岡山県は、南部には、穏やかな瀬戸内海とそこに浮かぶ多くの島々、県北部には緑豊かな山々と、美しい自然を形成した海も山も川もある豊かな自然に溢れた地域です。
南は瀬戸内海をはさんで四国に、北は山陰地方に、東は兵庫県、西は広島県に接していることから、中四国地方の交通の要衝として重要な役割を担っており、北部に中国自動車道、南部に山陽自動車道が東西に、さらに山陰と四国をつなぐ米子自動車道・岡山自動車道、瀬戸大橋を繋ぐ瀬戸中央自動車道、山陽新幹線をはじめJR岡山駅から東西南北に7本の在来線が交わる鉄道網などが敷かれています。
また岡山県は降水量1mm未満の日数が全国1位で、「晴れの国」と呼ばれるほど、晴れの日が多く、南は海抜0mの瀬戸内海での海水浴、北は関西の軽井沢と呼ばれる標高500m超の蒜山高原での夏の避暑、冬のスキー、全国的に有名な美作三湯と呼ばれる3つの有名な温泉地など、四季折々の地域の特色、さまざまな気候でレジャーが楽しめます。
そんな岡山県は、県のデジタル推進課を中心に、
といった施策で、県民の利便性の向上を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。
【引用元】岡山県 デジタル推進課
中国地方に本店を置く企業1533社を対象に実施された帝国データバンクの「中国地方 DX推進に関する企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の12.3%で全国平均の15.7%を3.4%下回っています。
また「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」、「言葉の意味を理解し、取り組 みたいと思っている」の回答の合計は36.3%と全国平均の41.4%を5.1%下回っており、“DXへの前向きさ”といった観点では、やや低い水準に位置しています。
No | 回答 | 結果 |
1 | 言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる | 12.3% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 24.0% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 33.8% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 11.7% |
5 | 言葉も知らない | 7.8% |
6 | 分からない | 10.4% |
さらに「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別で見比べると、
といずれも全国平均の下回っており、企業規模を問わず、地域全体のDXへの消極さがこの地域の課題と言えます。
次に「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
といった結果を示しており、農業振興地域、交通の要衝といった地域で重要な主幹産業であることから、農・林・水産、運輸・倉庫の業界は他の地域よりDXが進んでいることを示しています。
【引用元】中国地方 DX推進に関する企業の意識調査 | 帝国データバンク[TDB]
人口 | 1,870,279人(2022年2月時点) | |
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面積 | 7,114 km² | |
自治体数 | 27 | |
県内総生産 | 7兆5,462億円(2018年) | |
産業 | 農業 | 2018年の農業産出額は全国23位の1,401億円。主な農畜産物の生産量は、マッシュルームが全国2位、とうがんが全国3位、鶏卵、ぶどう、二条大麦が全国4位、ももが全国6位、れんこんが全国7位。県南部では、施設を利用した果樹、野菜、花き等の園芸作物、平坦地の水田を利用した米、麦等、れんこんの土地利用型作物の栽培が行われている。県中北部では、酪農・肉用牛等の畜産、中山間の水田を利用した米作のほか、野菜、果樹、花きの栽培が行われている。県北部の蒜山地域はジャージー牛の乳牛の産地として有名。県内各地で栽培されている清水白桃、マスカット、ピオーネは世界に通じる「岡山ブランド」としての確立を目指している。 |
