リモートワークやリモート学習が広がり家で過ごす時間が増えた人も多いのではないでしょうか? そんなおうち時間の癒しとなるのがペットです。
時代の流れが大きく変わる中、ペットを取り巻くデータはどのように変わったのでしょうか?日本国内におけるペット飼育数や気になる費用について、今回はその特徴を見てみましょう。
ペットの代表といえば犬と猫です。過去10年間、犬と猫の飼育数はどのように変化してきたのでしょうか?
今回は一般社団法人 ペットフード協会が発表した「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査」のデータを見ていきます。
2022年に起きた大きな数値の変化として、犬の新規飼育頭数が挙げられます。飼育頭数は過去最多の42万6000頭に達したそう。これは、猫の新規飼育頭数の43万2000頭に迫る数値となっています。
一方で、平均寿命を迎える2005~2007年生まれの犬が80〜100万頭いる事から飼育数全体は705万頭と前年の710万頭と比較しほぼ横ばいとなっており、飼育率も横ばいとなっています。同様に猫の飼育数、飼育率も横ばいとなっています。
飼育頭数のグラフを見ると、この10年で、特に犬の飼育頭数が減少しているのがわかります。
また、年代別の飼育頭数のデータが以下になります。()内の増減は2018年との比較になります。
犬 |
猫 |
|
20代 |
12.3%(▼1.2%) |
9.3%(0.3%) |
30代 |
10.9%(▼0.8%) |
9.5%(0.5%) |
40代 |
11.3%(▼0.9%) |
10.0%(▼0.8%) |
50代 |
11.9%(▼2.6%) |
10.7%(▼0.6%) |
60代 |
11.6%(▼2.1%) |
10.2%(▼0.2%) |
70代 |
8.9%(▼1.1%) |
7.6%(0.1%) |
全体 |
11.1%(▼1.5%) |
9.6%(▼0.2%) |
この5年間で、犬は全年代で飼育率が減少しています。
この背景には幾つかの要因が挙げられます。
特に、まず一つ目は、生体価格の上昇の影響です。犬の生体価格は、毎年のように高騰し、犬の飼育を検討する潜在的な対象者にとって大きな敷居となっている可能性があります。
少子高齢化に伴い、高齢者世帯の数が増えている一方、高齢者の飼育率の減少率が大きいことも要因として考えられます。また、アンケート調査により、物価高や住居費などの高騰のなか、どの世代の人々も、飼育費用への不安から、飼育の意欲が抑えられているということも明らかになっています。
一方で、ペットを飼うことが家庭に与えるポジティブな影響も見逃せません。
飼育理由のアンケート回答の結果が以下になります。
1.生活に癒し・安らぎが欲しかったから 32.1%
2.過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから 25.5%
3.生活を充実させたいから 15.5%
1.生活に癒し・安らぎが欲しかったから 31.6%
2.過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから 26.3%
3.生活を充実させたいから 11.8%
多くの人は生活に癒し・安らぎを求めペットを買うことが明らかになっています。
そうした中、犬、猫飼育による効用についてのアンケートでは、ペットを飼うことが家族の絆を深める一因となることが、示唆されています。
犬を飼うことで、子供たちの毎日がより楽しく、家族全体の雰囲気が明るくなるという報告が多数寄せられています。同居する両親にとっても、犬との触れ合いを通じて人とのコミュニケーションが活性化し、良い影響をもたらすことが分かっています。また、猫を飼うことも、子供たちの気持ちを明るくする要因として報告されており、家庭内の温かい雰囲気を育む要素と言えそうです。
ペットたちの平均寿命には、嬉しい変化が見られます。犬の場合、2010年に比べて平均寿命は0.89歳延びて14.76歳となりました。同様に、猫も2010年に比べて1.26歳延びて15.62歳となっています。この数値からわかるように、犬も猫も2010年以降、平均寿命が伸びています。
特に犬においては、超小型犬の寿命が長く、室内で飼いやすい小型犬の飼育の拡大の影響が全体の平均寿命にも影響しています。一方で、猫の場合は飼育環境が寿命に影響を与えていることが分かります。室内飼いの猫たちの平均寿命は16.02歳に対し、外で過ごす猫たちの平均寿命は14.24歳となり、寿命に大きな差が見られます。
これらのデータから、飼い主のケアや環境がペットの寿命に大きな影響を及ぼしていることがうかがえます。長い健康的な生活を共に過ごすために、愛情と適切なケアを提供することが、ペットたちの幸せな日々につながることでしょう。
しかし、ペット飼育は経済的な負担も考慮しなければなりません。特に犬と猫の年間支出額は増加傾向にあります。
犬猫それぞれの支出総額は以下の通りです。( )は昨年の数字
犬に関する支出総額(医療費等含む) ¥13,904(¥13,843)
猫に関する支出総額(医療費等含む) ¥7,286 (¥8,460)
特に犬の場合はフード代や医療費が大きなウェイトを占めています。ペットの健康と幸福を考える上で、これらの費用をどう確保するかが重要なポイントと言えるでしょう。
(大藤ヨシヲ)
2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査 | 一般社団法人 ペットフード協会
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