About us データのじかんとは?
夏もそろそろ終わりを迎え、気温が下がる夕方になると新たな季節が訪れを感じるようになりなした。筆者にとって、この夏の高校野球が与えてくれた興奮と感動は、現地での観戦、在住地である神奈川・慶応義塾が優勝ということもあり、忘れがたいものとなりました。
熱戦と称される一球一球に、選手たちの努力と汗、そして夢と希望が詰まっていることは重々承知していますが、それを支えるアルプス席だけでなく球場全体の応援団による大声援に圧倒された決勝戦はこれまでの高校野球の在り方も変えてしまったのではないでしょうか?
実は筆者は野球経験者なのですが、当時、試合中はおろか、練習中ですら笑顔など見せられないような雰囲気が漂っており、正直、放課後の部活動が苦痛で仕方がありませんでした。
極度の緊張感を与える部活動の指導には当時から疑問を抱いていたのですが、その対極の考え方、楽しみながら野球をする「エンジョイ・ベースボール」を掲げた慶応義塾の優勝は、学校教育、そして彼らが社会人になってからは日本の企業の在り方も変えてしまうのではないか?とも思っております。
ご存じの方も多いと思いますが、慶応義塾出身の方は、「結束力の強さ」が特徴で、企業においても非常に強いリーダーシップを発揮されています。
昨今の日本の産業においては海外と比較して、女性の社会進出やDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れなど、多くの課題を抱えていますが、企業においても今年の夏の甲子園で目の当たりにした「結束力」をもって臨めば、乗り越えられるのではないか?と感じさせられました。
それではまず、今回紹介する記事のダイジェストの一読下さい!!
2023年5月11日の晩、FIXER会議室 (東京・芝浦)でCMC_Meetup (Community Marketing Community)が主催するミートアップイベントが開催されました。「コミュニティを掛け算する」をテーマにしたこのイベントにウイングアーク1stのnest企画室も参加。「掛け算」によるコミュニティ運営術が共有されました。
・みんなで考え、みんなで良い方へ変えていく–コミュニティを「掛け算」にする仕組みを考える、CMC_Meetupリポート
「DX施策の一環として、クラウド導入はどんどん進んでいる。」そのような認識を抱いている方は多いでしょう。実際、『通信利用動向調査』(総務省)によると、日本企業におけるその利用割合は5年間で56.9%(2017年)→72.2%(2022年)へと大幅に増加しています(※)。ただし、そのような流れに反する「オンプレミス回帰(Cloud Repatriation)」という用語も海外を中心に2019~2020年ごろから聞かれ始めました。オンプレミス回帰とは何なのか、その3つの理由や実際に選択されている製品の種別などについて詳しくみていきましょう!
※…「全社的に利用している」「一部の事業所又は部門で利用している」の合計。データ出典:「平成 30 年通信利用動向調査の結果」(総務書)「令和4年通信利用動向調査の結果」(総務省)
・「オンプレミス回帰」とは? その3つの理由や単なる“脱クラウド”ではない実態について解説!
女性の社会進出問題の深刻化の真っただ中にある日本において、IT業界も例外ではありません。そんな中、IT業界における女性の進出を後押しすべく【15歳〜29歳までの女子IT人材育成事業】”未踏的女子発掘プロジェクト GRIT @九州”がスタートします。
・未踏的女子発掘プロジェクト GRIT @九州 | 九州を中心に女性に自由に夢中になってやりたいことに取り組める女性クリエータの発掘・育成プロジェクトがスタート!!
