人生における大きな決断の一つが“住まい選び”です。
そして、賃貸にせよ持ち家にせよ、住まいを選ぶ際に重要なポイントとなるのが家賃や家の価格です。そこで、今回は、家賃の相場を年収や地域別にデータで集めてみました。さらに、「住」という切り口で最もコスパの良い都道府県についても考えていきます!
自分のライフスタイルに合った家賃はどのくらいなのか、検討する際の参考にしてみてください!
まずは、収入に対する適正な家賃、について調べてみました。
ここでの適正な家賃とは、収入に対し家賃がどの程度の割合を占めるかというところで判断できるかと思います。
住宅情報サイト、ライフルホームズによると、年収に適正な家賃は以下の式で割り出せるということです。
年収×0.25=年間家賃額
したがって、年収別に月額家賃の適正価格は以下のようになります。
年収(万円) |
月あたり適正家賃(万円) |
400 |
8.33 |
500 |
10.42 |
600 |
12.50 |
700 |
14.58 |
800 |
16.67 |
900 |
18.75 |
1000 |
20.83 |
続いて、日本全国の家賃を一覧で見ていきましょう。
都道府県 |
総平均賃料(円) |
1部屋の平均賃料(円) |
2部屋の平均賃料(円) |
3部屋の平均賃料(円) |
北海道 |
47,738 |
42,155 |
51,940 |
63,385 |
青森県 |
47,703 |
41,537 |
49,507 |
55,560 |
岩手県 |
49,364 |
45,941 |
49,814 |
57,738 |
宮城県 |
53,320 |
47,648 |
57,169 |
67,011 |
秋田県 |
46,571 |
40,003 |
49,610 |
60,884 |
山形県 |
48,616 |
40,219 |
55,895 |
59,220 |
福島県 |
48,929 |
43,374 |
49,908 |
56,452 |
茨城県 |
48,499 |
42,536 |
48,926 |
59,025 |
栃木県 |
47,041 |
41,882 |
48,685 |
54,602 |
群馬県 |
46,347 |
40,765 |
47,989 |
53,938 |
埼玉県 |
60,210 |
52,290 |
63,311 |
72,978 |
千葉県 |
58,875 |
52,625 |
59,690 |
73,474 |
東京都 |
71,954 |
68,323 |
84,899 |
92,289 |
神奈川県 |
66,412 |
57,834 |
74,923 |
84,488 |
新潟県 |
50,916 |
45,878 |
53,502 |
63,134 |
富山県 |
45,155 |
40,879 |
50,144 |
58,495 |
石川県 |
49,038 |
44,263 |
51,423 |
59,830 |
福井県 |
49,546 |
43,145 |
53,966 |
60,788 |
山梨県 |
51,523 |
42,086 |
52,955 |
61,201 |
長野県 |
48,087 |
41,787 |
50,841 |
54,593 |
岐阜県 |
48,584 |
44,487 |
47,838 |
55,694 |
静岡県 |
54,716 |
48,643 |
58,831 |
65,555 |
愛知県 |
54,944 |
48,465 |
57,558 |
64,750 |
三重県 |
51,171 |
44,455 |
55,137 |
56,066 |
滋賀県 |
52,630 |
47,515 |
55,599 |
67,782 |
京都府 |
55,675 |
50,721 |
68,660 |
76,763 |
大阪府 |
60,211 |
55,025 |
67,402 |
73,610 |
兵庫県 |
60,564 |
51,879 |
62,462 |
75,624 |
奈良県 |
49,580 |
44,522 |
49,500 |
60,318 |
和歌山県 |
46,010 |
39,701 |
48,298 |
53,234 |
鳥取県 |
43,236 |
38,395 |
46,761 |
53,387 |
島根県 |
50,291 |
41,061 |
54,886 |
59,333 |
岡山県 |
49,318 |
43,647 |
53,915 |
63,260 |
広島県 |
54,214 |
48,828 |
58,963 |
65,104 |
山口県 |
