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従業員満足度は英語で“Employee Satisfaction”と呼ばれており、ESとして定着しています。顧客満足度(CS)は日本でも有名であり、企業の顧客からの評価を知る指針として利用されることが多くなりました。しかし、CSを重視しすぎるあまり従業員に苛酷な労働環境を強いる企業もあり、ESの重要性が叫ばれるようになったのです。
ESは従業員が会社で働いていて辛い思いをしていないかを、多角的なデータから判断していきます。給料面や休日などの労働条件はもちろんですが、仕事に対するやりがいや同僚とのコミュニケーション、会社への愛着までがESを割り出す要素となっています。
ESが高い企業では、従業員がモチベーションを高く保ちながら業務に当たっているといえます。ESは就活生が企業を見極める際の基準にもなるため、これからの時代、より注目されていくでしょう。
ESに加え、近年になって登場した概念が従業員幸福度(Employee Happiness、EH)です。EHはESにおける「従業員の働きがい」をさらに深化させ、客観的には判断しづらかった従業員の「働く喜び」を数値化しようとする試みです。EHを算出する際にはESもデータの一部として用いられます。
なぜEHに注目する企業が現れたのかというと、ESだけではわからない要素が判明したためです。
たとえば、従業員が日々の仕事に辛さを感じていても、給料面の待遇がよければESは高い数値をはじき出す可能性があります。従業員にとって給料よりも精神的な安定が大切なケースでも、ESが高いゆえに従業員は「不満なし」と判断されるリスクがあったのです。
EHによってこれまで「主観的」とされてきた従業員の幸福度をデータ化することで、経営の健全化を目指す指針とします。現代日本で問題視されている「やりがいの搾取」防止に役立つ概念となるでしょう。
従業員満足度(ES)と従業員幸福度(EH)を算出するには、客観的なデータを集計するだけではなく従業員自身が回答した主観的なデータを手に入れることが必須です。そこで、企業はインタビューやアンケート形式を用いて従業員に現状をヒアリングすることが大切です。
設問の内容はできるだけ多岐にわたっていることが理想的です。また、正確なデータ収集のためにはESやEHを意図的に高くするための誘導尋問も避けなければなりません。ヒアリングは基本的に全従業員を対象に行うようにします。
ESとEHは主観的な回答に基づいて算出するものの、計算そのものには集計者の主観が入り込まないように工夫することが重要です。そのため、あらかじめ算出用のプログラムを用意し、人間の感想が介入しない数値を割り出す必要があります。また、算出だけでなく教育制度などへと結果データを反映させることも求められます。
(データのじかん編集部)
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