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紙の資料が多すぎる…と悩んでいませんか?
私が新入社員だったころの初仕事が、役員会議で使用する資料の印刷でした。ITシステム部の会議だったため資料が膨大で、1人あたり100ページはあったと思います。いま考えてみればペーパーレスにすることも可能でしたが、大人の事情で紙出力せざるを得ませんでした。
ということで、今回の記事のテーマは「ペーパーレス」についてです。そのメリット・デメリットを見ていくことで、なぜペーパーレスが進んでいないのかを見ていきましょう。
まずは、言わずもがなとは思いますが、ペーパーレスの定義について調べてみました。
情報処理や資料の保存などに紙を使わないこと。
この解説の通り、ペーパーレスとはそもそも「紙を使わないこと」です。オフィスでよくある光景だと、会議資料を紙に出力せずに、PDFにして回覧するなどの方法があります。
そのほかにも、「切符ではなくICカードを使った電車での通勤」「新聞・雑誌・書籍の電子化」「コンビニでのペーパーレス決済(参考記事)」などもペーパーレスといえます※1。
ペーパーレス化のメリット・デメリットを見る前に、ペーパーレス化を進める上でぜひとも押さえておきたい法律について紹介します。
企業で使用される文書の電子化は、「電子帳簿保存法」という法律が関係しています。この法律では帳簿や決算関係の書類、契約書、領収書といった書類の電子保存が認められていましたが、領収書の場合は金額が3万円未満のものに限るなどの制約がありました。また、紙の書類をスキャンして保存することは認められておらず、書類に電子署名を付与しなければならなかったのです※2。
しかし2016年1月から、法律の改正によって3万円という制限が撤廃され、すべての契約書・領収書は電子保存が可能になりました。2017年1月からは、領収書や請求書をスマートフォンで撮影して電子化することも認められています※3。
これらの法律改正によって、ペーパーレス化がさらに普及していくのではないかと思われます。
では、実のところ現場レベルでペーパーレス化は進んでいるのでしょうか? そこで、ここではペーパーレス化のメリット・デメリットについて見ていきながら、ペーパーレス化の現状に迫っていきましょう。
ペーパーレス化のメリットについては、「印刷のコスト削減」「(クラウドにデータをアップすれば)場所・時間を問わずアクセスできる」「資料が検索しやすくなる」「(資料にパスワードを掛けるなど)セキュリティ対策ができる」「環境にやさしい」などのメリットがあります。
一方、ペーパーレス化によるデメリットもあります。「ネットワークの影響を受ける」「ITスキルの有無に左右される」などです※1。
このように、ペーパーレス化にはメリットがありつつも、いまだデメリットを払拭できていないため、なかなか現場でのペーパーレス化が進んでいないというのが現状です。
上述の法律によって、契約書類等の電子化が可能になりました。確かにペーパーレス化にはデメリットもありますが、今やコスト削減・業務効率化は日本企業全体に求められるものであり、ペーパーレス化を避けては通れないでしょう。上記のデメリットの例で言えば、帳票業務をオフラインで行えるサービスも出てきています(参考記事)。ITスキルの向上に関しては、難しい手順を経ずともタブレットを使って直感的に操作可能なアプリを導入するのも手です。
ペーパーレス化を実現するには、まずは経営層自らが率先してペーパーレス化に取り組んでいくことが求められます。すぐに結果には表れないかもしれませんが、試行錯誤を続け長期的なスパンで改革していくことが必要です。
経済産業省によれば、日本の紙の消費量は年間2731トン(2013年)で、中国(1万136トン)、欧州(9644トン)、米国(7181トン)に次ぐ位置を占めます※4。欧州を国別に考えると、日本は世界第三位の紙の消費国なのです。環境保護の観点からも、ペーパーレス化は日本企業の今後の大きな課題となるでしょう。
ペーパーレスとは、無駄な紙を極力減らしましょう、という運動ですが、紙には紙特有の良さもあります。知ってるようで知らない興味深い紙のお話がペーパーくんのつぶやきWebで見れますので、この機会に紙にぜひ読んでみてください。
(参考記事) ※1 ペーパーレス化のメリット・デメリットを徹底解説 | S-cubism ※2 経理担当者なら押さえておきたい、電子帳簿保存法改正のポイント _ 富士通マーケティング ※3 法律改正もペーパーレス化を後押し!ペーパーレスの効果と課題、推進の方法は? _ Work × IT ※4 製紙産業の現状と今後の方向性 | 経済産業省
(安齋慎平)
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