林業 | 2018年の林業産出額は全国26位の58.8億円。主な生産物は、素材のひのきと木質粒状燃料が全国1位、乾きくらげ類が全国8位。林業経営体数は全国7位の3,004経営体と林業は盛ん。岡山県は、条例に基づき、「岡山県県産材利用促進指針」を策定し、その後の森林、林業、木材産業及び木材の利用を取り巻く社会経済情勢の変化に応じて、おおむね5年ごとに見直しながら、市町村や林業・木材産業などの関係団体と連携して、県産材のより一層の利用促進に取り組んでいる。 | |
水産業 | 2017年の海面漁業・養殖業産出額は全国35位の76億円。漁獲量は海面漁業では、かき類が全国3位、内水面漁業では、ふなが全国1位、うなぎが全国2位、内水面養殖業ではうなぎが全国13位。水産物直売所の年間販売金額が9.2億円の全国第13位と漁業生産関連事業は活発。穏やかな瀬戸内海に面した岡山県は、海面養殖業が盛んなため、かき、のりなどが漁業生産量の88%を占めているが、しらす、まだい、えび類、たこ類、かれいなどの漁獲量も多い。 | |
製造業 | 2019年の製造品出荷額等は全国15位の7兆7,041億円。瀬戸内海地域の中心にあたる倉敷市には水島臨海工業地帯があり、鉄鋼においては、JFEスチール西日本製鉄所倉敷地区、東京製鐵岡山工場など、石油精製・化学においては、ガソリン・ナフサ等を生産する製油所、各種石油化学製品の生産工場、自動車関連では、三菱自動車工業の完成車組立工場である水島製作所や自動車部品メーカーなど、が集積している。製造品出荷額等の最も多い産業は、石油製品・石炭製品1兆2,071億15百万円(構成比15.7%)で、次いで、化学工業1兆1,018億5百万円(同14.3%)、輸送用機械器具1兆47億77百万円(同 13.0%)、鉄鋼業9,562億3百万円(同 12.4%)の順 | |
商業 | 2016年の卸売・小売業の年間商品販売額は全国19位の5兆3,570億円。2014年の卸売業の年間商品販売額の産業小分類別の内訳は、「食料・飲料卸売業」が4,108億52百万円(構成比15.2%)と最も多く、次いで「医薬品・化粧品等卸売業」の2,899億73百万円(同 10.7%)、「農畜産物・水産物卸売業」の2,812億6百万円(同10.4%)に次ぐ。2014年の小売業の年間商品販売額の産業小分類別の内訳は、「各種食料品小売業」が2,875億5百万円(同15.4%)と最も多く、次いで「燃料小売業」が2,792億62百万円(同14.9%)、「自動車小売業」が2,383億93百万円(同12.8%)、「その他の飲食料品」が1,668億54百万円(同8.9%)となっており、これら4産業で小売業全体の5割強を占めている。 | |
エネルギー | 2016年の電力消費量は全国14位の187億kWh。このうち、産業部門の電力消費量が約5割を占めている。岡山県は、新エネルギー・温暖化対策室を設置し、省エネ、カーボンニュートラル、再生可能エネルギーの導入等の施策を進めており、エネルギー効率の向上やデジタル技術の活用、事業再構築、新事業展開・新分野進出等の生産性向上に向けた意欲的な取組を行う県内中小企業を県は支援している。また市民向けに、太陽光発電システム、太陽熱利用システム、蓄電池の導入に対し補助金を交付しており、公共施設にも再生可能エネルギーを積極的に導入している。 | |
企業 | 上場企業 | 22社 |
事業所 | 94,081事業所(2019年) |
農業、水産業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また個人・中小企業の単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 岡山県 |
プロジェクト・サービス名 | 岡山県DX推進指針 |
活動・事業概要 | デジタル化自体を目的とすることなく、デジタル技術やデータを活用し、地域経済や県民生活に活力を生み出すことを真の目的として、これまでの概念にとらわれず、従来の県庁の仕組みや仕事の進め方について県民視点で見直しを行い、新たな価値を創造することで、行政のデジタル化を推進し、“すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現”を目指す。 |
支援・取り組み内容 |
