同調査では、対象者に対し、結婚観についてのアンケートも取っています。結婚をするべきか?しないべきか?を問う質問に対し、「結婚すべきだ」や「結婚したほうがよい」のように結婚に積極的な回答はアメリカが最も多く、52.7%、ついで日本の50.9%となりました。一方で法律婚と同等に法律で保護されるパートナーシップ制度「サムボ」などがあったり、父親、母親の共同親権が確立されているスウェーデンでは、「結婚をしなくてもよい」と回答する人が過半数を超えていました。
さらに、結婚に積極的な回答をした人を対象に、その理由を聞いたところ(複数回答可)、日本と韓国では、過半数以上が「自分の子供や家族をもてる」や「精神的な安らぎの場が得られる」、「愛情を感じている人と暮らせる」と回答しました。また、欧米諸国と比較し日本と韓国は「親を安心させたり周囲の期待にこたえられる」という回答の比率も高いことがわかります。
一方で、「結婚しなくてもよい」や「結婚しないほうがよい」のように結婚に消極的な回答をした人に同じく理由を回答してもらったところ、 日本や韓国、アメリカでは、過半数以上が「自分の趣味や娯楽を楽しむことができる」という回答をしていました。また日本では、「異性とうまくつきあえない」という回答数が全体の1/4近く、他国と比較し、高い水準となるなど、結婚観における独自の課題も見えてきました。
今回は内閣府の調査をもとに若者の男女の役割観や結婚観を見ていきました。国同士で回答の傾向を比較してみると、各国の情勢や指示される考え方の違いが浮き彫りになっているように感じました。
例えば、日本や韓国では、女性は家事・育児、男性は仕事のような画一的な男女の役割観に対し、反対の意見を持つ若者の割合がこの5年間で急増しており、男女観や家族観の変革期にあるように感じられます。
一方で、 結婚観についてのアンケートで、日本や韓国は、結婚に積極的、消極的にかかわらず、親や親戚の視線や彼らとの付き合いが結婚観に影響している傾向が欧米と比較して強いように感じました。
今後、若者たちの男女の役割感や結婚観、家族観の変化が進むことで、現在議論に上がっている、夫婦別姓や、同性婚だけでなく、社会のさまざまな仕組みも変わっていくと思います。
ぜひ、データを眺めながら、未来の「結婚」や「家族」のあり方を考えてみてください。
【参考引用サイト】 ・同性婚を認める法案が、日本で初めて提出される。 | ハフポスト日本版 ・研究会報告書等 No.11 スウェーデンの家族と少子化対策への含意 -スウェーデン家庭生活調査から- ・日本人が知らない米国「保守派」の本当の顔 | アメリカ | 東洋経済オンライン ・【第106回】いま韓国フェミニズム文学が熱い|世の中ラボ ・ドイツ・オランダにおける柔軟な働き方
(大藤ヨシヲ)
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