今回は、『IoTデータの三段活用』のSTEP2の取り組みをご説明します。
STEP1では、各種センサーから取得したIoTデータを可視化(IoTデータの見える化)するところまでご紹介しましたが、今回はその可視化からサービス化へ至る取り組みについての話です。
デバイスや設備に組み込まれたセンサーから使えるデータを、「見える化」して誰でも使える形で入手する仕組みを作ったら、その次に取り組むのはサービス化です。
ここでようやくIoTデータを使ったメリットを得ることができます。前回同様に、予知保全というテーマを例にあげて「メンテナンス(保守運用)」についてご説明します。 IoTデータの活用というと、センサーやデバイスの方に目が行きがちです。しかし、重要なのはセンサーやデバイスではなく、そこから得られるデータにあります。
つまり、センサーやデバイスから収集した膨大なデータを整理して、そこから有効なデータのみ抽出して、このデータを利用して効果を出すことが目的となります。
IoTデータポイントは、以下の3つです。
1.IoTデータを活用してられるサービスの目的を明確にする。
これは、省力化・効率化、省力・省人化などテーマを決めることを意味します。
2.IoTデータをどの様に収集、整理、利用するのかシナリオを考える。
これは、IoTデータ収集、その解析ノウハウ、そしてサービス提供のシナリオを作ることです。
3.実証実験で仮説検証し、小さく始めて大きく育てる。
これは、シナリオを実証実験して裏付けをとり、小規模で成功したものをスケールさせ、最終的にサービス化することを意味します。
IoTデータ活用を成功に導く秘訣は、実証実験をオープン・イノベーションで進めることです。
オープン・イノベーションとは、新しい技術やサービスの開発にエンドユーザーや整備メーカーなどパートナーを加えて、様々な意見を汲んでディスカッションしながら進めることです。「大部屋」とか「ワイガヤ」と言われる手法に通じるやり方です。
この手法の特徴は、様々な意見が出るため失敗のリスクに早く気づくことが出来ます。日本企業はこうしたやり方を苦手としてきましたが、仲間を作って取り組むことで市場ニーズに即したサービスを短期間で生み出せます。ユーザーやパートナーなど多くの利害関係者を巻き込むことで、エコシステムを形成して実質的な標準仕様を主導することができます。
オープン・イノベーション手法のポイントは、「オープン・クローズ戦略」にあります。これは、オープン(公開)で議論するテーマとクローズ(非公開)で自分だけで決める仕様の境界線を明確に分けることです。
iPhoneでアップル社が行っているのもこのオープン・クローズ戦略です。オープンなのは、iOSという基本ソフトとその開発環境を公開して、誰でも自由にアプリケーションを開発して流通できるようにしているところです。
一方で、クローズなのは、iPhoneとiOSにどのような機能を搭載するのか、どの部分を公開するのかを決めるところです。この部分は、アップル社の事業戦略や業績に直結するためこの内容については全て非公開です。
[著]Wingarc1st Official The BLOG編集部
本記事はウイングアーク1st株式会社の運営するThe BLOGに掲載された記事を許可を得て掲載しています。
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