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目的別、IoTにまつわる3つの資格 受験料、受験期間、注目のポイントは?

         

IoT(モノのインターネット)への注目度の高まりとともに、そのために役立つ資格への需要も高まっています。就職や転職で有利に働く資格ですが、試験を通してしかるべきスキルや知識を身につけることがその本義でしょう。

この記事では、IoTにまつわる資格試験を3つ厳選し、どの資格を目指すべきか判断できるよう詳細に解説いたします!

【1】幅広く基礎知識が得られる「IoT検定」

IoT検定は2016年5月にスタートしたIoTにまつわる全般的な知識を測るための民間の資格試験です。

その試験内容は、IoT構築における技術的な知識を問う問題・マネジメントや法律といったIoTの活用に当たって必要な知識を問う問題の2種類で構成されています。

経営・法務・エンジニアリングなどさまざまな目線でIoTについて語る際、最低限必要な知識を身につけるには最適な試験といえるでしょう。

また、難易度は高くなくまだ発展途上の資格です。実際、2020年9月現在時点で4段階ある検定レベルのうち、上位2つ(レベル2・レベル3)はまだ準備中という状態。現在受験することができるのはユーザー向けのパワー・ユーザーとプロフェッショナル向け第一段階のレベル1試験だけです。

試験は通年で実施されており、専用のページから最寄りのテストセンターを選んで申し込むことができます。

まずIoTについて勉強するための指標をつくり、基本的な点について話ができるだけの知識を身につけたいという方におすすめです。
試験問題例は日経XTECHのサイトで数問公開されているため、気になる方は一度確認してみてください。

【基本情報】

公式サイト http://www.iotcert.org/
申し込み先 http://it.prometric-jp.com/testlist/iot/index.html
受験料・試験時間 ■IoT検定ユーザー試験パワー・ユーザー:8,800円・40分+アンケート
■IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ:11,000円(10%消費税込)・60分
受験期間 通年

【2】IoT技術に特化した「IoTシステム技術検定」

IoT検定と同じくIoTに特化した民間の資格試験で、2016年12月にスタートしました。
そのIoT検定との違いは、その名に「技術」と含まれている通りIoTシステムの構築に必要な実務的知識を専門に問う検定であるということです。

現在、基礎(IoTアドバイザ)、中級(IOTエキスパート)、上級(IoTプロフェショナル)の3段階すべての試験がうけられることもあり、IoT技術者としてスキルをアップさせたい方はこちらを受験するのがおすすめです。

サンプル問題が公式からPDFにて配布されているのでまずはそちらをご覧になってみてください。

基礎 → https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/pdf/kisosample.pdf
中級 → https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/pdf/sample.pdf

運営元のMCPCはスマホなどのモバイル技術に特化した「モバイルシステム技術検定」も主宰しており、そちらもIoTにまつわる通信システムについてより深く学びたい方には役立つかもしれません。

【基本情報】

公式サイト https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/index.html
申し込み先 https://tc.jjstc.com/mcpc/
受験料・試験時間 ■基礎:11,000円・60分
■中級:15,400円・90分
■上級:55,000円・1.5日+3時間(専門技術講習1.5日と論述式試験3時間)
受験期間 年2回(基礎・中級は同日)

【3】電気通信設備工事全般にまつわる国家資格、「工事担任者/情報通信エンジニア」

ここまではIoTシステム構築やIoT活用のための広範な知識を問う民間の資格を紹介してきました。ここで、電気通信設備工事の技術を認定する国家資格、工事担任者とその情報通信・ネットワーク分野における知識のアップデートを認定する情報通信エンジニアについて取り扱います。

工事担任者は電気通信回線と端末設備等を接続するために必要とされる資格で、アナログ電話回線やISDN回線への接続工事を扱うAI種と光ファイバやADSLへの接続工事を扱うDD種、その両方を兼ねたAI・DD総合種に分かれています。AI種・DD種ともに3段階に種目が分かれており、全国の主要都市に設置された会場で受験することができます。

日々進歩するICT環境に合わせて、工事担任者が取得すべきとされるスキルはアップデートされ続けています。そこで「最新のブロードバンド・IPネットワークの知識・技術の保持者であることを証明するための認定資格(※)」として「情報通信エンジニア」が2005年に設けられました。

※…引用元:工事担任者スキルアップガイドライン(2019年度版)┃工事担任者スキルアップガイドライン委員会

IoTに限らず電気通信技術全般の知識について問われるためハードルが高く感じられますが、国家資格であり通信網構築に置けるさまざまな権限が与えられる工事担任者/情報通信エンジニアの資格には大きな意味があることは確かです。

試験内容はコチラのリンクから確認することができます。

【基本情報】

公式サイト https://www.shiken.dekyo.or.jp/charge/index.html
申し込み先 https://www.shiken.dekyo.or.jp/shiken/receipt.php?menu_mode=2
受験料・試験時間 8.700円(共通・全科目免除者は5,600円)
■AI・DD総合種:1科目受験者<技術以外>40分/<技術のみ>80分、2科目受験者<技術以外>80分/<技術のみ>120分、3科目受験者150分
■AI・DD総合種以外(※):1科目受験者40分、3科目受験者80分、3科目受験者120分
※…開始時間は受験種目によって異なる
受験期間 年2回(5月・11月)

終わりに

IoTにまつわる3つの資格試験「IoT検定」「IoTシステム技術検定」「工事担任者/情報通信エンジニア」について、初学者がそれぞれの違いを理解し、どれが自分に適しているか判断できるようにご説明しました。

まとめると、IoT検定はIoTについて幅広く知りたいユーザー・エンジニア向け、IoTシステム技術検定はIoT専門の知識・スキルを伸ばしたいエンジニア向け、工事担任者/情報通信エンジニアはIoTシステム構築に実際的に携わり仕事の幅を広げたい方向けといえそうです。

ぜひ、資格を上手に利用して、IoTを成果につなげられる学びを深めていってください!

(宮田文机)

 

参照元

工事担任者スキルアップガイドライン(2019年度版)┃工事担任者スキルアップガイドライン委員会
・情報通信エンジニアパンフレット┃日本データ通信協会
・IoT検定ユーザー教育推進ワーキンググループ『図解即戦力 IoTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 IoT検定パワーユーザー対応版 (日本語) 単行本』2020、技術評論社

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