〇情報システムの標準化・共通化 ・国の策定する標準仕様に準拠したシステムへの移行 ・他団体との共同利用やパッケージ製品の導入によるコスト低減の検討 〇マイナンバーカードの普及促進 ・市町村と連携し、出張申請受付の促進など申請しやすい環境の整備 ・電子申請の拡大など保有するメリットの創出 ・マイナンバーカードの利便性や安全性に関する広報・啓発 〇行政手続のオンライン化 ・令和3年度中に約800手続まで対象手続を拡大 ・電子化が困難な課題を整理し、オンライン化対象手続を拡大 ・キャッシュレス決済の多様化 〇AI・RPA等のICTツール利用推進 ・AI・RPAの利用拡大、ビジネスチャットの導入等による業務効率化 ・先進的なウェブサービス等の活用による県民サービスの向上 〇テレワークの推進 ・テレワークの制度化の検討 ・Web会議の利用拡大、庁内電話環境の整備、文書事務の電子化等によるテレワーク可能な環境の確立 〇セキュリティ対策の徹底 ・セキュリティポリシーの見直しやインターネット利用環境の改善等 〇地域社会のデジタル化 ・情報通信基盤の整備が進展する中、産業分野やくらし分野等において、デジタル技術やデータを活用した各部局の施策・取組等を通じ、地域社会のデジタル化を推進 〇デジタルデバイド対策 ・利用者目線でのわかりやすい情報発信 ・高齢者等がデジタル機器の取扱いを学ぶ機会の提供などを行う市町村の支援 ・光ファイバーの整備促進 〇BPRの徹底 ・ICT導入を前提とした業務フローの見直し、事務の最適化 ・ペーパーレス会議や文書事務の電子化による業務効率化 〇オープンデータの推進 ・民間・利用者ニーズに基づくオープンデータの提供拡大 |
設立・運営開始日 | 2021年11月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 岡山県総務部デジタル推進課デジタル推進班 |
公式サイト | 岡山県DX推進指針 |
運営者名 | 岡山県商工会議所連合会 |
プロジェクト・サービス名 | おかやまDX応援隊 |
活動・事業概要 | デジタル化・IT活用に係る課題をお持ちの中小・小規模事業者の支援を目的としたマッチングサイトの運営。 |
支援・取り組み内容 |
岡山県内12商工会議所会員のIT関連事業者を目的、ITツール、対応業種でマッチング 〇目的別: お客様・取引先を増やしたい、仕入や在庫の管理をしたい、決済や請求をしたい、経営やお金の把握をしたい、人の管理をしたい、情報セキュリティを強化したい、その他のITツールを使いたい など 〇ITツール別: 予約・コミュニケーション、販売・店頭、決済、顧客管理、人事シフト、受発注、原価管理、財務・会計管理、給与、情報セキュリティ、ホームページ制作、その他ITツール 〇対応業種別: すべての業種対応、飲食業、宿泊業、小売業、卸売業、生活関連サービス業(理美容他)、製造業、建設業、運輸業、その他業種 〇補助金対応: IT補助金対応、ものづくり補助金、その他補助金対応 〇所属会議所別: 岡山、倉敷、津山、玉島、玉野、児島、笠岡、井原、備前、高梁、総社、新見 |
設立・運営開始日 | 2021年9月30日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 岡山県総務部デジタル推進課デジタル推進班 |
公式サイト | おかやまDX応援隊 |
運営者名 | 株式会社シーアールホールディング |
プロジェクト・サービス名 | DX事業 |
活動・事業概要 | デジタル技術を浸透させ、「人を繋ぎ、心豊かな生活へ変革させること」をビジョンとしたDXをサポート。単なる、IT技術の活用だけではではなく、働き方改革の中で、ビジネスモデルをつくり、ツールがあるから使うではなく、経営志向で行うことで「事業開発」「ビジネスモデル改革」「効率経営」の実現をサポート |
支援・取り組み内容 |
DXの実現を目的とした以下のサービスの提供 ・RPA管理ソリューション ・帳票仕分ソリューション ・AIチャットボット ・画像認識AI サービス ・各社RPA製品 ・アプリケーション開発基盤 ・機械学習・数理統計 ・統合基幹業務システム |
設立・運営開始日 | 1968年7月30日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | 株式会社シーアールホールディング DX事業 |
運営者名 | 真庭市 |
プロジェクト・サービス名 | 真庭市dX戦略計画 |
活動・事業概要 | 「真庭ライフスタイル」を実現に向けた「地域」、「経済」、「行政」の各分野でDXに取り組むための戦略計画。 |
支援・取り組み内容 |