今回からスタートする対談連載「DX疲れ/進まないDXにマーケティングという補助線を引く」では、先ごろ株式会社グロースXの執行役員マーケティング責任者 兼 コンテンツ責任者に就任した松本健太郎氏が、業界のDXリーダーや実践者のもとを訪ね、DXの過程でマーケティングが果たすべき役割や可能性を探ります。今回のゲストは、小売DXのエバンジェリストと評されるLINE株式会社の比企宏之氏です。
・小売DXのエバンジェリスト比企氏に聞く、今考えるべきこと–DX疲れ/進まないDXにマーケティングという補助線を引く
2023年6月、コンピュータ関連の書籍・雑誌を数多く発行する株式会社技術評論社から2冊の書籍が発刊されました。6月10日刊行の倉貫義人氏『人が増えても速くならない』と、6月17日刊行の市谷聡啓氏『これまでの仕事 これからの仕事』です。2冊の発刊を記念して開催されたウェビナーでは、各書籍の著者である倉貫氏と市谷氏が、日本のエンジニアによる「アジャイル」について意見を交わしました。モデレーターは同書籍に編集としてかかわった技術評論社の傳智之氏が務めています。
・漫然とした「アジャイル」は不要!? エンジニアの働き方をアップデートさせる新刊2冊の著者2人が交わす「アジャイルのこれから」
世界で有数の長寿社会である日本。少子高齢化が進む昨今、シニア世代のライフワークスタイルの重要性も高まってきています。そこで、今回は内閣府が公開している「高齢社会白書」の令和4年版より最新の高齢化の状況や、高齢者の方々の心境についてデータで迫ります。
・高齢化社会で「生きがい」を感じながら生きるには?「高齢社会白書」からみる日本の高齢化の実態
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2023.08.22 公開
オープニング「コミュニティマーケティングにおける、掛け算の重要性」では『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』(日本実業出版社)の著者で、「パラレルマーケター」として活動するCMC_Meetup主宰の小島英揮氏(元AWS マーケティング本部長、Still Day One合同会社 代表社員)が登壇し、掛け算によるコミュニティ運営について解説しました。
旅行に行くときや美味しい店を探すとき、私たちは“目利き”の人に話を聞きます。同じような視点・趣味嗜好のある人のオススメならば自分の行動につながりやすいからです。それは、「そこに単なる『認知』を超えた『想起』があるからで、BtoBのビジネスにおいてもユーザーや顧客にこの『想起』を強く促せるかどうかが鍵となってくる」と、小島氏は話します。
「例えば、かつて営業といえば、顧客との接点を持ち、その後徐々に地ならしをして『購入』にまでたどり着いたものです。しかし情報過多な昨今は、顧客の側でその商材に対する想起がすでにできています。初回の接点を持った時点で購買プロセスの67%が終了している、といわれるほど、営業接触以前に想起されているかどうかが生命線となります」(小島氏)
だからこそ小島氏はAWSの経験から「Don’t Sell to the Community, Sell through the Community(コミュニティに売り込むのではなく、コミュニティを通じて販売しろ)」と説いています。
2023.08.22 公開
「オンプレミス回帰」とは、「クラウドの利用をやめ、ITインフラやデータを自社で管理する環境へ回帰する」ことです。
オンプレミス/クラウドは、サーバやネットワーク、データなど自社のIT環境・データ管理の方法であり、下記のように異なります。
・オンプレミス:社内で管理して利用する
・クラウド:他社サービスとして利用する
ただし、クラウドにも他社と共有の環境を利用するパブリッククラウド、自社内でクラウド環境を占有するプライベートクラウドと、その“クラウド度”にはグラデーションがあり、また、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドも存在します。
2023.08.25 公開
日本の女性の社会進出に関する問題は、多くの要素によって複雑化を辿り続けています。
また政府は女性の社会進出を促進するためにさまざまな政策を推進していますが、その効果は限定的であるとされています。
テクノロジーが進化し続けているものの、IT業界も例外ではなく、「見えない男女格差」が多数存在しており、ジェンダーバイアスによって女性進出が阻まれています。
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2006年より毎年発表している、教育、経済、保健、政治の4分野における、各国の男女格差を数値化する「ジェンダーギャップ指数」。2021年に発表された順位では、日本が156カ国のうち120位であることが内閣府・男女共同参画局「共同参画」2021年5月号で公表されており、IT業界における男女格差の解消や女性活躍の推進は急務と言えます。
