まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。ゴールデンなウィークも終焉を迎えましたが、データのじかんはその少し前からアップデート期間となっており、その影響もあり数週間ほどみなさまにお目にかからない期間が空いてしまっておりました。しかし、こうして僭越ながら戻ってまいりましたので、今週から再びよろしくお願いいたしたいと思っておる次第であります。
さて、インターネットというのもが爆誕して以来、気がつけばそれなりの時間が流れてしまっておりまして、先日もgooニュースが2025年6月18日でサービス終了となる、というお話に少し触れましたが、今回はそれよりもはるかに大きなインパクトを持つSkype終了のニュースについて取り上げてみたいと思います。Skypeと言えば、まだテキストチャットが全盛期だった2000年代前半頃に突如として出現し、当時はまだべらぼうに高額だった国際電話を無料化できる、という画期的すぎてそんないい話があるなんてない、そんなのは詐欺に違いない、とにわかには信じられないほどの衝撃を世界にもたらした前代未聞の他に類を見ない唯一無二のかけがえのないユニークな存在でありました。
若い人はそんなことを知る由もないとは思いますが、当時は普通に国番号と電話番号をダイアルして国際電話をかける方法よりも、プリペイドカードを使ってかける方法が比較的安価な方法として流通しており、留学生だったり、出稼ぎの人たちだったり、出張中の人だったりは当たり前のようにそれらのカードを買い求め、そんなに必要なのか疑わしいほどのおびただしい桁数のピンコードを電話で入力しては時計を気にしながら離れて暮らす家族たちと手短な会話を噛み締めるように味わったものでした。特に遠距離恋愛中の国際カップルは通話をして実際に声が聞けるのは誕生日とか記念日とかそういう特別な日だけ、ということも珍しくありませんでした。声を聞いただけで思わず泣き出すような映画のような場面もこの当時は割と頻繁に見受けられました。
ちょうどインターネットもキャズムを超え、各家庭に普及しつつある時期で、日本ではADSL回線なんかが契約件数を大幅に伸ばし始めた頃でありました。そしてインターネット回線を家に引ける環境のある人たち同士であれば、Skypeを使えばインターネット回線を介して無料で通話ができる、という「もしも夢ならずっと覚めないで!」と誰しもが願ったほど、そして今だにその当時のことを思い出すとうっかり興奮してしまうほど衝撃的なテクノロジーブレイクスルーだったのです。
そもそもSkypeという会社は2003年にエストニアの開発者ザフティ・ハインラ、プリート・カセサル、ヤーン・タリン、デンマークのヤヌス・フリース、スウェーデンのニクラス・ゼンストロムによって設立されました。最初はPC同士の通話のみが可能で、無料で音声通話ができる画期的すぎるサービスとして登場。Skypeという名称は「Sky Peer to Peer」=「空を介したP2P通信」の略だそうです。最初のバージョンは音声通話のみでしたが、2005年のバージョン2.0でビデオ通話機能が追加され、インターネット通話業界はひっくり返るほどの大興奮に包まれました。世界中の出稼ぎのお父さんは電話代を気にすることなく子供の姿を動画をじっくり見ることができるようになり、遠距離恋愛中の国際恋愛カップルはこれまで数ヶ月に一度だった電話が毎日のように、しかも動画付きでできる、というこれはまさにライフラインの次に大切と言っても過言ではないほど愛されてやまない重要な存在となりました。
そんな素晴らしすぎるサービスを提供していたSkypeですからもちろん順調にそして急速にユーザー数を獲得していき、2005年にeBayがSkypeを26億ドルで買収することになりました。その後も機能拡張が進み、Skypecast(最大100人の音声チャット)、Skype Find(ユーザー検索)、グループ通話、画面共有、ファイル送信など多彩な機能が追加されます。そしてそのわずか6年後、2011年にはマイクロソフトがSkypeを85億ドルで買収し、Windowsやスマートフォン、タブレットなど多様なプラットフォームに対応するようになりました。2012年にはMSN MessengerをSkypeに統合し、世界中で数億人が利用する主要なコミュニケーション基盤となりました。ZoomやFaceTime、WhatsAppなどが登場する以前の世界においてSkypeは月間3億人以上のユーザーを抱える不動の「オンライン通話の代名詞」的存在として君臨し続けました。