46,360 |
39,800 |
49,353 |
54,484 |
徳島県 |
48,187 |
38,688 |
48,289 |
60,810 |
香川県 |
46,791 |
41,126 |
50,409 |
53,825 |
愛媛県 |
46,873 |
39,887 |
49,194 |
54,734 |
高知県 |
47,586 |
41,938 |
53,276 |
58,898 |
福岡県 |
55,588 |
48,606 |
59,801 |
68,452 |
佐賀県 |
47,949 |
42,448 |
49,432 |
55,454 |
長崎県 |
55,528 |
47,954 |
58,758 |
63,264 |
熊本県 |
49,223 |
42,717 |
55,350 |
58,874 |
大分県 |
47,099 |
40,862 |
49,297 |
56,516 |
宮崎県 |
47,413 |
42,638 |
50,931 |
51,862 |
鹿児島県 |
52,364 |
46,415 |
55,131 |
62,655 |
沖縄県 |
51,712 |
43,403 |
53,194 |
62,061 |
全国平均 |
55,067 |
50,509 |
57,842 |
65,788 |
出典: 全国家賃動向
総平均賃料について、都道府県ごとにヒートマップでみると下の図のようになります。この図では、色が赤い部分が家賃が高い地域、水色の部分が家賃が安い地域になっています。
各都道府県の大まかな家賃の目安となる総平均賃料、上位5位を並べるとこのようになりました。
順位 |
都道府県 |
総平均賃料(円) |
1 |
東京都 |
71,954 |
2 |
神奈川県 |
66,412 |
3 |
兵庫県 |
60,564 |
4 |
大阪府 |
60,211 |
5 |
埼玉県 |
60,210 |
出典: 全国家賃動向
2位に5000円以上の差をつけ、1位になったのはもちろん東京都。ついで、その隣の神奈川県、と並びます。 3位には関西から兵庫県がランクインしています。兵庫県には芦屋など高級住宅地が並ぶ地域があるため、家賃の水準も高くなっているようです。4位には日本第二の都市である大阪、5位には都心部へのアクセスも良い埼玉県が並んでいます。
続いて、平均賃料を安い順に並べると、上位5位は以下のようになりました。
順位 |
都道府県 |
総平均賃料(円) |
1 |
鳥取県 |
43,236 |
2 |
富山県 |
45,155 |
3 |
和歌山県 |
46,010 |
4 |
群馬県 |
46,347 |
5 |
山口県 |
46,360 |
出典: 全国家賃動向
1位の鳥取県は、人口減少が著しく、都道府県別の人口ランキングでも、人口が最も少ない県となっています。2位は北陸の富山県です。3位の和歌山県は、南部が大阪に通勤する社会人のベットタウンとしても人気がありますが、土地面積の広さなどもあり、全体の賃料は安いようです。
年収あたりの適正家賃と、全国の家賃の相場がわかったところで、実際どの地域に住むのが一番コスパがいいか?を考えてみたいと思います。
ウェブやアプリ上で気軽に使えるビジネスツールが増え、リモートワークなど働き方が多様化する昨今、居住地の選択を自分の意思で決められる、という人も増えてきています。また、都心部の人口が過密になる中で、地方への移住を検討する人も少なくありません。そうした中で、選択の重要な軸の一つとなるのがコスパの良さです。
年収に対し、年額家賃がどのくらいの比率なのか、というのが、適正家賃を図るための仕業だったので、ここでは、平均年間家賃を平均年収で割り、百分率にしたものでコスパの良い、悪いを判断していきます。
都道府県別に平均年収と平均年間家賃/平均年収(コスパの良さ)を表にしたものが以下になります。
都道府県 |
平均年収(万円) |
平均年間家賃/平均年収(%) |
北海道 |
270.3 |
21.19 |
青森県 |
241.2 |
23.73 |
岩手県 |
247.1 |
23.97 |
宮城県 |
282.2 |
22.67 |
秋田県 |
240.1 |
23.28 |
山形県 |
244 |
23.91 |
福島県 |
268.4 |
21.88 |
茨城県 |
300.7 |
19.35 |
栃木県 |
295.9 |
19.08 |
群馬県 |
281.9 |
19.73 |
埼玉県 |
303.7 |
23.79 |
千葉県 |
304.2 |
23.22 |
東京都 |
380.4 |
22.70 |
神奈川県 |
339.1 |
23.50 |
