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近年、自然言語処理技術は急速に発展し、AIによる会話が現実のものとなっています。その中でも、「ChatGPT」は、OpenAIによって開発された自然な対話が可能なAIチャットボットです。ChatGPTは、大量のトレーニングデータを元に作成されたニューラルネットワークを用いて、人間との対話を行います。本記事では、ChatGPTの技術やその応用について詳しく解説します。
──「ChatGPT」について解説する記事の序文を書いて。
上記の文章は、そう依頼した結果です。まるで人間の助手のように、ひとたび依頼すれば調査も、文章も、プログラミングもこなしてくれるChatGPT。我々ライターをはじめ、プログラマー、リサーチャーなど多くの方が脅威あるいは興味を抱いていることでしょう。
そんな「ChatGPT」とは何か、もうライターは必要ないのか、ChatGPT以外のAIチャットボットは? など気になるポイントを、‟ChatGPT本人”の回答も紹介しつつ、解説してまいります。
<ChatGPTの回答>
「ChatGPT」は、大規模なトランスフォーマーをベースとした自然言語処理モデルであり、これまでにない高い性能を持っていることが話題になった一つの要因です。特に、GPT-3は、自然言語処理タスクにおいて驚異的な精度を示し、会話や文章の生成において、人間のような自然な表現を行うことができるとされています。
また、ChatGPTは、自然言語処理に関する研究分野において、一定の画期的な進歩をもたらしたとされています。ChatGPTの開発によって、大規模なテキストデータの処理や、そのデータを用いた自然言語生成技術が大幅に進歩し、それによって、様々な分野で応用が期待されています。
また、ChatGPTは、オープンソースのAI技術として、一般の開発者が簡単に利用できるようになっており、AI技術の普及につながる可能性があることも話題になっています。
これらの理由から、「ChatGPT」は、自然言語処理や人工知能の分野において、画期的な進歩をもたらした技術であり、大きな注目を集めることになりました。
ChatGPTがリリースされたのは、米国時間2022年11月30日。開発元は、サム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏、ピーター・ティール氏らによって2015年12月に立ち上げられたAI研究所「Open AI」です。現在はサム・アルトマン氏がCEOを務め、イーロン・マスク氏はAIに対する考え方の相違やTesla社との利益相反に対する懸念から袂をわかっています。
ChatGPTのベースである言語モデルは2020年5月に公開された「GPT-3(Generative Pre-trained Transformer)」(※2023年2月24日現在はGPT-3.5)。米Googleが2017年に論文「Attention Is All You Need」で発表したトランスフォーマーという機械学習の手法を用いたOpen AIの言語モデルの第三世代です。
ChatGPTは一般公開されて1カ月も経たないうちにSNSで大きく話題となり、Googleスプレッドシートと連携できる「ChatGPT in Google Sheets and Docs」の紹介や「ChatGPTに〇〇させてみた/してみた」といった大喜利投稿などで大勢に認知されることとなりました。
※2022/11/24~202212/24の期間における、「すべての国」の検索トレンドをキャプチャ
ChatGPTがここまで話題になったのは、「誰でも無料で簡単に利用できる」「実際の利用イメージがつかみやすい」という二大要素を満たしているからでしょう。
ChatGPTはOpen AIのサイトからメールアドレスなどを登録するだけですぐに利用でき、より高精度な有料版の「ChatGPT Plus」も提供されているものの、試しに使ってみる分には無料版で十分です。また、普段使っている言語で利用できるのも拡散に大きく貢献したはずです。
そして、チャットによるコミュニケーションに我々はすでに慣れ親しんでいます。この障壁の低さと「実際に使えそう/使っていくことになりそう」という実感が、ChatGPTをここまで話題のツールにしたのではないでしょうか。
<ChatGPTの回答>
「ChatGPT」の登場により、自然言語処理技術や自然言語生成技術の進歩が期待されていますが、それによってライターやホワイトカラーの仕事が完全に失業するわけではありません。
現状のChatGPTの技術水準では、ある程度の文章生成や文章要約などは可能であり、簡単な業務の自動化に利用できる可能性があります。例えば、自動返信メールや報告書の作成など、基本的なテンプレートが用意されている文書の作成に利用できるでしょう。
ただし、高度な文章表現や、特定の分野に特化した文章の生成など、より複雑なタスクにはまだまだ限界があります。また、文章生成技術には、論理的思考や感情表現などの人間特有の要素を反映することが難しいとされています。そのため、文章のクオリティーや情報の正確性に関しては、まだ人間の方が優れている場合があります。
また、ChatGPTはあくまで技術の一部であり、人間が必要とされる業務は多数存在します。例えば、文章を書くだけでなく、情報収集、データ分析、プログラミング、コミュニケーションスキルなど、多岐にわたるスキルが求められる仕事は、今後も需要が高いと考えられます。
したがって、「ChatGPT」の登場によって、ライターやホワイトカラーの仕事が完全に失業するわけではなく、むしろ新しい技術を取り入れながら、より付加価値の高い業務を行うことが求められる時代になっていくでしょう。
