とうとう12月に入りました。
今年は、コロナ禍以降控えられていた忘年会や各種会合が一気に再開し、街の雰囲気からも“久しぶりの師走らしさ”が戻ってきたように感じます。5年ぶりと言っても大げさではない、あのあわただしさが帰ってきましたね。
一方で、世間ではインフルエンザが猛威を振るっているとのこと。外に出る機会が増える時期だからこそ、どうか体調管理にはお気をつけください。
それではまず、今回紹介する記事をダイジェストで紹介します!!
「山手線は混雑している」。多くの人が抱くこの印象は、実際どこまで正しいのか——。本記事では、国交省の混雑率データでは把握しきれない“日中の実態”に焦点を当て、JR東日本アプリの混雑度データを用いて、平日・土休日の山手線を調査しました。調査から見えてきたのは、山手線は時間帯や区間により混雑度が大きく変動するという事実です。品川→渋谷間のように「肩が触れ合う程度」の区間がある一方、13時過ぎの高輪ゲートウェイ→品川間のように「座席に座れる程度」の車両も存在します。それでも「山手線は混雑している」という印象が強い背景には、品川発の外回りに利用者が集中しやすい構造があります。本記事では、ローカルデータが示す“山手線の真の姿”に迫ります。 (・・詳しくはこちらへ)
東京大学大学院理学系研究科教授の合田圭介氏は、光量子科学・ナノテクノロジー・情報科学を融合した世界的な先端研究を推進する一方で、日本の科学研究を支える資金調達やマネジメント体制に潜む構造的な課題を鋭く指摘しています。2025年5月には、合田氏をはじめとする研究者138名による提言が『Nature』誌に掲載され、柔軟性と長期性を兼ね備えた研究助成の必要性が改めて訴えられました。後編では、合田氏の活動や提言を手がかりに、日本の科学・技術・イノベーションを取り巻く諸問題と、その未来に向けた解決の方向性を探ります。
※本記事の取材は2025年9月末、ノーベル賞受賞者発表前に実施したものです。
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土曜日の昼下がり、同じ駅で待ち合わせ、同じ景色を見て、夜はそれぞれの家に帰る・・・。形式よりも「心地よさ」を優先する、そんなパートナーのかたちが静かに広がっています。シニアの間で語られる「ラスパ(ラストパートナー)」とは、入籍に限らず、事実婚・別居婚・週末婚など、多様なライフスタイルを許容する“人生後半の伴走者”のこと。背景には、高齢化の進行や熟年離婚の高止まり、そしてオンライン・オフライン双方で出会いの場が豊かになってきたことがあります。本稿では、ラスパの意味、広がりを支えるデータ、関連市場の現在地とビジネス機会をやさしく解説します。 (・・詳しくはこちらへ)
創造性は“ワクワク”から生まれる——。その核心に迫るのが、今回の【フルスタックビジネスパーソンの道】#02です。「UpdataTV」は、“データでビジネスをアップデートする”をテーマに、変革に挑むビジネスパーソンが集う“変革のターミナル”のような動画チャンネルです。成功体験がない、仲間がいない、どこを目指せばいいかわからない——そんな時に立ち寄れば、道しるべとなる実践知や、共に飛び立つ仲間と出会える“新しい居場所”として機能しています。その中の対談シリーズ「フルスタックビジネスパーソンの道」は、専門性・領域・立場の壁を越え、創造性を支える共通原理を探る探究型の企画です。本記事では、第2回となる「災害教育はイノベーション教育だ——創造性と“戦略の副作用”を読み解く」の内容を記事として再構成し、動画と合わせてより深い学びを得られる形でお届けします。 (・・詳しくはこちらへ)
こんにちは。データのじかん編集部です。2025年、自動車産業はこれまでにない複合的な転換点にあります。EVシフト、AIの進展、SDV(Software Defined Vehicle)の台頭。“移動”は単なる交通の話題を超え、都市デザイン、働き方、消費行動、産業構造にまで影響を与える領域へと広がりつつあります。そんな変革期のただ中で、モビリティを軸に2025年を総括し、2026年以降の社会実装を展望するイベントが2025年12月4日(木)に開催される「Mobility X Bay」です。都市開発、モビリティ企業、エネルギー政策、ジャーナリズムなど多様な領域を横断する専門家が集い、横浜ベイエリアから“都市と産業の未来”を描きます。この記事では、まず、どんな論点が語られるのか(議論のテーマ)を整理し、その後に、誰が語るのか(登壇者) を紹介する構成でお届けします。 (・・詳しくはこちらへ)
