埼玉県は県内総生産(実費)が22兆7,394億円(2018年)にも及ぶ、全国第5位で世界40位相当の経済地域です。
卸売・小売業、サービス業、製造業の生産額が高く、また首都・東京のベットタウンとしての役割も担っていることから、埼玉県では、「県民」・「事業者」・「行政」を対象とした3つの共通施策と9つの共通施策から成る「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」に2021年3月から取り組んでいます。
全国2万3,826 社を対象に実施された帝国データバンクの「DX推進に関する企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の15.7%とかなり低く、そのうち「既存製品・サービスの高付加価値化」、「新規製品・サービスの創出」、「ビジネスモデルの変革」といった本格的なDXに進展している企業は、その1/3程度、即ち全体の僅か5%程度です。
DXで成果を得ている企業自体、極少数というのが今の日本の実態です。
No | 解答 | 結果 |
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1 | DXを理解し取り組んでいる | 15.7% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 25.7% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 31.6% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 13.3% |
5 | 言葉も知らない | 6.4% |
6 | 分からない | 7.3% |
さらに「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別に見比べると、
・大企業 : 28.6%
・中小企業 : 13.0%
・小規模企業 : 8.4%
と企業規模での格差が生じており、これは資金・人材の不足によるものと考えられます。
また大企業の多くは都市部に集中しているため、中小企業が主体の地方とでも格差が生じていると言えます。
次に「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
・金融 : 25.2%
・サービス(情報サービス含む) : 24.1%
・小売 : 15.7%
・製造 : 14.7%
・運輸・倉庫 : 14.0%
・不動産 : 13.0%
・農・林・水産 : 12.3%
・建設 : 11.4%
といった結果を示しており、ブルーカラー業種全般が低水準を示しています。
地域の主産業は、生産現場・現場作業が中心のブルーカラー業種が多く、またDX推進の遅れは、意識の欠如だけでなく、導入の難易度が高いことも要因として考えられます。
【引用元】DX推進に関する企業の意識調査 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
人口 | 7,336,455人(2022年1月時点) | |
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面積 | 3,798 km² | |
自治体数 | 63 | |
県内総生産 | 22兆7,394億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 |
2018年の農業産出額は1,758億円で全国第20位。 農業産出額の内訳は、野菜が47.4%、米が21.0%、畜産が14.8%、花きが9.1%で全国平均と比較すると野菜が占める割合が高い。 米麦・野菜・花植木・畜産等の各分野で埼玉農業の中心的な農業地帯を形成し、農産物直売所や観光農園も各地に展開。 さといも・ねぎ・うれんそう・まつな・ぶ・ブロッコリー(野菜)、パンジー、洋ラン、チューリップ、ゆり(花)などの産出額が多く、 ヨーロッパ野菜、かおりん・あまりん(いちご)、丸系八つ頭(さといも)、彩玉(日本なし)、ちちぶ山ルビー(ぶどう)、 狭山茶、彩のかがやき・彩のきずな(米)などは埼玉ならではの農産物。 |
林業 |
本県の森林面積は119,779ha(2016年度)で、県土面積の約3割を占める。 これらの森林に蓄えられた立木の材積(体積)は、戦後に植栽された人工林の成長に伴い長期的に増加してきており、 2016年度には3,460万m3 にまで蓄積。県産木材の供給量(素材生産量)は、1998年度は31,000 m3にまで低下していたが、 林業の機械化、路網の整備等の生産性向上の取組の成果により、2019年には97,000 m3にまで増加。 また、しいたけ等のきのこ類を主として、木炭、たけのこなど多岐にわたる特用林産物が生産されており、2019年のきのこ類の生産量は2,434t。 |
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水産業 |
海に面していない埼玉県の水産業は養殖業と河川漁業が中心。 2018年の養殖業の生産額は4億6,023万円であり、その73.7%に当たる3億3,926万円がキンギョ、ニシキゴイ等の観賞魚、 26.3%に当たる1億2,098万円がホンモロコ、ニジマス等の食用魚。 ホンモロコの養殖は、全国に先駆けて水田を利用した養殖技術を確立して普及を始めたものであり、 その生産額(4,571万円)、生産量(17t)で全国1位。河川漁業においては、釣りがレジャーとして定着しており、 漁協が放流など魚類の増殖や漁場管理を実施している。 埼玉県の魚類の放流金額は2,175万円であり、アユ、マス類及びフナが95.1%を占める。 |
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製造業 |
