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医療画像処理技術はここ最近急速に進化しています。
みなさんは学校や職場などで毎年、健康診断や人間ドックを受けているかと思います。その検査のなかにはレントゲン撮影があるかと思いますが、特にこの分野での技術進化には目を見張るものがあるのです。
ケガや病気になると、CT検査やMRI検査など詳細な画像診断が必要となる場合があります。適切な治療を行ううえで、画像診断技術は必須となります。実際にCT検査などを受けたことがある方はよくご存知だと思いますが、事前に造影剤を注入され、30分以上も検査機器の上でじっとしていなければなりません。重篤な状態だと検査を受けるだけで病状が悪化するリスクもあります。
そして、近年では3次元データ処理や断層写真などを撮るために検査時間がさらに長くなる傾向があります。それは画像データが詳細であれば詳細であるほどに、正確な診断をくだすことができるからです。しかし、患者への負担は増える一方となります。
そこで、これを解決する”スパースモデリング”と呼ばれる画像処理技術に注目が集まっています。これは統計処理技術を利用したデータ補正技術です。
スパースモデリングとは、さまざまなデータに普遍的にあるスパース(疎)性を利用することで、膨大な量のデータや、通常の計算処理では処理しきれない大容量データを統計処理技術で補正して、少ない時間で同じ計算結果を導き出す技術です。これは医療の画像処理や宇宙探査など幅広い用途に利用することができて、実際的時間で限られたデータから最大限の情報を効率よく抽出できる技術の総称のことです。
最近注目されている新しい情報科学技術で、NHKの科学情報番組でも取り上げられていました。
GEヘルスケア社の「レボリューションCT」と名づけられたCT装置。高速低線量撮影性能と体動補正技術を組み合わせて、高解像度の画像を作成します。
難しかったこの技術の組み合わせによって、放射線量を抑えつつ、血管や軟組織、器官、骨の詳細な画像を取得することを可能にしました。2014年4月に米国で販売開始されると、米国だけでなく、欧州、中国など127の病院や医療施設からオーダーが殺到し、GE社のハイエンドCT装置の受注数は結果的に31%増加したほどです。この装置を導入することで、放射線量を「最大82%」抑制することが可能になりました。
その上、画像信号のノイズを検知し、その原因を特定してノイズを除去することができるGE社の次世代テクノロジー「ASiR(逐次近似法による画像再構成法)」を活用し、画質維持にも成功しています。さらに、GE社はこの技術に人工知能を利用した機械学習(ディープラーニング)を組み合わせて、過去の類似データから推測される病気やリスクを表示して、医者の診断を支援する技術を強化しています。高性能なCT機器を開発するだけではなく、患者の目線、医者の目線でサービス提供に取り組んでいます。
ビッグデータの活用等で聞くことの多くなった統計学ですが、私たちの身近な健康にこそ古くは遺伝子や薬学の研究に用いられ、最新では検査機器において患者の負担をリアルタイムに減らす方向で発展をしてきています。これからの進化にも注目が集まりそうですね。
[著]Wingarc1st Official The BLOG編集部
本記事はウイングアーク1st株式会社の運営するThe BLOGに掲載された記事を許可を得て掲載しています。
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