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2025.11.21 公開
「山手線はいつも混んでいる」。多くの人が抱くこのイメージは、どこまで実態を反映しているのでしょうか。本記事では、国交省の混雑率データでは捉えきれない“日中・土休日の山手線”に焦点を当て、JR東日本アプリの混雑度データを用いて実際の状況を検証しています。
朝ラッシュの最混雑区間しか対象にしない国交省のデータでは、日中の混み具合は把握できません。一方、JR東日本アプリで公開されている「列車ごとの混雑度」は、リアルタイムの状況がわかり、日中の山手線を読み解く手がかりとなります。しかし、過去の実績データが廃止された今、山手線の全体像を掴むのは意外と難しいのが現状です。
記事では、9月下旬の平日・土休日の同時刻(午前11時20分)で外回りの混雑度を比較し、東京メトロ副都心線のデータとも照らし合わせています。品川→渋谷間のように「肩が触れ合う程度」(混雑度4)となる区間がある一方で、高輪ゲートウェイ→品川間のように「座席に座れる程度」(混雑度1)の区間もあり、山手線の日中の混雑は“区間差が大きい”ことが明らかになります。
2025.11.25 公開
日本の科学研究は、長年指摘されてきた構造的な課題がついに表面化しています。2025年5月、東京大学・合田圭介教授ら138名による提言がNature誌に掲載され、短期成果偏重のファンディング体制が基盤研究を弱体化させている現状に警鐘を鳴らしました。ノーベル賞受賞者・北川進氏も同様の問題を指摘しており、日本の研究力低下はもはや個別研究室の問題ではなく、国家的な課題として認識されつつあります。
合田研究室は、異分野融合やボトムアップ型マネジメントにより「セレンディピティ」を計画的に生み出す実践を続けていますが、本人が述べる通り「セレンディピティを支援する枠組みが日本には存在しない」ことが最大の制約となっています。日米欧中のファンディング比較でも、日本は金額・時間スケールともに見劣りし、財団の弱さや政治的コストの高さが研究者の挑戦を阻む要因になっています。
研究室運営においても、PIのマネジメント能力が評価されないという制度的不備が深刻です。米国トップ大学が「実績あるPIをヘッドハントし、予算を与えて育てる」体系を持つ一方で、日本は優秀な研究者が管理者としても優秀とは限らない現実を制度的にカバーできていません。
2025.11.29 公開
シニア層の価値観が大きく変わりつつあります。その象徴が「ラスパ(ラストパートナー)」という概念です。結婚にこだわらず、事実婚・別居婚・週末婚など、多様な関係性を自分たちで設計する考え方で、2024–2025年の注目トレンドとして取り上げられています。高齢化が進み、75歳以上が65~74歳を上回る人口構造へ移行するなか、人生後半の過ごし方そのものが社会テーマになってきました。
一方で、熟年離婚の割合は2022年に23.5%と過去最高を更新。多くの夫婦が「長年の関係を見直す」段階に入り、シニアが新たな人間関係を求める背景にもなっています。こうした変化が、結婚か否かの二択ではなく、“二人の最適解をつくる”という柔軟な発想を後押ししています。
出会いの場も大きく変化しています。50~79歳の独身層ではマッチングアプリの利用が最多で、SNSとの併用も進んでいます。オフラインでは、シニア婚活バスツアーのような体験型イベントが人気を集め、ダンスやディスコなど安心設計の交流イベントも増加。日中開催・少人数・スタッフ同伴といった設計が参加ハードルを下げています。
2025.11.28 公開
「創造性はワクワクから生まれる」——。本記事は、UpdataTVの対談シリーズ【フルスタックビジネスパーソンの道】#02「災害教育はイノベーション教育だ」をもとに、阪井和男先生(明治大学サービス創新研究所 所長・名誉教授)が語る“創造性の正体”を再構成したものです。専門性や立場を越え、創造性を支える共通原理を探る本シリーズの中でも、今回の対話は「戦略」「倫理」「災害教育」という多様なテーマを横断しながら、創造の核心に迫ります。