2019年の製造品出荷額等は13兆7,244億円。 2018年の中華めん、ビスケット類、干菓子、医薬品製剤(医薬部外品製剤をふくむ)の出荷額は全国1位。 「輸送用機械器具製造業」の2兆4,232億円(17.7%)が最も多く、以下「食料品製造業」の2兆408億円(14.9%)、 「化学工業」の1兆7,250億円(12.6%)に続く。 2020年6月1日現在の従業者4人以上の製造事業所数は1万461事業所で全国第3位。 「金属製品製造業」が1,695事業所(16.2%)と最も多く、以下「生産用機械器具製造業」の979事業所(9.4%)、 「プラスチック製品製造業(別掲を除く)」の862事業所(8.2%)の順。 |
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商業 |
2014年の商店数は全国7位、従業者数及び年間商品販売額同5位。 県内の中小企業事業者数の約77%が小売業・サービス業と商業の割合は大きいものの、 サービス産業の生産性は全国平均の約80%と水準の改善が課題。(2013年度埼玉県県民経済計算ほか) 商店街数は2001年のピーク時の約4分の3となり、微減傾向。 一方、2017年時点の大型店舗数は10年前に比し、17%増。2015年のインターネット販売の利用は10年前と比較して2.6倍と劇的に増加。 2015年の商店の利用調査では、ショッピングセンター等の大型店利用は約7割、商店街などの個店利用は5%に満たないため、 個店の活性化に行政は力を入れている。 |
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エネルギー |
日本で使用するエネルギーの約3%を埼玉県で消費。 そのため埼玉県では化石燃料に依存する大規模集中型の供給体制を改め、徹底したCO2削減、省エネルギー、 創エネルギーによる自立分散型のエネルギー社会の構築を目指している。 温室効果ガスを全く排出しない水素エネルギー、CO2を排出しない太陽光、風力、水力、地中熱、 バイオマスなどの再生可能エネルギー、分散型エネルギー利活用設備導入などに取り組んでいる。 |
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企業 | 上場企業 | 75社 |
事業所 | 284,566事業所(2019年) |
農業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また商業においても個人店単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 公益財団法人 埼玉県産業振興公社 |
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プロジェクト・サービス名 | 埼玉県DX推進支援ネットワーク |
活動・事業概要 | 行政、経済団体、金融機関、支援機関で構成されたワンチームによる埼玉県内企業のデジタル化を進めるためのハンズオン支援 |
支援内容 |
・相談、専門家派遣、紹介 ・セミナー ・人材育成研修 ・資金的支援(補助金・税制) ・デジタルツール導入支援 ・その他の支援策(ワークショップや試作支援など) |
運営開始日 | ‐ |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | デジタル・技術支援グループ |
公式サイト | 埼玉県DX推進支援ネットワーク |
運営者名 | 川島市 |
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プロジェクト・サービス名 | DX推進計画 |
活動・事業概要 |
デジタル化に向けた中期的な方向性やその具体策をまとめ、最適なスキームでデジタル・トランスフォーメーションを実現するための「川島町DX推進計画(仮称)」を策定。 ・庁内の既存業務の現況調査 ・既存システムの機能概要調査 ・DX推進計画案の作成 ・計画策定等に向けた会議等への出席及び運営支援 ・効果検証を踏まえた報告書の作成 |
支援内容 | 具体的な支援内容が本計画で策定の見込み |
運営開始日 | ‐ |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 政策推進課 DX推進室 |
公式サイト | 川島町DX推進計画 |
運営者名 | さいたま商工会議所 |
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プロジェクト・サービス名 | IT導入・デジタル化支援 |
活動・事業概要 | さいたま商工会議所の会員事業所をはじめとする市内の中小・小規模事業者のデジタル化の推進。経営課題の解決による持続的な発展と地域経済の活力の強化につながる活動の運営。 |
支援内容 |
・「ネットショップ開設」支援 ・PC出張サポート ・相談会・セミナー ・補助金 ・事例・関連情報の横展開 |
運営開始日 | 2004年4月1日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | IT導入・デジタル化支援|経営・創業|さいたま商工会議所 |
運営者名 | NPO法人埼玉ITコーディネータ |
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プロジェクト・サービス名 | IT経営の総合支援センター |
活動・事業概要 |
埼玉県およびその周辺地域の企業や自治体・団体等に対して、独立かつ中立の立場で以下の活動を実施
・経営戦略を含む戦略的情報化に関する施策の提言 ・経営戦略を含む戦略的情報化の支援 ・地域情報サービス基盤の整備・運営支援 ・情報化に関する人材育成 |
支援内容 |
・支援機関との連携セミナー実施 ・埼玉県地域情報化セミナー実施 ・中小企業経営者研修開催 ・情報化リーダー育成セミナー実施 ・企業のIT化を個別支援 ・自治体IT活用施策の企画支援・第三者評価 ・自治体情報システムのRFP作成・調達支援 ・支援機関との連携プロジェクト実施 など |
運営開始日 | 2005年5月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | – |
公式サイト | NPO法人 埼玉ITコーディネータ |
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