毎年恒例のウイングアーク1st主催カンファレンス「ウイングアークフォーラム」。2020年は名称を「updataNOW 20」に刷新し、オンラインイベントとして開催しました。今年は10月12日の前夜祭を皮切りに16日までの会期中、65超のセッションでお送りしました。
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開催期間中には、SVF、SPA、Dr.Sum、MotionBoard、DEJIRENなど、ウイングアーク1stが提供する各種ソリューションについても解説しました。その中から「SVFの未来を開発責任者が語る 来春リリースV10.1先行機能紹介」「Dr.Sum祝20周年!進化の歴史と次期バージョンに向けてのビジョン 企業のDXを推進する高速性と汎用性を兼ね備えた最強エンジンとして」の2つのセッションから、SVFおよびDr.Sumの最新動向を紹介します。
宅配伝票、稟議書、給与明細、売上明細、取引先と交わす見積書・注文書・請求書など、業務の情報・要件を伝達する手段として、ビジネスにはたくさんの「帳票」が発生します。帳票は、ビジネスの業務に決して欠くことのできない存在であると同時に、日本では独特の文化として発展してきました。
ウイングアーク1stの「SVF」は、帳票を開発・運用・出力するためのツールとして誕生しました。現在は、紙・電子ファイルにかかわらず、多様なデータ出力を実現するテクノロジーとして進化し、導入実績は2万6,000社に達しています。
最新の製品バージョンは2019年12月にリリースした「SVF Ver.10.0」。その際には「ExcelファイルをSVFの様式として利用可能に」「W3C勧告の標準フォーマット『SVG』を採用(HTMLの出力に対応)」「RDEスケーラブル対応」といった機能を追加しました。そして2021年5月リリースの「SVF Ver.10.1」でも、大幅な機能刷新を行う計画です。
updataNOW 20「SVFの未来を開発責任者が語る 来春リリースV10.1先行機能紹介」の中で、SVF開発部 部長の成田泰志は、デモンストレーションを交えて最新機能について解説しました。
SVFでの帳票設計では、SVFX-Designer等の専用設計ツールで「様式ファイル」を作成する必要がありました。しかしすでにリリースしているVer.10.0でExcelファイル対応になったことに加え、Ver.10.1からはWordファイルを様式ファイルとして利用できるようになります。これによりExcelやWordでの帳票設計が可能に。シンプルな帳票なら開発工数の抑制にもつながり、SVF活用の幅がさらに広がります。
少子化による人材不足への対応にのみならず、最近ではコロナ禍での「非接触対応」も企業にとって喫緊の課題です。そんな中、SVFはVer.10.1から商品タグなどに付帯されるRFIDタグへの出力に対応します。すでにSVFはデータを各種バーコードに変換し印刷する機能を実装していますが、それら従来のバーコードでの運用に加え、ICタグによる商品管理が可能になります。
Microsoft Active Directoryに加え、RDE SAML認証にも対応します。外部の認証サーバーが持つ認証情報を利用しながら、シングルサインオン(=利用システムごとにユーザーID・パスワードを入力する必要がなくなる)でRDEユーティリティへログイン。セキュリティリスクを低下させます。
複数の設定ファイルを配置し、マルチテナントでの利用を実現。1台のSVFを複数のテナント・拠点での利用を可能とし、クラウド環境下での利用を促進します。
最後に成田は今後のロードマップを示すとともに、SVFの未来について次のように述べました。
「すでにSVFはSPA連携により、単なる帳票としてだけでなく“データを埋め込んだ帳票”として流通させる『文書データ流通基盤』を実現しています。今後はそれをさらに確立し、製品間連携も強化していきます。今回紹介したExcelやWord様式の機能拡張についても進化の余地がありますし、PDF機能拡張、デザイナー刷新などもSVFが取り組むべき課題です。SVFはこれからも“究極の出力”を追求し、機能を進化していきます」(成田)
