滋賀県は日本のほぼ真ん中に位置し、県土の約6分の1を占める日本最大の湖・琵琶湖がある地域です。
琵琶湖を取り囲む比叡山・比良山系・伊吹山・鈴鹿山系などの山々を有し、古代・中世から交通における重要拠点であったことから日本史上の関わりが極めて強く、地域全土にわたり自然・歴史・文化的資源が豊富に存在します。
文化的・経済的に京都・大阪との結び付きだけでなく、中部地方との交流も盛んで北部は近畿・中京・北陸の交点として、工場や物流センターの設置計画が進んでいます。
そんな滋賀県は2022年4月より、デジタル社会の「暮らし」、「産業」、「行政」の3つ領域の“基盤”と“ひと”をつくる「滋賀県DX推進戦略」に取り組んでいます。
【引用元】滋賀県DX推進戦略
近畿企業4,018 社を対象に実施された帝国データバンクの「DX推進に関する近畿企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の16.0%で全国平均の15.7%と同等の水準です。
また「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」、「言葉の意味を理解し、取り組 みたいと思っている」の回答の合計は45.1%と全国平均の41.4%を3.7%上回っており、“DXへの前向きさ”といった観点では、やや高い水準に位置しています。
No | 回答 | 結果 |
1 | 言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる | 16.0% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 29.1% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 30.5% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 12.2% |
5 | 言葉も知らない | 6.7% |
6 | 分からない | 5.5% |
さらに「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別で見比べると、
と大企業は全国平均をやや上回っていますが、中小企業と小規模企業は全国平均未満で、後者にはDXを推進するための支援や施策が必要です。
次に「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
といった結果を示しており、運輸・倉庫、建設、不動産は全国平均を下回っているため、これらの業界のDX化の底上げが現状の課題と言えます。
【引用元】DX推進に関する近畿企業の意識調査| 帝国データバンク[TDB]
人口 | 1,408,669人(2022年1月時点) | |
---|---|---|
面積 | 4,017 km² | |
自治体数 | 19 | |
県内総生産 | 6兆6,122億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 | 2019年の農業産出額は全国40位の647億円。主な生産物の収穫量は、六条大麦が全国3位、かぶが4位、大豆が5位、なたねが6位。滋賀県の地形や気候が稲作に適していることから、米を中心とした水田での農業生産が盛ん。畜産業では日本三大和牛の一つとも言われている「近江牛」が安全・安心で高品質な牛肉として、国内外に広がっている。滋賀県は「滋賀県農業・水産業基本計画」を実施中で、近江米、近江牛、近江の野菜、近江の茶のブランド力強化をはじめ、様々な施策に取り組んでいる。 |
林業 | 2019年の林業産出額は全国43位の9.0億円。国産材と輸入材を入荷している製剤工場数は45工場で全国1位。木材生産、栽培きのこ類、共に他県を比較して生産量は少ない。そのため、滋賀県では、「琵琶湖森林づくり基本計画」に基づき、“琵琶湖の恵みを活かし、皆で支え育む森林づくり”を基本方針として、 多面的機能の持続的発揮に向けた森林づくりや、多様な主体との協働により進める森林・林業・農山村づくり、 森林資源の循環利用による林業の成長産業化や人づくりに取り組み、琵琶湖と人々の暮らしを支える森林づくりを推進している。 | |
水産業 | 滋賀県は海のない地域のため、漁業は内水面漁業のみ。2018年の内水面漁獲物等販売額は23億2,160万円。内水面漁業経営体の漁業経営体数は530経営体で全国1位。内水面養殖業の収獲量は377tの全国13位。そのうち、淡水真珠は2位、あゆは5位、ます類(その他)は第11位。滋賀県は「資源管理体制高度化推進事業」、「水産資源の最大活用に向けたスマート水産業体制整備事業」、「しがの漁場利用ルールの見える化推進事業」といったDXの取り組みで“儲かる漁業を実現し、琵琶湖漁業を継続する”を目指している。 | |
製造業 | 2019年の製造品出荷額等は全国14位の8兆485億円。平成30年度県民経済計算では、滋賀県の県内総生産に占める第2次産業、製造業の割合が約5割を占める全国1位の全国屈指の内陸工業県。化粧品、即席めん類、その他の紙製品、工業用合成洗剤、セルロース系接着剤、プラスチック系接着剤、プラスチック雨どい・同附属品、その他の軟質プラスチックフィルム(厚さ0.2mm未満で軟質のもの)、その他のガラス製加工素材、はん用内燃機関の部分品・取付具・附属品、コンベヤ、その他の物流運搬設備、はかり、はかりの部分品・取付具・附属品、他に分類されない電子部品・デバイス・電子回路、その他のちゅう房機器、理容用電気器具など、さまざまな第二次産業で全国1位のシェアを誇る。本州・四国・九州の中央に位置する立地、県土1/6を占める琵琶湖の豊富な水資源、自然災害のリスクの低さ、製造業を支援する助成制度などが企業の立地・定着を後押ししている。 | |
