユーザー数(MAU):30億7,000万人、と実に人類の半分近い数字を叩き出す超モンスターSNSであることには変わりありませんし、北米や欧州などではフェイスブックはどちらかというとオールドコンテンツのように扱われており、ユーザー数も横ばいを続けていますが、インド、インドネシア、ベトナムなどのアジア圏では実はかなりの勢いでユーザー数を増やしていたりします。特にインドには3億1460万人のユーザーがいるそうで、これは国別ランキングではすでに堂々の一位。そもそも3億人以上の国民がいる国がほとんど存在しないので、それは当然なのですが、インドの人口を考えるとまだまだ普及率は高くない、という恐るべき事実が存在しており、今後さらに拡大の一途を辿ると予測されています。そうなんです、こういうソフトコンテンツの普及にも国や地域によって結構な時差があるものなのです。

日本の有識者の一部の間では、SNSは日本では普及しきった感もあるし、そろそろオワコンかな、みたいなことが囁かれていたりもします。実際、日本でのSNSユーザー数は1億200万人くらいと言われ、これはスマホが使える人のほぼ全員がなんらかのSNSを使っていることの紛れもない証ではあるので、日本では確かにほぼ普及しきった感はあります。しかし、世界的に見るとオワコンどころか、世界のSNSのユーザー数はついに50億人を突破し、SNSを使ったマーケティングなどの活動は実は一部の地域ではまだ始まったばかりであり、まさにこれからもう一段階伸びていこうとしていたりするのです。つまり、他の地域でも早かれ遅かれ、おそらく同じようなファクトチェック問題やインプレゾンビ問題が深刻な問題として台頭することはもう目に見えているわけです。

こうして、SNSに新しく参加する人たちがまだまだたくさんいる中でファクトチェックをやめる、というのは相当覚悟のいる、そして相当影響力を持つ決断であると言えますし、どう考えても切りのない戦いに一度区切りをつけた、とも考えられます。この決断がどんな結果をもたらすのかは時間のみぞ知るところであり、ファクトチェック以前も、同じ言葉で検索したとしても検索する人の傾向や属性によって検索結果が著しく変わる「フィルターバブル」は存在していたわけです。それにSNS以前にもなぜかよくわからないけどやたらと影響力を持つ噂好きの人たちはどこの社会にもきっといたと思いますし、人は正しい情報よりも、自分が聞きたい情報を探し出す、というのも一つの真実のような気もするので、この問題はそう簡単に解決されることもないのでは、とわたくしは考えております。それに加えて、今この瞬間もSNSは拡大され続けているのだなぁ、と思うと、現実逃避の意味を込めてそっと遠くを眺めたくなるわたくしでありました。くわばらくわばら。

さて、そんなわけで今週はメタ社ファクトチェックやめるってよ、という話と、オワコンだと思われがちなSNSも実は世界規模で見ると拡大し続けている、という比較的ライトなお話を取り上げてみました。そんなわけでまた来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン。

(ウサギ社長)

 

参照元

・フェイスブックとインスタグラムのファクトチェックを廃止、米メタが発表 | BBC NEWS Japan ・「5大SNS」とは?役割やユーザー数、特徴ごとの使い分け方を解説 | LIFT ・[社説]メタのファクトチェック廃止は問題だ | 日本経済新聞 ・Here’s why Meta ended fact-checking, according to experts | abc news ・【最新Excel配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめ<Facebook, X(Twitter), Instagram, YouTube, LINE, TikTok> | Insta Lab ・【2023年版】アジア11カ国のSNS(Instagram,Facebook,YouTube,TikTok,Twitter)利用ユーザー数【Excelデータ配布中】| Insta Lab ・メタの”ファクトチェック廃止”がもたらす変化 | 東洋経済オンライン

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