本人もこう言ってくれている通り、ChatGPTはまだライターなどの仕事を置き換える水準には至っていません。その要因として挙げられるのが、全く間違った内容をそれっぽく答える悪い「ハルシネーション(Hallucinations:幻覚)」の存在です。また、ChatGPTは専門性の高い話題や独自の文脈に依存する内容、スラングなどを用いた質問への回答も苦手としています。Open AI 現CEOサム・アルトマン氏は、Forbesの取材に対し「ChatGPTがGoogleの検索エンジンを置き換えることにはならない」という見解を示しています。
文章を検証できる能力や専門性、背景知識を理解したうえでの調整において、人間の能力はまだまだ必要とされそうです。とはいえ、もちろん人間でも間違った記述をすることはありますし、ChatGPTがGoogleのコーディング職の試験や米国の医師資格試験で高い成績を叩き出したという報道もなされています。
筆者自身、ChatGPTのようなAIツールを活用しながら仕事をしたほうが‟効率的”とすでに感じています。ファイルサーバや表計算ツールのように我々の仕事で当たり前となっていくことが予想され、そういう意味で今までのデスクワークのやり方は終わりを迎えつつあるといえるでしょう。
<ChatGPTの回答>
Perplexity:
Perplexityは、自然言語処理において、言語モデルの品質を測るために使用される指標の一つです。言語モデルは、与えられた単語のシーケンスの次の単語を予測することができます。Perplexityは、言語モデルがテストセットの単語シーケンスに対してどの程度うまく予測できるかを評価する指標です。低いperplexityは、より優れた言語モデルを示します。
Bing:
Bingは、Microsoftが開発した検索エンジンです。Bingは、Webページや画像、動画、ニュース、地図、ビジネス情報などを検索するための検索エンジンとして利用されています。Bingは、自然言語処理を使用して、検索クエリを解析して、関連する情報を返します。また、Bingは、機械学習を使用して、検索結果のランキングを最適化するために、膨大な量のデータを分析しています。
Bard:
Bardは、OpenAIが開発した音楽生成AIです。Bardは、機械学習を使用して、音楽のスタイルや構造を学習し、新しい音楽を生成することができます。Bardは、様々なジャンルの音楽を生成できるため、作曲家や音楽プロデューサーにとって、音楽制作の手段として注目されています。Bardの生成した音楽は、自然でリアルなものであり、音楽愛好家からも高い評価を受けています。
※赤文字の部分は誤答です!
ご覧の通り、今回のChatGPTの回答には、前述したようなハルシネーションや文脈の読み違えがはっきりと含まれています。「Perplexity」は機械学習用語の説明としては正しいのですが、ChatGPTとの比較という文脈が捉えられず、期待した回答が得られませんでした。また、ChatGPTの学習データは2021年6月時点のものが最新です。そのため、Bingの説明も間違いではないもののChatGPTの比較には適しておらず、現在一般公開されていない「Bard」に至っては非常にトンチンカンな説明がなされています。
「Perplexity」は OpenAI出身のアラビンド・スリニバス氏が立ち上げた対話型AIで、Web検索により最新の情報にも対応可能な点、答えと同時に出典をリンク付きで示してくれる点が特徴です。利用に登録は不要なため、とりあえず使ってみるのが良いでしょう。
Microsoftの検索エンジンである「Bing」はChatGPTから技術の提供を受け、GPT3の次世代GPTとBingのデータを掛け合わせたAI技術「Prometheus」を提供することを発表しました。これにより検索とチャットを融合した新たな体験が得られるとアナウンスされており、現在Bingにアクセスすればプレビュー版の体験を申し込むことができます。
「Bard」はGoogleが開発を進めていることを発表した会話型AIで、2023年中の公開が予定されています。Google開発大規模言語モデルLaMDA(Language Model for Dialogue Applications:対話アプリケーションのための言語モデル)をベースに、より対話的な検索体験が提供されることが予想されます。
ChatGPTはライティングやプログラミング以外にも、英作文の添削を注文するなど語学学習への利用や、考えるのを気後れしてしまう謝罪文や交渉の文言を考えてもらうなど、多様な活用法がインターネット上で提案・拡散されています。
このようにあくまでAIチャットボットを新しい便利な道具と捉え、自由な発想で使い倒すことで良好な関係が気付けるでしょう!(さて、この文章はChatGPTと人間、どちらが考えたでしょうか?)
【参考資料】 ・Alex Konrad『ChatGPTの生みの親、サム・アルトマンが語る「AIと検索と資本主義の未来」』┃Forbes ・Thomas Maxwell,Hugh Langley『グーグル、AIチャットボット「Bard」のトレーニングを全社員に指示。テスト指示書の全文を公開』┃BUSINESS INSIDER ・伊神 賢人、中田 敦『画像認識AIもTransformerベースに、精度向上が見込める2つの理由』┃日経Xtech ・清水亮『チャットできるAI、ChatGPTが「そこまですごくない」理由。見えてしまった限界』┃BUSINESS INSIDER JAPAN ・ChatGPTが米医師資格試験で合格ライン┃時事メディカル ・ChatGPTがGoogleのコーディング職の試験を受けると年収2400万円のレベル3エンジニアとして合格する┃GIgazine ・Building the New Bing┃Microsoft Bing Blogs ・西川 和久『BingのAIチャットを試してみた。GPT-4と呼ばれているPrometheusの出来栄えは!?』PC Watch ・Sunder Pichai『An important next step on our AI journey』┃Google Africa Blog
(宮田文机)
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