商業 | 2016年の卸売・小売業の年間商品販売額は全国35位の2兆6,823億円。卸売業と小売業の業種別でみると、商店数および従業者数で、小売業の割合が高く、年間販売額でも小売業の割合が卸売業を上回っている。卸売業では、「医薬品・化粧品等」が1,562億円(構成比13.3%)で最も多く、「建築材料」が1,433億円(同12.2%)、「産業機械器具」が1,268 億円(同10.8%)に続く。小売業では、「飲食料品」が3,958億円(構成比29.0%)で最も多く、「機械器具」が2,878億円(同21.1%)、「各種商品」が1,292 億円(同9.5%)に続く。商店街アンケート調査結果(令和元年度滋賀県商店街実態調査結果)においては来街者数が減っていると回答した商店街は6割弱、顧客数が減っていると回答した商店街は約7割を示しており、「後継者不足(商店主の高齢化)」、「高齢化による活力の低下」、「魅力ある店舗が少ない」、「店舗の老朽化」などが課題に挙がっている。 | |
エネルギー | 2016年度の電力消費量は全国24位の135億kWh。エネルギー消費量のうち、産業部門が約半数を占めている。滋賀県では、エネルギー消費によって外へ流出する化石燃料輸入支出額(2014年度)が県内総生産の約5%に相当する2,898億円と算出している。この課題を解決すべく、エネルギー産業を活性化し、地域でエネルギーを創り出す(創エネ)で、支出を削減し、地域内でお金を循環させる「しがエネルギービジョン」に取り組んでいる。 | |
企業 | 上場企業 | 12社 |
事業所 | 63,832事業所(2019年) |
農業、水産業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また個人・中小企業の単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 滋賀県 |
プロジェクト・サービス名 | 滋賀県DX官民協創サロン |
活動・事業概要 | 滋賀県ICT推進戦略に基づき、県、県内市町および事業者のDXに向けた積極的な取組と、DXについて高い専門性を有する民間企業・団体等による支援のマッチング |
支援・取り組み内容 |
・県等による事業・施策の検討、立案の取組を支援する民間企業、事業者、団体等(滋賀県DX協創パートナー)の募集、選定、登録 ・パートナー企業群に関する登録情報の県等への提供 ・県等による取組とパートナー企業群による支援のマッチング ・パートナー企業群による支援を活用する県等のサポート ・その他、デジタルトランスフォーメーションの推進に関する情報の収集および提供 |
設立・運営開始日 | 2021年5月28日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 総合企画部情報政策課 地域デジタル化連携推進室 |
公式サイト | 滋賀県DX官民協創サロン |
運営者名 | 大津市 |
プロジェクト・サービス名 | 大津市デジタルイノベーション戦略 |
活動・事業概要 | AIをはじめとする先進技術と、既存のICT技術を活用し、本市総合計画に基づくまちづくりを推進することで、行政事務・サービスの在り方を見直し、本市全体の新たな価値創出に向けたデジタルイノベーションシティの実現を目指す。 |
支援・取り組み内容 |
○ICT技術の活用による行政サービスの向上 ・最先端AI技術を活用した市民要望への的確で迅速な情報提供の推進 ・行政手続のオンライン化、添付書類の見直しによる市民の利便性向上 ・各種納付のキャッシュレス化による市民の利便性向上と収納率の向上 ・既存あるいは最先端のICT技術はもとより、関連する技術も含め、更なる活用に向けての検討と調査研究 ○事務効率の向上による働き方改革の推進 ・自動回答等による事務効率の向上 ・デジタルレイバーの活用による事務効率の向上 ・テレワーク導入による事務効率化や新たな出退勤管理によるワークライフバランスの推進 ・既存あるいは最先端のICT技術はもとより、関連する技術も含め、更なる活用に向けての検討と調査研究 ○クラウド化・無線化の推進と高度なセキュリティの構築 ・データセンター活用による安全安心なシステム運用とICTコストの削減 ・2in1ノート(ツーインワンノート)やスマートデバイス等の活用によるペーパーレス化や事務効率の向上 |
設立・運営開始日 | 2019年3月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 政策調整部イノベーション戦略室 |
公式サイト | 大津市デジタルイノベーション戦略 |
運営者名 | 株式会社パワートレイン |
プロジェクト・サービス名 | DX支援 |
活動・事業概要 | 個人と組織の生産性向上に向けたBPR(業務改革、業務改善)、DX、IT(クラウド)、組織のビジョン構築などの支援 |
支援・取り組み内容 |
○人材育成 ・生産性向上のためのIT利活用セミナー ・新人・中堅・マネジメントへの階層別研修 ○コンサルティング ・BPRコンサルティング(組織ビジョン構築/業務改善コンサルティング) ・コーポレートアイデンティティ(CI)構築 ・ITツール導入支援コンサルティング(テレワークコンサルティング、Microsoft365導入支援) ○コーポレートアイデンティティ ・企業コンセプト再構築 ・コンセプトに基づいたメディア制作(ウェブサイト、名刺など) |
設立・運営開始日 | 2013年8月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | 株式会社パワートレイン |
