じゃあ、ノーコードでは結局何ができて、何ができないの?
ここまでの内容を読んでそのような疑問を抱いた方は多いと思います。そこでこの章ではノーコードでできることを具体的に列挙。さらに反対にできない(難しい)ことについても言及します。
イベント集客用のWebサイトを1ページだけ作りたい……! といった要望ならば、営業や人事であってもノーコード・無料で完結させられます。
ペライチやSTUDIO、Wixなど該当するサービスはすでにかなり一般に浸透し始めており、使ったことがあるという方もなかにはいるでしょう。
これらのサービスは無料で使う場合つくれるページ数や搭載できる機能に制限があります。会員登録機能や問い合わせフォームなどを備えたより複雑なサイトを作りたい場合はBubbleやAdaloといったより機能の多いノーコードサービスを利用する、ローコードで進める、有料プランに加入する、などの選択肢があります。
ここ最近ノーコードが注目を集めているのは、Twitterのようなコミュニケーションアプリや食べログのようなマップと連携したお店紹介アプリをつくれる高度なサービスが多数リリースされたからです。
前述のBubbleやAdalo、Googleスプレッドシートのデータをすぐにアプリ化できるglide、Googleが今年の1月に買収したことで話題となったAppSheetなど勢いに乗っているサービスはさまざま。
例えば、以下のアプリはノーコードでつくられています。
さまざまなアプリやサービスを連携させ、さまざまな作業を自動化させることもノーコードなら簡単に行えます。例えばGmailに送られてきた指定のアドレスや件名のメールをGoogleスプレッドシートに転記させる、ホームページの更新を各種SNSへ自動で投稿する、といった作業が可能に。
代表的なサービスとしてはZapier、IFTTT、Integromatなどが挙げられます。
このようにできることの多様なノーコードですが、まだまだできないことも多く存在します。
テンプレートをもとに配置やデザインを選んでいくのがノーコードのWeb開発。そのため、複雑な構成や自由なデザイン性を持つサイト・アプリをつくりたい方には自由度が足りないと感じられる部分があるでしょう。
Bubbleなどはそれなりに自由度が高いと言われていますが、その分開発の複雑性も増します。また、サービスの終了の可能性や将来の拡張性・メンテナンス性を考えるとなかなか本格的な利用には踏み切れないという企業も多いはずです。
車がマニュアルからオートマになったことで運転の自由度や楽しみは減ったといわれるように、ノーコードの手軽さは自由度と引き換えに得られています。
プログラマーという仕事がノーコードによって脅かされることはあと10年はないだろうというのが多くのエンジニアの見解です。
現在注目を集めるノーコード。その理由がお分かりになったのではないでしょうか。
前述の通りできないこともありますが、今後メールやExcelのように当たり前のツールとなってくることは間違いありません。今のうちに紹介したサービスに登録するなどして勉強し始めるのがおすすめです!
【参考資料】 ・Tom Taulli「What You Need To Know About The Low-Code Market」┃Forbes ・ローコード開発市場は2023年度に4560億円、年平均16.3%で成長―ミック経済研究所調べ┃IT Leaders ・サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施┃CyberAgent ・NoCode Ninja「プログラミング不要のNoCode(ノーコード)とは?どうやって学習するの?」┃note ・ノーコード(NoCode)について現役エンジニアが語る┃しまぶーのIT大学 ・ノーコードを触ってみよう。どうなる話題の NoCode┃たにぐち まことのともすたチャンネル
(宮田文机)
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