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人の移動量ってどうやって調べるの!?人々の移動行動データの種類や活用法をご紹介!意外な落とし穴も?

         

コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、ニュースを眺める中で「〜〜(場所)の人出〜割減」という言葉をよく耳にするようになりました。

そうした中で、「人の移動量ってどのようにとっているのだろう?」という疑問が湧いてきました。数万、場所によっては数百万人にもおよぶ人々の移動をどのように記録しているのか。そのデータはいつ、どのように活用されているのか。疑問は尽きません。

そこで、今回は、そんな「人の移動データ」について調べてみました!

人力で数えなくても大丈夫!技術向上で進化する人の移動データ

移動する人の数を数える、と聞いて、カウンターを片手に往来する人々を数える調査員さんの姿を想像する、という人も少なくないかもしれません。

実際、2008年に朝日新聞が東北の祭りの人出について調査した記事によると、人の移動データの算出方法として以下の4種類が挙げられています。

  • 調査員を雇ってカウンターで人数を計測する
  • サンプルエリアを設けてその中で人数を数え、その人数をもとに、会場全体の面積や入れ替わり、周辺施設の人でなどの要素を考慮し算出する
  • ホテルや旅館などの周辺施設の利用人数や、道路や駅の利用状況から積み上げ式で人数を大まかに推計し、当日の会場の混み具合も合わせ算出する
  • 会場の大まかな収容人数を推定し、目視で何割くらいの人出かを確認し、算出する

しかし、2010年代に入り、スマートフォンの利用が一般化したことや、GPS技術の発達などに後押しされ、人の移動行動データの取得、算出方法はより多様になってきています。

ここではデータ管理者ごとのデータの種類や特徴をご紹介します!

大手携帯キャリアをはじめとした情報通信事業者などが管理する移動データ


インターネットへの接続やGPSの状況からリアルタイムで人々の移動を観測できます。例えば、マップアプリの道路の混雑状況などはGPSデータを用いている場合がほとんどです。

また、近年では家電などのIoT化も加速し、より多彩なデータが取得できるようになっています。

データの種類

データの特徴

衛星測位データ(GPS、準天頂衛星等)

GPSなどを活用したアプリ利用者の正確な滞留・移動を把握可能。地下・室内では使いにくい。

携帯電話・スマホの接続基地局データ

携帯電話・スマホの接続基地局の変動から利用者の分布、移動を継続的に把握できる。精度はGPSデータに劣る。

公衆無線LAN等の接続データ

電波の届く範囲での正確な滞留・移動状況を把握できる。地下・室内でも活用可能。

Bluetooth機器の接続データ

機種によって、特定事項に関心がある人の来訪実態がわかる。地下・室内でも活用可能。

IoTをはじめとした家庭用機器の利用データ

利用者の在宅時刻・時間、生活時間の実態把握が可能。データ量は増加見込み。

出典:「人の移動データ」とその活用について

交通機関・道路管理者が管理する移動データ


交通施設や道路の使用状況からリアルタイムに人々の移動行動データを取得します。

駅やバス停などの通過データは正確ですが、時間や場所が限定的なのに対し、道路の交通量データは巨視的なデータを把握できますが、移動データを正確に取るのは難しい、とそれぞれ一長一短があります。

データの種類

データの特徴

交通施設(駅、バス停など)の通過データ

切符や交通系ICカードの通過量をカウントし、乗降客数をほぼ完璧に把握できるが、時間と空間には制限がある。

交通量データ(VICSのデータ)

渋滞などの情報をリアルタイムにカーナビなどに表示する情報通信システム「VICS」のデータ。道路・地域・広域の混雑状況の推移が把握できるが、人の移動の正確な把握は難しい。

出典:「人の移動データ」とその活用について

店舗・ビル・公共施設等管理者や決済サービス事業者が管理する移動データ


リアルタイムで施設などの利用者数を正確に把握できます。一方で、場所や時間は限定されたデータがほとんどです。

データの種類

データの特徴

定点カメラの

撮影データ

特定地点の混雑、人の滞留状況をリアルタイムで把握できるが、夜間の観測は難しい。

ビーコン等の

センシングデータ

定点カメラデータと同じようにリアルタイム性は高いが、人の属性は把握できない。

決済端末の

決済データ

施設毎に消費行動の実態を把握できるが、広域での移動状況の把握は難しい。

入退館データIC

IDカードなどで管理している事業所・ビル毎の移動・滞留が把握できる。

出典:「人の移動データ」とその活用について

公的機関が管理する移動データ


大規模な調査や住民登録状況などから人の移動を把握します。リアルタイム性は低かったり、場所が限定的だったりしますが、長期的な人々の移動が記録されています。

データの種類

データの特徴

パーソントリップ・データ

交通実態調査とも呼ばれる。調査票を用い、人々の日常的な移動手段や移動時間などを集計し統計的な精度を確保したデータ。マルチモーダルな移動や移動目的を把握可能。

住民登録データ

ほぼ全国民の長期間の移動実態がわかるが、短期間の実態把握には不向き。

高速道路通過、交通違反取締りデータ

ETC通過履歴やカメラから車ごとの移動移動情報を得られる。

出入国管理データ

出入国履歴(法務省)と滞在地登録情報(外務省)から国外の移動情報がわかる。

出典:「人の移動データ」とその活用について

 

マップ上の渋滞で道がガラガラに?移動データの活用例と意外な落とし穴

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