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アメリカにおける銀行口座のセキュリティ–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.09」

「データのじかん」の新特集、「World DX Journal」へようこそ!世界中で巻き起こるデジタル変革(DX)のリアルな声を、まるでそこにいるかのように届けます。報道におけるバイアスをそぎ落とし、生の一次情報を根拠に、日本から世界のDX動向をリアルタイムでキャッチ。読者のみなさん、各地のデジタル最前線の情報を通して、世界がどんな風に様変わりしているのか、目撃してみませんか?情報をシェアするだけじゃない、世界を「読む」ことで、これからを生きるヒントを一緒に探していきましょう。さあ、この冒険に、あなたも参加しませんか?第9弾はアメリカ アトランタ在住のデータのじかんFRIENDの原田朋さんがレポート。

         

オンライン銀行口座のセキュリティ:アメリカの場合

以前よりキャッシュレス化が進んでいるとはいえ、日本でまだまだ現金を使うことが多いかもしれません。アメリカの場合は、日常生活で現金を使うことはあまりありません。お金のやり取りがオンラインで完結することが多いからです。オンラインで完結させるためには、アカウントのセキュリティが大事になってきます。今回は、アメリカでよくある、銀行口座のセキュリティについてお伝えします。

口座のアクセスとお金の利用に対するセキュリティ

日常生活で関連する銀行のセキュリティは2種類あります。
ひとつが口座のアクセス(ログイン)に関するセキュリティ。
もうひとつが、お金の利用に関するセキュリティです。
それぞれ説明していきます。

ログインのセキュリティは主に3種類

アメリカの銀行では、大きく分けて3つのログインのパターンがあります。

1つ目:

口座の所有者が決めたパスワードでログインする方法です。
パスワードを悪用されないための施策として、パスワード作成時の条件があります。
例えば、文字数は16文字以上。大文字が1個以上。数字やびっくりマークなどの特殊文字を1個以上入れる必要がある、といった条件です。条件自体は銀行によって変わりますが、複数の条件を満たさないとパスワードをつくらせてくれないケースが多いです。

2つ目:

2段階認証です。口座開設時に登録する携帯、またはメールアドレスと連動してログインする方法です。決められたパスワードでサイトにログインをします。ログインした後で、メールや携帯にアクセスコードが送られてくる2段階方式のセキュリティです。ログインのパスワードを盗まれても、もうひとつのアクセスコードがないと口座にアクセスできない仕組みになっています。

3つ目:

セキュリティ クエスチョンなどに答えて口座にアクセスするパターンです。これは、上記の2つの方法でアクセスできない場合に備えてのパターンです。2つの方法がどちらもダメな場合はそれほど多くないので、この3つ目のパターンは使うことは少ないですが。
「ひみつの質問」として、口座を開設時に設定した回答を答えられたら口座にアクセスできるようになります。

2段階認証のメリットとデメリット

これらの3つのパターンが多いですが、年々2のパターン(2段階認証)が増えています。
2段階認証のメリットは、2重のセキュリティです。不正アクセスをしようとしている人が、アカウント所有者のメールや携帯にアクセスできなければ、口座を利用するためのコードが手に入りません。なので、口座への不正アクセスを未然に防ぐことができます。

一方でデメリットもあります。出先で携帯を忘れる、携帯が壊れたときなどです。頻繁に起こるわけではないですが、携帯を忘れた場合、口座の所有者本人でもアクセスすることができません。また、銀行に登録しているメールアドレスが普段使わないアドレスの時も困ります。アドレス自体を忘れてしまうこともあるからです。

メールアドレスを忘れたり、携帯が手元にない場合、他の方法で2段階認証ができる場合もあります。「確認ができません。窓口にくるしか方法がありません。」という経験は今のところありません。詳細についてはお使いの銀行へ事前に確認をしておきましょう。

お金の利用に関するセキュリティ

ここまでは口座のアクセス・ログインについてのセキュリティをお伝えしました。口座にログインしなくても、お金の被害を受けることがあります。そのために、お金の利用に関するセキュリティもあります。

自分はカードを使っていないのに、行ったことのない外国で使われていた、なんてことを経験したことがある方もいるかもしれません。利用に関するセキュリティは、そうした不正利用に対してのセキュリティです。

仕組みはシンプルで、不正利用があった場合に、自分で連絡します。銀行によっては、いつものパターンと違う場合に通知が来る設定ができるところもあります。

誰もができる簡単で効果的な方法

ここまで、不正アクセスをされないためのセキュリティ、不正利用をされた後のセキュリティについてお伝えしてきました。これらは、オンライン上での仕組みですが、誰にでもすぐにできるセキュリティ対策があります。

それは、「口座の個人情報を人に教えない」ということです。

アメリカでお金のやりとりをする場合、基本的に口座の情報を人に教えることはないです。個人であればVenmoやApple Payなどを使いますし、なにかのサービスを利用する場合は、その会社の決済のプラットフォームなどを使います。

会社にメールで口座情報を伝えることもありません。大切な情報を伝える時は電話になりますし、電話口でも口座番号などを直接つたえることはありません。口座にひもつく個人が特定できる情報であったり、口座番号の下4ケタだけ伝えるといった感じです。
対銀行とのコミュニケーションのこのように、情報のやりとりを限定してやっています。ですので、銀行以外とのやりとりで口座情報を出さないようにするのは、ひとつのセキュリティ対策になると思います。

アメリカにおける銀行口座のセキュリティのまとめ

アメリカの銀行では、いろんな方法でセキュリティ対策がなされています。オンラインのアクセスを防ぐためのもの、不正な利用をリカバリーするためのものがあります。個人ですぐにできることとしては、口座情報をシェアしないことです。日本で今後キャッシュレス化がもっと進んでいくと、欧米のセキュリティ対策が参考になるかもしれません。

データのじかんFRIEND:原田朋|Tomoo Harada
在米コンサルタント。商社、メーカー現地勤務など約25年の会社員生活を経て独立。DRM他、多種のマーケティングスキルと実践を通じて培った知見をもとに、企業のアメリカ進出や日米企業の業務改善をサポート。アメリカ生活、ビジネスに関する情報をサイトで発信。
https://atl-concierge.com/(アメリカ生活)
https://excf.atl-concierge.com/(ビジネス)
 
 

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