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ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース #026:未来は過去のSF小説にあり!?星新一のショートショートが何周も回って斬新すぎる件。

         

まいどどうも、みなさん、こんにちは。

わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。そして、新年明けてしまいまして大変おめでとうございます。2025年がついにやってきたということで、読者の方々におかれましても気持ちも新たにすごされていることかと思います。今年もこの連載をなんとか続けさせて頂けるようにわたくしも初詣ではしっかりと願掛けをして参りました。

しかし、年末年始も様々なニュースがありました。179名の犠牲者が出てしまった韓国の旅客機事故は非常に痛ましい出来事でした。また日本製鉄によるUSスチール買収が米国の政府の買収禁止命令により阻止されようとしている、というニュースもまだオンゴーイングではありますが、今後の日米関係にも影響を及ぼす可能性のあるかなりインパクトのある話かと思いますので、しばらく耳が離せませんね。

さて、年末年始は長めの連休が取れたという方も多かったかと思いますが、わたくしもそれなりに休ませてもらいまして、普段はカリスマティック経営者としての身だしなみと言いますか、息を吸うようにビジネス書を読んだり、ニュースに目を通したり、と今世界がどう動いているのかについてのデータ収集に勤しんでいることも多いわけでありますが、さすがに連休となると少し耳休めと言いますか、軽めのコンテンツを楽しみたい、という欲が出てきてしまいまして、SF小説を少しばかりオーディブルで聴いておりました。

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それにしても、SF小説というのはかつては厨二病的な扱いを受けるのが宿命のようになっていたかと思いますが、イーロン・マスク氏がやろうしていること、あるいはすでに実現させてきたことを考えてみると、まさにSF小説が現実化したような世界になってきているわけですし、彼自身もSF小説を自分のビジョンの参考にしている、ということを公言していたりもします。特に、アイザック・アシモフ著の「ファウンデーションダグラス・アダムス著の「銀河ヒッチハイク・ガイドロバート・A.ハインライン著の「月を売った男あたりの小説には大きな影響を受けているそうで、これらの小説なしでは今のスペースXは存在しない、と言っても過言ではなさそうです。衛星経由でインターネットを使うことができるスターリンクの発想も、アイデア自体はSF小説そのものであり、わたくしのような小動物にしてみれば、壮大すぎるそのアイデアが実現できてしまっている、という事実を今だになかなか受け入れられないでいたりします。

マスク氏は1971年生まれで現在53歳なので、1978年から開始されている銀河ヒッチハイク・ガイドはおそらくリアルタイムに近い形で見ていたかと思いますが、ファウンデーションや月を売った男は1950年代に発売されたもので、それが70年ほどの年月を経て、世界の進歩に多大なる影響を与えている、というのは衝撃的な事実であり、SF小説を決して過小評価してはならない、ということを歴史は我々に教えてくれているように思うわけです。

日本では、SF小説よりもドラえもんの存在がおそらく日本人にとっては身近だろうと思います。映画では宇宙人と戦ったりもしており、他国にはなかったマンガ、アニメというくくりではありますが、内容的には完全にSF小説であり、どんな発明もまずはそのアイデアを思いつくところから始まるわけですので、数あるドラえもんの道具は子どもたちに夢を与えるだけでなく、テクノロジーの進歩を色んな角度から加速させていることも間違いないかと思います。

そして、今回の休みでわたくしが非常に胸を打たれたのが、ショートショート作家というあまり競合のいない分野での第一人者であり、国語の教科書にも載っている星新一先生の作品でありました。ということで、今週は、今再びの星新一についてお話しさせてもらいたいと思っております。わたくしが今回オーディブルで聞いた作品は「宇宙のあいさつ」というもので、宇宙で活躍する人間の物語や近未来の発明についての話が盛り込まれています。昭和36年から37年頃に書かれたにも関わらず、時間の経過を感じさせない内容となっており、作品によっては現代のコントや漫才でも十分に使えそうなシチュエーションが数多く描かれており、それに加えて、今でも通用するような社会風刺やユーモアがふんだんにあり、その短い中にある起承転結とあっと驚く絶妙なオチの付け方にただただ感心してしまいました。いやはや、星先生、素晴らしい。

そして、なによりわたくしが今回感心したのは、コンテンツが古くならないための徹底した工夫が星先生の作品はある、という点であります。ご存知の方も多いかと思いますが、星新一のショートショートの登場人物はエヌ氏やケイ氏など、具体的な名前はつけられておらず、登場する土地や国なども具体的な名前を持ちません。お金が登場する場合も、具体的な金額は書かれず、「一生遊んで暮らせるほどの大金」などの表現に留まっているため、物価がどれだけ上昇しても、キャベツの価格が高騰して一玉1000円を超えても、大金は大金のままです。もちろん、有名人も登場せず、時事ネタもありません。しかしながら、社会のシステムを疑問視したり、その世界で良いとされている価値観に疑問を投げかけたりすることも珍しくなく、伝染病が流行った後の世界の話もたびたび登場し、それは今の社会とシンクロするところも多くあり、人工知能などをはじめとする様々なテクノロジーの話も具体的な部分が描かれていない分、今の社会の文脈でも十二分に楽しめる普遍的なコンテンツであり、今後の世界を予測するにあたって非常に有益な示唆を与えてくれるように感じました。古くないどころか最近作られたコンテンツよりも多くの新鮮な驚きを新年早々もらうことができましたので、ぜひみなさまにも今再びの星新一をオススメしたく、今回は星先生のお話をしてみました。また、登場人物が少なく、かつ一つずつの話が短いという特性から、小説を耳で聴く、という最近登場した新しい小説の楽しみ方にもかなりフィットしたちょうどいいコンテンツとなっているところも、星先生はもしかしたら見越していたのかも知れません。

さて、そんなわけで2025年はさらにAIの実用化などによりSF要素の強い世界になると予測し、今週はデータとは直接的には関係なさそうに見えるSF小説のお話を取り上げてみました。しかしながら、いわゆるSF思考というか、未来は過去のSF小説にある、というのもあながち間違っていないような気もするので、ビジネス書や自己啓発本ばかりでなく、たまにはSF小説や星先生のショートショートなんかも実はオススメです。そんなわけでまた来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン。

(ウサギ社長)

VUCAの時代、未来は予測するのではなくつくり上げるもの。 「SF思考」がビジネスシーンで注目を集めている理由

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参照元

・イーロン・マスク、ザッカーバーグなどの世界的な起業家がオススメするSF小説はコレだ!|ChangeMakers ・実はガンダムのルーツだった!? イーロン・マスクが愛読するSF | 日経ビジネス ・星新一は予言者だった?ショートショートで予言した未来7選。|小説丸 ・星新一 | Wikipedia ・ショートショートの名手・星新一が長く愛される理由とは…魅力は「オチ」だけじゃなかった | 現代ビジネス

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