〇地域dX ・デジタル技術の活用や新たな支援の仕組みの構築 ・GIGAスクール構想など子どもたち一人ひとりに個別最適化された情報通信環境の充実 ・様々なデータを活用したスマートヘルスケアの推進 ・伝統文化の継承、担い手の育成や地域コミュニティの強化 ・地域交通や通信などの生活インフラにおいてデジタル技術の活用を推進したスマートビレッジの形成 ・災害発生時のより効率的な情報共有 〇経済dX ・市内のキャッシュレス環境の整備 ・まちづくりへの参画や地域貢献のポイント化による地域活動と経済活動の連携と循環を進める仕組の構築 ・地域資源を活用した人・企業・研究機関のつながりの構築 ・熟年者、女性、障がい者、外国人などを対象とした多様な働き方の推進 ・真庭でのリモートワーク、ワーケーション、ブレジャーなどの推進による関係人口の創出 ・農林畜産物や景観、文化、伝統などの地域資源を組み合わせ観光地域の整備 ・スマート農林業の推進 〇行政dX ・AI、RPA、ビッグデータなどの技術的進展を踏まえた情報のデータ化、ICT化 ・データのオープン化とデータに基づく政策形成 ・窓口手続の簡素化、オンライン相談窓口の設置 ・公金納付のキャッシュレス化、マイナンバーカードの活用、普及 ・情報管理体制の運用強化及び専門知識を持った外部人材の活用 ・dXやデジタル・ガバメント推進のための職員意識の変革や個々のデジタルリテラシーの向上 ・高度化、複雑化する脅威から市民情報を守るためのセキュリティの強化 ・行政システムの標準化・統一化、パブリッククラウドの活用 ・ICTコストの削減とともに利用環境の変容 |
設立・運営開始日 | 2021年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 総合政策課dX推進室 |
公式サイト | 真庭市dX戦略計画 |
運営者名 | 備前市 |
プロジェクト・サービス名 | 備前市スマート自治体戦略 |
活動・事業概要 | Society5.0(超スマート社会)の到来に伴い、AIやIoT、RPA等の技術革新が加速し、社会に大きな影響を与え、災害リスクの高まりや老朽化したインフラの増加など顕在化している課題に加え、新型コロナウイルス感染症対策に伴う行政サービスのデジタル化の遅れといった新たな課題に対応し、効率的に市民サービスを提供できるスマート自治体への転換を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進。 |
支援・取り組み内容 |
〇行政手続のオンライン化 ・各種申請手続のオンライン化(ぴったりサービス) ・各種申請手続のオンライン化(ぴったりサービス以外) ・窓口でのタブレット端末の活用 ・書かない窓口の検討 ・マイナンバーカードの普及促進 〇市役所のデジタル化 ・AIの利用拡充(音声のテキスト化を含む) ・RPA の利用拡充 ・ペーパーレス化の推進(起案文書のデジタル化) ・ペーパーレス化の推進(添付文書の削減) ・ペーパーレス化の推進(契約書のデジタル化) ・テレワークの推進 ・フリーアドレスの導入 ・総合案内のデジタル化 ・システムの標準化・共通化 ・デジタル人材の確保・育成(システム構築・管理の内製化) 〇データ利活用環境の整備 ・行政データの利活用 ・EBPM(証拠に基づく政策立案) ・情報セキュリティ対策の強化 〇デジタルデバイド対策 ・PC・スマートフォン講座 ・リモート窓口の検討 〇地域社会のデジタル化 ・地域ポイント制度 ・医療ビッグデータ解析 ・健康増進・健康管理・介護予防 ・デジタル化推進の基盤整備 ・デマンド型地域交通の利用・MaaS ・遠隔授業 ・国際姉妹都市との異文化交流教育 ・重要文化財等のデジタルアーカイブ ・ひなせうみラボの海洋学習の VR 体験 ・電子回覧板アプリによる情報共有 ・行政情報等の多言語化 ・オンラインコミュニティ(オンラインサロン) ・ICT の活用による遠隔医療 ・ドローンを利用した医薬品配送 ・医療ビッグデータ解析(再掲) ・健康増進・健康管理・介護予防 ・観光マーケティングデータ解析 ・備前焼の魅力発信 ・キャッシュレス決済 ・地域ポイント制度 ・海の水質データ解析 ・デジタル化推進の基盤整備 ・道路・橋りょう劣化診断 ・災害発生時の情報発信 ・デマンド型地域交通の利用・MaaS ・ごみ減量やリサイクルの推進 ・ゼロカーボン |
設立・運営開始日 | 2022年4月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | デジタル推進課 |
公式サイト | 備前市スマート自治体戦略 |
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