他方、社内のあらゆるデータをリアルタイムに収集・処理するデータ基盤ソリューション「Dr.Sum」は2021年5月にリリース20周年を迎えます。2001年、多次元高速集計検索エンジンとして「Dr.Sum Standard」(販売終了)がリリースされてから約20年間。Dr.Sumもまたダイナミックな製品進化を遂げました。
その実績からウイングアーク1stは日経コンピュータ社「顧客満足度調査2020〜21」データ分析・利活用支援ソフト/サービス部門で1位を獲得。Dr.Sum導入実績は2020年2月末の時点で6400社に達しました。
これまでのDr.Sumは、集計速度の速さが特徴として際立っていました。その速度1つとっても「データが整うまでの速度」「レポートを作成する速度」「製品を使えるようになるまでの速度」など、さまざまです。この他にも、使える環境やレポートの種類、アクセスできるユーザー数といった項目に至るまで、ユーザーが求める機能は多岐にわたります。
技術統括部 Dr.Sum開発部 部長 笹原徹はupdataNOW 20「Dr.Sum祝20周年!進化の歴史と次期バージョンに向けてのビジョン 企業のDXを推進する高速性と汎用性を兼ね備えた最強エンジンとして」の中で、「それら全てをひっくるめた“世界一の集計体験”こそが、これからDr.Sumの目指すべき世界」だと熱弁しました。
では具体的に「世界一の集計体験」とは何なのか。笹原が次に提示したビジョンは「クラウドへ寄り添う環境」でした。
「ビジネスにおいてクラウド環境が当たり前になっている最中、特にDr.Sumは『オンプレミスでもクラウドでも使いたい方法・場所に合わせてデータを保持できる』『Excelインタフェースを提供し、MotionBoard cloudの集計表チャートからExcelを起動』『かつ、それをウェブ上でも共有できる』といった価値を提供したい」(笹原)
Dr.Sumはすでに各方面でユースケースを生んでいます。例えば内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供する「V-RESAS」もその1つ。同サイトは「地方創生の様々な取組を情報面から支援する」ことを目的に、人流・消費・飲食・宿泊・イベント・興味関心など日々さまざまなカテゴリーのデータを可視化・公開しています。Dr.Sumは同サイトのバックエンドとしてデータ蓄積・可視化の仕組みを支えています。
「こうした大量データの分析はDr.Sumの得意領域。それができるのはもはや当たり前のこと、と言ってもいいでしょう。これからは大量蓄積データからデータの傾向を素早く把握する“予測”こそがデータの世界で肝になる。V-RESAS ではAgoop社が提供する市区町村・代表地点の人流データを利用していますが、こうした人流データもAIのマシーンラーニングの時系列分析で『人が集まりそうな場所』『人が減りそうな場所』といった傾向を把握・予測することができます」(笹原)
笹原は、最後にDr.Sumの未来について次のように述べてセッションを締めくくりました。
「次のメジャーアップデートとなるDr.Sum Ver.6.0はまだ構想段階ですが、IoTを支える『リアルタイムストリーミングエンジン』、AIを支える『分散処理エンジン』、そしてあらゆるバックエンドを支える『最強のデータベース』あたりがわれわれにとって重要な課題。すでにDr.Sumの集計速度は、ほぼ世界一だと自負していますが、これから性能・速度の向上を極めて、ぶっちぎりの世界一を目指したい。究極の集計体験を提供していきます」(笹原)
ウイングアーク1stが毎年開催している国内最大級のビジネスイベント「ウイングアークフォーラム」。今年は「updataNOW 20」と名前を変え、10/12~10/16にオンラインで開催しました。 登録数15,000名以上、セッションの総視聴数は40,000を迎えました。 データ活用とDXを基軸に、ネクストノーマル時代に向けた洞察から、各業界・業種の先進的な成功事例、そして、ビジネスを加速する最新のサービス紹介まで、65を超えるセッションの大部分をアーカイブ配信として公開いたしました。 見逃した方はもちろん、もう一度視聴したい方も是非ご覧ください。
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