仕事内容が明確であることで逆にそれ以外の仕事はしなくてよい、と解釈される可能性もあります。その結果、社員の誰も手を付けないタスクが生まれる、社員間で仕事の押し付け合いが生じるなどのリスクがあります。そのような問題を防ぐためには、業務内容の取りこぼしがないジョブディスクリプションを丁寧に作成すること、それでも変化によって生じるズレを埋めるために定期的にジョブディスクリプションを改定することが重要です。
またさまざまな仕事に柔軟に対処できるゼネラリストの育成とジョブディスクリプションの相性は良くありません。そのためゼネラリストを育てたい場合はジョブディスクリプションをもとにした育成のほかに、ゼネラリストの育成に向けた仕組みを設ける必要があります。
ジョブディスクリプションの作成は情報収集から始まります。対象の職種にまつわる情報は可能な限り集めましょう。この際重要なのが現場の社員にインタビューを行いその声を取り入れること。それにより納得感の高いジョブディスクリプションが出来上がります。
その後は得た情報をもとに業務内容や必要なスキル・知識・資格などを詰めていきます。ポイントがまとまったジョブディスクリプションをつくるため重要度や手間を基準にそれらを分類することもお忘れなく。
書きあがった後も何度かPDCAを回すことで、精度の高いジョブディスクリプションがつくれます。ただし、経営方針や事業内容の変化によってジョブディスクリプションに書くべき内容は変わるため、完成後も定期的な見直しは欠かせません。
ジョブディスクリプションの概要とメリット・デメリット、そして作り方まで解説いたしました。欧米の採用では当たり前に使われるため、グローバル人材を獲得したい企業には不可欠なツールだといえるでしょう。また、生産性向上やスペシャリスト育成への効果もかなり期待できます。
indeedの英語サイトには無料で取得できるテンプレートがあるため、翻訳ツールを駆使しつつそちらを利用してもよいでしょう。
(宮田文机)
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