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「レギュラトリー・サンドボックス(Regulatory sandbox)」とは、政府が企業における新事業の発展のために現行法の規制を一時的に停止する規制緩和政策を指します。
現行法の制定された時代においては想定されていなかったサービス・商品を安全な環境で試行錯誤しながら改良していく様子を砂場遊びにたとえて、「規制の砂場」とも呼ばれています。試験期間中は手続き違背などが見られても許容される一方で、企業・政府が協力して重大な問題が起きないように監視体制を敷いています。
より積極的に技術革新を進められるため、日本でも経済成長につながると判断されています。たとえば人工知能(AI)、IoT技術、ドローン、自動運転技術などでの導入に向けた議論が進められています(2017年7月時点)。もともとイギリスにおいてFinTech(フィンテック:IT技術を利用した金融サービス)のイノベーションのために用いられた政策でした。2017年時点でもイギリスはFinTechの分野に限ってレギュラトリー・サンドボックスを導入しています。
日本の規制緩和措置を見てみると、政府は2013年以降、東京圏、関西圏、兵庫県養父市、新潟市などを規制緩和地域として選定しています(国家戦略特区)。
自動走行や自動飛行では功を奏していますが、全国的な展開が期待される分野や成長の著しい分野には対応できていない問題がありました。そこでいったん商品・サービスを世に出して事後的に規制を施す⽇本版レギュラトリー・サンドボックスが注目されるようになったのです。
レギュラトリー・サンドボックスは、規制があるために試行錯誤によるデータを蓄積できない企業の不満と、その新規事業等によってどのようなトラブルが起こるのかわからなければ規制できないという政府の問題点をともに解決すると期待されています。
⽇本版レギュラトリー・サンドボックスでは、
・「実証優先主義」
・「ハンズオン支援と事後的な検証」
・「トップマネジメントの関与」
・「リスクの適切な管理」
・「高いレイヤーでの政府の一元的な体制」
の5つが基本原則として掲げられています。つまり、参加者に実証の内容とリスクを的確に説明し同意を得て、「まずやってみる(Try First)」という精神を尊重するのです。
一元化された体制で実証等に関する取り組みを担い、実証の成果や失敗例などのデータを集約することでより効率的に政策を進めていきます。中でも日本で導入するにあたっては各省庁の連携(政府の一元的な体制)がポイントになるといわれています。
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