阪井先生はまず、創造性は知識やスキルの産物ではなく、“ワクワクしながら仲間と議論するプロセス”から生まれると語ります。徹夜で研究に没頭した大学院時代の原体験や、対話によって問題が解ける「集合知」のエピソードから、創造の源泉がいかに情動とコミュニケーションに根差しているかを示します。
続いて議論は「戦略の副作用」へ。戦略が過剰に現場へ介入すると創造性が止まる——。プロ野球のオーナーと監督の比喩や、「木のアナロジー」によって、短期成果を求める戦略が土壌づくりを阻害する構造が浮き彫りになります。局所的な正義が全体の非倫理に転化する危険性にも触れ、創造性と倫理が不可分であることが提示されます。
さらに話題は「災害教育」へと展開。災害という“めったに起こらない不確実性”に備える学びは、まさにイノベーション教育であり、リベラルアーツの本質だと阪井先生は言います。自分の当たり前を問い直し、異なる視点を受け入れる想像力こそが、組織や社会のレジリエンスを高める鍵になるのです。
2025.11.26 公開
2025年、自動車産業と都市の関係性は大きな転換点を迎えています。EVシフト、AI、SDVといった技術革新により、“移動”は交通領域を超えて都市戦略そのものを左右するテーマへと広がりました。こうした潮流を踏まえ、2025年12月4日に開催される「Mobility X Bay」では、モビリティを起点に2025年を総括し、2026年以降の社会実装を展望します。都市開発、企業戦略、エネルギー政策など、多様な領域の専門家が横浜ベイエリアに集い、都市と産業の未来を多角的に語ります。
議論の焦点となるのが、都市型モビリティとSDVがもたらす構造変化です。マイクロモビリティや都市MaaSは、人の動き方や街の使われ方まで変え始めています。一方でSDVは、自動車の価値の中心を“モノ”から“ソフト・データ”へと移し、産業構造の重心を揺るがす存在になりました。これらの二つの変革が重なることで、交通・商業・行政の連携や都市空間の再設計が、これまで以上に重要なテーマとなっています。
登壇者には、都市戦略、エネルギー政策、自動車産業、ジャーナリズムの最前線で実務を担う人物が並びます。現場で判断し、プロジェクトを動かしてきた当事者が語る内容は、単なる概論を超えた実践知として読者に多くの示唆を与えるはずです。
モビリティが都市を変え、産業を変え、人の行動を変える——。2025年の動きを俯瞰すると、この変化は単なる技術アップデートではなく、社会構造を揺さぶる地殻変動そのものです。「Mobility X Bay」は、その変化を正しく捉え、次の一歩を考えるための貴重な場になるでしょう。
今回は『山手線は本当に混雑しているの?意外と計測が難しいのに「いつも満員」という言説は、なぜ生まれるのか』という記事を紹介させて頂きました。
この記事を読みながら、ふと昔の山手線を思い出しました。昭和生まれの筆者にとって、あの頃の通勤ラッシュは今とは比べものにならないほど過酷でした。駅員さんが全力で乗客を押し込み、何とかドアを閉める——そんな光景が、毎朝の“儀式”のように続いていたのです。
当時はフレックスタイムなどほとんどなく、多くの会社が9時始業・18時終業。都市が“同じリズム”で動いていたため、人が一斉に駅へ押し寄せ、混雑が避けようもありませんでした。あのぎゅうぎゅう詰めの車内の空気は、今思えば、時代そのものの息苦しさも映し出していた気がします。
それが、コロナ禍を経てリモートワークが広がり、働き方も通勤も一変しました。限界が見えていた交通インフラの負荷も、結果として少しやわらぎました。毎日あの満員電車に乗らなくても働ける時代が来るなんて、あの頃の自分には想像もできませんでした。
学校へ通う子どもも、会社に向かう大人も、「移動すること」だけで大きな体力を使っていた時代。その記憶を思い返しながら、社会は気づかないうちに変わり続けているのだと改めて感じます。
技術が進み、働き方が変わり、人々の生活を取り巻く環境も少しずつ改善されてきました。派手ではなくとも、確実に。
あのぎゅうぎゅう詰めの山手線を知る世代として、社会が少しずつ“より良い方向へ”進み続けていることを、静かに実感しています。
それでは次回も「データのじかんNews」をよろしくお願いします!

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(畑中 一平)
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