運営者名 | 彦根市 |
プロジェクト・サービス名 | 彦根市DX推進基本方針 |
活動・事業概要 |
働き方・業務改革の推進および市民サービス向上の視点に立ち、あるべき姿の実現方法や各種課題への対応方法を検討し、以下の観点での速やかなデジタル化の実行 ・市民サービスのDX推進 ・自治体運営のDX推進 ・地域社会のDX推進 |
支援・取り組み内容 |
○市民サービスのDX推進 ・電子申請サービスの拡充によるオンライン手続の促進 ・マイナンバーカードの普及・活用を促進 ・インターネットで利用可能な施設予約システムの導入による利便性の向上 ・キャッシュレス決済の拡充、およびキャッシュレス決済と電子申請、施設予約システム等との連携によるさらなる利便性の向上 ・窓口事務のデジタル化 ・AI-チャットボット等による問い合わせ対応のオンライン化 ・SNS等の多様な情報発信ツールを用いた、より市民に伝わりやすい情報発信 ・オンライン授業や、オンデマンド配信による学習方法の研究等、ICTの効果的な活用による子どもの学び方改革 ・先進的なデジタルツールやDXの事例等についての継続的な研究、および効果的なものについての積極的な導入 ○自治体運営のDX推進 ・DX推進に向けた意識改革、具体的な方法論・スキルの取得、デジタル知識の向上等をはじめとするデジタル人材の育成 ・RPA、AI-OCRの導入と、それに合わせた業務見直し(BPR)の実施、働き方・業務改革による行政事務の効率化 ・電子申請サービス、電子決裁の運用を拡充による業務のスマート化、ペーパーレス化 ・AI技術等の導入による業務の効率化 ・国の情報等に基づく基幹系業務の標準化に伴うGov-Cloud への移行 ・データに基づく政策立案(EBPM)の実施による、より市民ニーズ等に応える政策の実現 ・校務支援システムのさらなる活用による教職員の働き方改革の推進 ・先進的なデジタルツールやDXの事例等についての継続的な研究、および効果的なものについての積極的な導入 ○地域社会のDX推進 ・スマホ教室の実施等によるデジタルデバイドの解消 ・オープンデータの充実による社会的なデータ利活用の推進 ・産業、観光等の分野におけるデジタル技術の導入の促進による地域の活性化、およびスマートシティ化 ・健康、医療、福祉・子育て分野におけるデジタル技術の導入の促進による健康寿命の延伸、福祉サービスの向上 ・防災分野におけるデジタル技術の導入を促進による安心・安全な地域づくり ・都市交通、社会資本整備等におけるデジタル技術の導入の促進による地域のスマートシティ化 |
設立・運営開始日 | 2021年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 市長直轄組織行政デジタル推進課 |
公式サイト | 彦根市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進基本方針 |
運営者名 | 日本ソフト開発株式会社 |
プロジェクト・サービス名 | 未来を支えるICTソリューションを |
活動・事業概要 |
・自社パッケージ商品の開発・販売 ・各種ソフトウェア設計・開発 ・各種コンピューター/ネットワークのSI事業 ・上記関連分野のサービス事業 |
支援・取り組み内容 |
・保育業務ICTサービス:幼稚園・保育園・こども園に対応した保育の質向上のための総合保育業務支援システム ・IoT/IoEサービス:工場やプラントなど、さまざまな設備の遠隔監視システム ・DX推進サービス:ビジネスの変革や洞察の獲得に繋げるビックデータの処理/活用の支援 ・RPA業務自動化サービス:働き方改革を背景に注目を集めるRPAの取り組みの支援 ・CATV向けサービス:生活情報や防災情報などの地域密着情報を自動送出するケーブルテレビのチャンネル制作の支援 ・自治体・公共向けサービス:複雑・高度化を解決するための公共システム ・民間企業向けサービス:ハードウェア、ソフトウェアの導入、ネットワークの構築、運用サポート、保守メンテナンスなど ・セキュリティ対策サービス:多層防御に対応した情報セキュリティ対策の支援 ・農業IoTサービス:土壌センサー、各種小型センサーを組み合わせたビニールハウス内の環境、栽培条件データの見える化 |
設立・運営開始日 | 1972年2月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | 日本ソフト開発株式会社 |
47都道府県47色のDXの在り方を訪ねるLocal DX Labでは、取材・情報の掲載を希望される自治体・団体・企業様からのご要望も承っております。
取材・情報掲載のご希望につきましては、以下のページの最下部の「お問合わせ」にて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
「データのじかん」がお届けする特集「Local DX Lab」は全国47都道府県のそれぞれの地域のロールモデルや越境者のお取り組みを取材・発信を行う「47都道府県47色のDXの在り方」を訪ねる継続的なプロジェクトです。
Local DX Labへメルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。
ChatGPTとAPI連携したぼくたちが
機械的に答えます!
何か面白いことを言うかもしれないので、なんでもお気軽に質問してみてください。
ただし、何を聞いてもらってもいいですけど、責任は取れませんので、自己責任でお願いします。
無料ですよー
30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!