Skypeの存在はインターネットを利用した無料・低コストの音声・ビデオ通話を当たり前にし、国際電話のコストや距離のハードルを大きく下げました。個人利用だけでなく、ビジネスや教育、遠隔医療、国際会議など多様な分野で活用され、グローバルなコミュニケーションのあり方を根本から変革したと言っても過言ではないでしょう。インターネット通話業界におけるSkypeの貢献はそれはそれは強靭なものでした。
そのSkypeが2025年5月5日、22年の歴史に幕を下ろし、サービスを終了しました。この記事を書いているのが日本時間の2025年5月6日ですので、アメリカなどにおいてはちょうど今日、Skypeがサービスを終えたことになります。みなさまにも容易に想像できるとは思いますが、この決定は、近年の利用者減少と競合サービス(Zoom、WhatsApp、Slack、Microsoft Teamsなど)の台頭が背景にあるわけであります。2020年初頭には約4,000万人だったユーザー数も、2023年には3,600万人に減少。全盛期の月間3億人以上と比較すると十分の一の規模まで縮小してしまったことがこの数字から見て取れます。
長らく、ビデオ通話の代名詞として君臨したSkypeだったので、一見、今Zoomが持っている市場シェアを当然のように獲得できそうなものですが、古くからあることが逆に災いとなったのか、思うように技術的な刷新が進まず、ある時から使い勝手や通話品質が他社に劣るようになりました。特に、接続の手間や通話の安定性が課題となり、それに伴ってユーザーからの評価も低下していってしまいました。一方、Zoomは「高品質なビデオ・音声」と「ワンクリックで誰でも簡単に参加できる仕組み」に徹底的にこだわりました。アカウント登録なしで参加できるなど、余計な手順を省いたことで、ビジネス・教育現場など幅広い層に受け入れられ、最近ではオンラインミーティングと言えばZoom、という印象が強くなっています。Skypeを買収したマイクロソフトもMicrosoft Teamsの開発に集中することを決め、Skypeは「時代遅れのサービス」として徐々に存在感を失ってしまったのです。2020年初頭、Skypeはまだ32.4%の市場シェアを持っていたのですが、わずか1年で6.6%まで急落。Zoomは同期間に26.4%から48.7%へと大幅にシェアを拡大し、Zoomが新たな市場の覇者となっているのはみなさまのご存じの通りであります。特に、パンデミック期間の対応のスピード感が致命的な差を生み出したわかりやすい実例なのではないでしょうか?このようにビジネスは時として冷酷なものであります。
しかし!「インターネット電話」のパイオニアとしてSkypeが切り開いた「距離やコストを超えたコミュニケーション」は世界中の人々やビジネスに新しい繋がり方を提供し続けてきました。その役割と功績は、我々世代にとっては甘酸っぱい思い出と共に今後も語り継がれることは間違いないのではないでしょうか?そんなわけで今週は2025年5月5日にSkypeの歴史が幕を閉じたことについて取り上げてみました。書いていて思い出したのですが、Skypeから普通の電話にかけるサービスもあってわたくしも時々活用していたのですが、あのアカウントに数千円分のクレジットが残ったまんまだったような。。。うむむ。
そんなわけで、それではまた来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン!
(ウサギ社長)
・The Journey of Skype: From Inception to Global Communication Tool | CrazyBunny
・The End of an Era: How Skype Changed the World and Why Its Story Ends | Источник:
・Skype | Wikipedia
・マイクロソフト、Skypeをサービス終了 5月までにやっておくべきこと | Forbes
・さようなら「Skype」、22年の歴史に幕 5月5日をもってサービス終了 | IT Media
・Skype is going away: farewell to an internet communication legend | MEZHA
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