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裏垢という言葉を聞いたことはありますか?この言葉はTwitterなどのSNSにおいて匿名で運用されるアカウントを指します。裏アカウントを短縮した「裏アカ」を携帯やパソコンで入力した際に変換される漢字をそのまま使って裏垢という言葉が定着したものだと思われます。
匿名アカウントと一口にいっても、情報収集のためのアカウントから、趣味の発信をする趣味アカウントや家庭や仕事の不満を書き込む愚痴専用アカウントなど、その利用方法は多岐にわたります。
こうした匿名アカウントは周囲の目を気にせずに趣味の話をたっぷりできたり、日常で溜まったストレスを発散できたりとポジティブな面もありますが、一方でその匿名性を利用して、面と向かっては言えないような誹謗中傷を書き込む、という人も少なくありません。
特に特定の著名人に向けて一方的に誹謗中傷を頻繁に書き込むようなアカウントは「アンチアカウント」などと呼ばれています。
そうした中で、最近では、悪質な言動を繰り返すアカウントに対し、被害者側が、情報開示を行い、訴訟を起こすことで対処するという、という事例も出てきています。
このような事例が増えることは、匿名アカウントによる誹謗中傷への抑止力ともなりますが、実際に情報開示を行うまでには、 数ヶ月から1年程度の時間が必要で、金銭的にも負担が大きいため気軽に誹謗中傷してきた相手が誰なのかを知るということは難しいというのが現状で、泣き寝入りしてしまう被害者も少なくありません。
いつ誰の身に起こってもおかしくないSNSにおける執拗な嫌がらせや誹謗中傷。一方的な被害を防ぐために最近では様々な研究が行われています。
そこで今回は、匿名アカウントについてのデータや、 SNSアカウントから個人を特定する最新技術までご紹介いたします。
一般的に認識が広がりつつある匿名アカウントですが、実際に利用している人はどのくらいいるのでしょうか?
総務省が発表している情報通信白書が平成26年に行った調査では、日本とアメリカやイギリス、韓国など関連諸国についてTwitterアカウントの利用状況についてのアンケートが行われています。
日本ではアンケート回答者のうち約3/4にあたる人々が、 Twitterを匿名で利用すると答えたのに対し、欧米や韓国シンガポールなどは概ね30%から40%程度と、日本における匿名利用率の高さが伺えます。
また、2019年にアプリ紹介サービス「Appliv」が行なった最新の Twitterの利用状況のアンケート調査においても、実名利用を含み、実際の交友関係の延長線上で運用されるリアルアカウント(通称:リア垢)は全体の30%程度だったということで、比率としては2014年時点とあまりギャップのない結果となりました。
それではなぜ日本においてはこのように実名アカウントへの危機意識が高いのでしょうか?
その理由は、総務省によるSNSについての意識調査の結果から見えてきます。
SNSの実名公開における抵抗感についてのアンケート調査において、日本では「抵抗がある」と回答した人は全体の40%以上を占めました。さらに「やや抵抗がある」という回答も加えると全体の65%以上がSNSの実名公開に抵抗感を覚えているという実態がわかりました。
このようなアンケートの結果から、日本人は、 SNS上における実名公開に対する抵抗感が強く、その結果匿名アカウントを利用する人が多いのではないかと推察できます。
一方で、匿名利用における特定のリスクについての認識は、 日本と欧米、シンガポールはほぼ同じ水準となっています。
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