About us データのじかんとは?
『社長や役員から「うちもIoTやらないと。ということで頼んだよ。」という感じで、IoTに取り組むことになったのですが、何から取り組んだら良いでしょうか?』
最近、こういう質問や相談が増えました。実際に、多くの企業で、IoTへの取り組みがはじまっています。
「我が社もIoTやっています」と言いたいだけで、IoTプロジェクトへ取り組む企業が多いようです。このコラムでIoTプロジェクトの進め方をご紹介する前に、今回は良くあるIoT失敗プロジェクトについてご紹介したいと思います。
このコラムでご紹介した通り、日本企業のIoT取り組みはドイツや米国より遅れています。
この1、2年でマスメディアや国が成長戦略としてIoTを大きく取り上げていることから、日本企業は必至に追いつこうとしています。まずは、情報収集ということで、最新テクノロジーや先行企業の取り組みを調べ尽くしました。その調査報告をまとめて社長や役員へ報告したところまでは良かったのですが、「それで我が社のIoTは何をやるの?」と質問されて回答に詰まる担当者が続出しています。ほとんど思考停止しています。自社は何をやるのか考えていなかった訳ではないのですが、それを自分が提案して良いのか、失敗したらどうするのかと考えてしまうのです。
筆者のところにも、IT担当者やIoT担当者から次のような次のような質問が来ます。
「社長からIoTやれと言われました。どのベンダからIoTを買えば良いでしょうか?」
最初は冗談かと思ったのですが、どうやら本気でIoTをベンダから買えば良いと考えているようでした。とりあえず、知り合いのベンダを全部紹介して、一揃いシステムや機器を購入してもらってから、「IoTは手段で、目的じゃないから買えないよ」という対応をしようかと思いましたが、「年末までに成果報告しろと言われています。来年度から全社プロジェクトに展開するので3月までにプロジェクト計画を作れと言われています。」という笑えない状況らしいので、しょうがなく本当のことを説明しました。
「目的やビジョンなくIoTに取り組んでも、100%失敗する。」と。
多くの企業がハマるパターンは、以下の通りです。
しかし、どの企業も似たようなIoT導入をやっていて、特に効果や成果が出たようには見えない。つまりこれを「IoT失敗プロジェクト」と言います。
何が悪かったのでしょうか?
ちゃんとIoTは導入されています。IoT導入に問題はありません。しかし、IoT導入には成功しても、目に見える成果や成長戦略につながるような効果がありません。これが、2020年頃までに多発すると予想される、IoT失敗企業の典型的なケースです。
さて、IoTへの取り組みについてもう一度じっくり考えてみて下さい。
なんのためのIoT導入でしょう?
日本企業の最大の課題は、ドイツや米国に追いつくという理由だけでIoTに取り組んでいるため、目的やビジョンが無いケースが多いのです。最悪の場合、センサーや機器を買ってIoTデータが収集できただけで満足してしまう企業もあることです。かつて、小売業でPOSシステムを導入して、そのPOSデータを全く活用していない(活用できない)企業と同じです。ブームに乗って取り組んだ結果、ブームが去るとお蔵入りです。IoTも同じ道をたどることは確実でしょう。その結果、IoTの本当の価値に気づかず負けることになるでしょう。今回はIoTをはじめる前に、失敗ケースを知っていれば『仏作って魂入れず』というIoT導入は回避できるはずというお話でした。
次回は、間違いないIoTプロジェクトの進め方について具体的にご紹介していきたいと思います。
[著]Wingarc1st Official The BLOG編集部
本記事はウイングアーク1st株式会社の運営するThe BLOGに掲載された記事を許可を得て掲載しています。
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