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ITが日常生活に溶け込んでいるアメリカの生活–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.03」

「データのじかん」の新特集、「World DX Journal」へようこそ!世界中で巻き起こるデジタル変革(DX)のリアルな声を、まるでそこにいるかのように届けます。報道におけるバイアスをそぎ落とし、生の一次情報を根拠に、日本から世界のDX動向をリアルタイムでキャッチ。読者のみなさん、各地のデジタル最前線の情報を通して、世界がどんな風に様変わりしているのか、目撃してみませんか?情報をシェアするだけじゃない、世界を「読む」ことで、これからを生きるヒントを一緒に探していきましょう。さあ、この冒険に、あなたも参加しませんか?第3弾はアメリカ アトランタ在住のデータのじかんFRIENDの原田朋さんがレポート。

         

いわずと知れたGAFAM(Google, Apple, Facebook/Meta, Amazon, Microsoft)。

IT界の巨人をはじめ、アメリカでは多くのテクノロジー企業がしのぎを削っています。

新しいもの、改善されたものが次々に生まれています。買い物、医療、教育、金融、ビジネスなど、ありとあらゆる分野で便利なものがどんどん出てきています。

たくさんあるツールの中でも、GAFAMだけではなくて、ITを活用して多くのツールやサービスが日常生活に溶け込んでいます。

あまりにも日常的過ぎて、ITの恩恵を受けていることさえ気づかないものもあります。
そんな日常に溶け込んだサービスの中で、アメリカ生活24年の筆者が、現地生活を通して目にしたツールやサービスをご紹介していきます。

筆者の簡単な自己紹介

申し遅れました。筆者の私はアメリカの生活が24年ほどになります。
日系の商社、メーカーなどを経て、独立。企業のギャップ分析や、日本企業のアメリカ進出のサポートをしております。時代の流れとともに、変化するアメリカを現地で体感してきました。

それらの体験をもとに、アメリカ現地の生の声をお届けします。

「お金」に関するIT事情

(写真提供:原田朋)

当たり前に感じるものは、日常生活にかかせないものだと言えます。アメリカで普段生活をしているとあまり意識しないのですが、日本に帰るたびに大きな違いを感じるものがあります。

それが「お金」です。

お金はあらゆる場面で必要ですが、「キャッシュ(現金)」に触れる機会はめっきり減りました。キャッシュを見ないし、さわることもほとんどありません。キャッシュ以外の方法を使って、お金のやりとりをしているからです。

居酒屋で割り勘をするのにキャッシュを集めて幹事さんが集計をする、なんて光景はアメリカでは見ません。

「キャッシュ」を見ない理由

キャッシュを見ないのは、お金の受け渡しがネットワーク上で完結できるからです。
ツールとしては以下のようなものがあります。

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • 小切手(紙and/or電子)
  • Apple Pay
  • Venmo
  • Zelle

など

キャッシュレスの流れ

お金の受け渡しがネットワーク上で「完結する」ことをお伝えしました。

図をご参照ください。

  • 給料はオンライン振り込み。
  • 小切手はスキャンして振り込み。または、Eメールで小切手を受け取って、スキャンして振り込み。
  • 友人などの個人間はP2P(peer to peer)決済でやりとり。

と、キャッシュの入金以外は「全て」データだけでやりとりができるようになっています。給料も、個人から受け取るお金も、全部データで済むのであれば、わざわざ現行でお金をおろす必要もありません。お金をおろす必要がないから、普段キャッシュを持ち歩きません。支払いはカードで完結するので。

そうするとますます、キャッシュを使わなくなる、見なくなるというサイクルになります。図をみていただくと、キャッシュがなくても成り立っているのがよくわかるかと思います。

図:お金の流れ(筆者作成)

Venmoが果たした役割

利用者として感じるのは、VenmoなどのP2P 決済サービスが果たした役割は大きいと感じます。給料の受け取りやクレジットカードでの支払いなど、企業とのお金のやりとりは便利になっても、個人間では、キャッシュのやりとりが必要で、不便さを感じていました。

Venmo HP

銀行にわざわざ振り込むか、キャッシュをおろして手渡しをするかしか以前は手段がなかったので。

それがP2P決済アプリの登場で、個人間でも銀行に行かずにお金のやりとりができるようになりました。そうすると、銀行にいくこと、お金をおろす必要が本当になくなりました。
キャッシュレス化が進んだ背景は他にも理由があると思いますが、個人間で簡単にやりとりできるようになったのはひとつの大きな理由かもしれません。

ITが日常生活に溶け込んでいるアメリカの生活「お金」編のまとめ

アメリカでは多くのテクノロジーが日常生活の中に溶け込んでいます。
その例として真っ先に思い浮かぶのが「お金」です。

クレジットカードの活用など、もともとキャッシュを使わない背景はありましたが、P2P決済アプリの普及も一層のキャッシュレス化の後押しの理由になっているのではないでしょうか。

財布に現金が入っていると不安がつきまといます。大金を持っていて、落としたらどうしよう、とられたらどうしようと不安になります。アメリカにお越しの際は、キャッシュレスの身軽さ・気軽さを体感してみてください。

データのじかんFRIEND:原田朋|Tomoo Harada
在米コンサルタント。商社、メーカー現地勤務など約25年の会社員生活を経て独立。DRM他、多種のマーケティングスキルと実践を通じて培った知見をもとに、企業のアメリカ進出や日米企業の業務改善をサポート。アメリカ生活、ビジネスに関する情報をサイトで発信。

https://atl-concierge.com/(アメリカ生活)
https://excf.atl-concierge.com/(ビジネス)

 
 

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