先日乗ったタクシーの車体が電気自動車で図らずも電気自動車初体験となりました。乗り心地も見た目も乗り馴れたガソリン式の自動車とほとんど変わらず、快適に過ごすことができ、技術の進歩を改めて実感させられました。
公共交通機関での導入が始まったり、最近では、ホンダなどの国内自動車メーカーでも量産型の電気自動車の販売が発表されたりと、日本国内でも普及が広がりつつある電気自動車ですが、世界的に見るとどのくらい一般的になっているのでしょうか?
この記事では、電気自動車の歴史や普及の動向などを探っていきます。
電気自動車、と聞くと最先端の技術が詰まった新しい乗り物、という印象が強いですが、実は、その歴史はガソリン車のそれよりも長いんです。
一次電池によって駆動する初の電気自動車は1830年代に作られました。その後、1880年代には一般向けに販売され、1899年にはガソリン自動車より早く時速100kmを突破するなど順調に開発が進んでいきました。
新しい移動手段の開発だけあり注目度も高く、発明王のトーマス・エジソンも電気自動車のために充電可能なバッテリーの開発を行なっていたそうです。しかし、ガソリン車の方が航続可能距離が長かったことで市場はガソリン車が独占することとなりました。
その後、1970年代の石油ショックや1990年代のアメリカにおけるゼロエミッション規制(大気汚染を抑えるため、有害物質を排出しない自動車の販売を義務付ける規制)によって電気自動車が一時的な注目を受けることもあったのですが、航続可能距離や充電システムなど、技術的な壁によって日の目を見ることはありませんでした。
しかし、2000年代になると、携帯電話のバッテリーとして使用されていたリチウムイオン電池に関する技術が発達したことで、課題になっていたバッテリーの性能が向上し、再び電気自動車への関心が高まりました。
そしてアメリカの電気自動車会社「テスラ」によってスポーツカータイプの電気自動車「ロードスター」が開発されるなど、ガソリン車と遜色ない機能も搭載できるようになりました。さらに、2000年代後半から2010年代前半にかけてアメリカや日本で大量生産型の電気自動車が販売されるようになり、一般化が進んだのです。
技術の発達によって環境にも優しく、高い性能を持った電気自動車が以前より安価に製造販売できるようになったことで、電気自動車は、今ビジネスの分野でも大きな注目を集めています。
現在、全世界で保有されている四輪の電気自動車の台数は約311万台です。2000年代後半から現在にかけての保有台数の変化を見てみると、2010年頃から保有台数は急激に伸び始め、この数年で見ても保有台数の成長率は150%以上と伸び代のある分野であることが伺えます。
さらに、現在、全世界で保有されている四輪の自動車の数は約13億2000万台なので、その中で電気自動車の占有率はわずか0.2%に過ぎず、更なる成長する可能性は十分にありえます。
続いて電気自動車の保有台数を国別に見ていきましょう。
電気自動車保有台数でシェアトップを誇るのは中国です。現在中国が保有する電気自動車の数は約120万台。全世界の電気自動車保有台数と比較してみてもそのシェアはおよそ40%と高い比率を誇ります。
今年の4月に開催された「オート上海」という中国最大級のモーターショーでは、複数の中国スタートアップによる新しいバッテリーシステムを搭載した電気自動車が発表され、大きな注目を集めました。
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