新潟県 |
265.2 |
23.04 |
富山県 |
279.3 |
19.40 |
石川県 |
277.4 |
21.21 |
福井県 |
270.6 |
21.97 |
山梨県 |
281.1 |
21.99 |
長野県 |
275.2 |
20.97 |
岐阜県 |
291.7 |
19.99 |
静岡県 |
291 |
22.56 |
愛知県 |
322.4 |
20.45 |
三重県 |
302.3 |
20.31 |
滋賀県 |
295.4 |
21.38 |
京都府 |
299.6 |
22.30 |
大阪府 |
329.1 |
21.95 |
兵庫県 |
299.4 |
24.27 |
奈良県 |
301 |
19.77 |
和歌山県 |
275.6 |
20.03 |
鳥取県 |
252.8 |
20.52 |
島根県 |
248.7 |
24.27 |
岡山県 |
281.1 |
21.05 |
広島県 |
298.1 |
21.82 |
山口県 |
276.1 |
20.15 |
徳島県 |
267 |
21.66 |
香川県 |
281.5 |
19.95 |
愛媛県 |
256.2 |
21.95 |
高知県 |
258.5 |
22.09 |
福岡県 |
286.7 |
23.27 |
佐賀県 |
252.8 |
22.76 |
長崎県 |
252 |
26.44 |
熊本県 |
255.6 |
23.11 |
大分県 |
260.7 |
21.68 |
宮崎県 |
235.1 |
24.20 |
鹿児島県 |
252.1 |
24.93 |
沖縄県 |
246.8 |
25.14 |
全国平均 |
306.2 |
21.58 |
出典: 全国家賃動向、平成30年賃金構造基本統計調査
都道府県ごとに家賃のコスパの良さをヒートマップ化したものが以下になります。色が赤いほど、コスパが悪く、色が水色に近いほどコスパが良くなります。
平均年収に対し、平均的な家賃の占める割合が小さい、つまりコスパが良い都道府県トップ5は次のようになりました。
順位 |
都道府県 |
平均年間家賃/平均年収(%) |
1 |
栃木県 |
19.08 |
2 |
茨城県 |
19.35 |
3 |
富山県 |
19.40 |
4 |
群馬県 |
19.73 |
5 |
奈良県 |
19.77 |
出典:全国家賃動向、平成30年賃金構造基本統計調査
都道府県の中で最もコスパが良いとされたのは、首都圏のベッドタウンとしても人気のある栃木県と茨城県の2県でした。また、同じく群馬県や奈良県もコスパの良いベッドタウンと言えるでしょう。
また、平均賃料が都道府県内で二番目に安かった富山県も3位にランクインしています。
逆に平均年収に対し、平均的な家賃の占める割合が大きかったトップ5は、以下のようになっています。
順位 |
都道府県 |
平均年間家賃/平均年収(%) |
1 |
長崎県 |
26.44 |
2 |
沖縄県 |
25.14 |
3 |
鹿児島県 |
24.93 |
4 |
兵庫県 |
24.27 |
5 |
島根県 |
24.27 |
出典: 全国家賃動向、平成30年賃金構造基本統計調査
沖縄県と長崎県は、平均年収に対し、家賃の年額が25%と適正家賃を超えている状態です。長崎県は、日本一の多島の県として知られており、面積に対し居住域が少ない、などの原因が考えられます。また、沖縄県、鹿児島県、島根県も都道府県内で上位5位に入る多島の県であるため、居住域の面積が少ないのではないかと推察されます。4位の兵庫県は、芦屋など、一部高級住宅地による高価な家賃が少なからず影響していると考えられます。
今回調べた家賃についての情報をまとめると以下のようになります。
実際に家賃についての様々なデータを見てみると、平均年収に対し、平均的な家賃の占める割合は都道府県間で最大7%もの開きがあったりと、どの地域に住むか?という選択は住環境におけるコスパを大きく左右するのだと改めてよくわかりました。
また、純粋に、家賃の低さで判断すると一見よく見えても、コスパで考えるとイマイチ、な地域もあるため、様々な軸を参考にしつつ決断する必要がありそうですね。
【参考引用サイト】 ・ 平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 ・ 全国賃貸管理ビジネス協会| 全国家賃動向 ・ その年収なら、どんな家に住める?(1) これが「年収別適正家賃」! ・ 日本の島の数はいくつ? - 日本で島の数が一番多い都道府県
(大藤ヨシヲ)
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