2023.08.22 公開
東京・四谷にあるLINE本社。もともと面識のある2人は会議室で会うなり、すっかり市民権を得た「ChatGPT」の話題に。「AIにはあまり興味がなかった」とする比企氏ですが、ChatGPTの技術進化と社会への浸透のスピードにはかなり驚いているようです。自らの専門領域に照らしてChatGPTのすごさと怖さを、「チャット入力というUXの優秀さ」「BtoBとBtoCを本当の意味でボーダーレスにしてしまう可能性」の2つだと分析します。そんな話題を入り口にしながら、比企氏は「LINEが目指すDX」について解説を始めます。
2023.08.23 公開
株式会社ソニックガーデンの創業者・代表取締役で、株式会社クラシコムでは社外取締役を務める倉貫義人氏。10歳からプログラミングを始めた倉貫氏はずっとエンジニアとして活動し、中でもアジャイル開発に傾倒。1999年にはTIS株式会社でアジャイルの普及に貢献しました。その経験からソフトウエア開発会社としてソニックガーデンを起業し「納品のない受託開発」を提供しています。
倉貫氏は本書のタイトルにもなっている「人が増えても速くならない」というキーワードを掲げました。
「経営者の中には『人を増やせば生産が上がる』と考えている方もいますが、そうした考えに異を唱えたのが本書です。人を増やしただけでは生産性が上がらないことは、エンジニアにとっては周知の事実ですが、非エンジニアにとってはそうではありません。非エンジニアにこそ、新刊を手に取っていただきたいと思っています」
2023.08.23 公開
日本国内の人口は、2021年時点で1億2550万人、そのうち、65歳以上の人口は3621万人となっています。総人口に対する65歳以上の人口の割合で算出する高齢化率は28.9%となっています。
また、65歳以上人口一人当たりを支える64歳人口の数は2.1人ということです。1950年代には65歳以上人口一人当たりを支える64歳人口の数が12.1人だったことを考えると、70年かけて六分の一まで減少しているということになります。
少子化に改善が見られない中、2065年には高齢化率は38.4%、労働人口1.3人に当たり一人の65歳以上の高齢者を支える計算になります。
国民年金法が全面導入され、国民皆年金が実現したのが、1961年当時は労働人口11.2人で高齢者一人の人口を支えていたことを考えると、改めて、制度をどのように運用していくのが適切か、ということを考えさせられます。
今回は『漫然とした「アジャイル」は不要!? エンジニアの働き方をアップデートさせる新刊2冊の著者2人が交わす「アジャイルのこれから」』という記事を紹介させて頂きました。
記事中では、
・人が増えても早くならない
・自分で考える機会自体が消失している
を現在のエンジニアリング業界の課題として掲げていますが、業界に身を置く筆者にとってはとても共感できることで、大変感銘を受けました。
まず「人が増えても早くならない」ですが、製品開発において、人員の増員は、プロジェクトの立ち上げ期か、スケジュールがミートしそうになくなったタイミングで実施します。
製品開発の背景にはストーリーや文化があって、それまで積み上げてきた経緯も知っていないと、能動的な対処は難しく、急な増員は主戦力のパフォーマンスの低下させてしまいます。なので現場では、多少労力が増えようとも残業や休日出勤等で何とかで乗り切りたい・・、どのみち増員しても遅れるので、できればスケジュールを見直して欲しい・・が本音です。
倉貫義人氏の『人が増えても速くならない』でも述べているとうに、『早く作れるチームは作れる』という意識が今のエンジニアリング現場においては欠落しているのですが、これは非エンジニアの人が持つ人の流動性の考えと相反するため、筆者も過去に提案したものの、エンジニア人生において、思うように実施できませんでした。
次に『自分で考える機会自体が消失している』は年々増加し続けており、これは「エンジニアリングのハードルを下げる=非属人化」が招いていると思っています。ただ、製品開発において、『誰かが自分で考える』ことをしなくてはなりません。
自身が考えたことのうち、作業の部分のみ、他の人にやってもらうというプロセスが非エンジニアの観点だと簡単に成立すると思われがちという『これまでの仕事 これからの仕事』の著者の市谷聡啓氏の考えにも共感で、これを成立させるには、「自分で考える必要がないようにする=作業取扱説明書の作成が必要」と筆者は実感しています。
もはや『自分で考える機会自体が消失している』は『自分で考える』人の負担を大きくし、モチベーション低下の要因にまで発展してしまっています。
これらの問題は、DX(デジタルトランスフォーメーション)において、効率改善にのみフォーカスした結果とも感じており、要因の複雑化も年々進んでいるような気がしています。
それでは次回もみなさま、どうぞ「データのじかんNews」をよろしくお願いいたします!!
(畑中 一平)
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