政府が日本の成長基盤として何を狙っていくかがわかる日本再興戦略の2017年版の概要が5月29日に明らかになりました。(日本再興戦略2016についてはこちら)
日本再興戦略で挙げられた分野は、今後政府が投資や施策を集中的に行っていくことを明言している分野になります。政府機関だけではなく、民間の企業もこれらに追従していくでしょう。そのため、どういった分野が指定されるかは多くの人たちが注目しています。
2017年のターゲットは、トレンドである自動運転やドローンなどの移動に関する分野、高齢者社会における健康寿命の延伸、今までとは異なる新しい金融サービスを提案するFinTech(フィンテック)、ITを活用した次世代サプライチェーンマネージメント、そしてこれらを支える快適なインフラ環境の5つの分野です。
これらにはそれぞれに目標が定められていて、積極的な投資も行われることになります。どのような施策を進めるのかという内容と、デッドラインがいつかという期限がはっきりと明示されているので、日本再興戦略2017は目標に向かって進めやすい戦略といえます。
参照:首相官邸 政策会議 日本経済再生本部: http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kettei.html
日本再興戦略2017においては、ITを活用することがどの分野においても重要視されています。世の中がネットワークによってつながっている現在、ネットワークを介したデータのやり取りは日常茶飯事になっています。どのようなデータを集め、それらをどの視点から解析し、結果を利用していくかは、戦略を進めていく上で重要な課題です。
例えば、自動運転技術が良い例になります。宅配サービスにおける人材不足が問題となっている昨今、自動運転による人件費の削減には大きな期待が寄せられています。人が運転している宅配トラックの後ろに無人の自動運転車が追従して走るということができれば、ひとりの運転手が運べる荷物の量は画期的に多くなります。
自動運転技術は高齢者の移動手段としても有効です。自動運転技術では、集まってきたデータを即座に解析し実行可能なデータに変換し、対象となる機器をコントロールするという技術が重要となっています。
そして成長戦略の中でも特に要となっているのが、大量のデータを扱うビッグデータ技術になります。データを収集するというステージは過ぎて、今はそこから必要となるデータを選び出し、解析し、活用するというステージにきています。日本再興戦略2017はデータ活用技術を存分に発揮できる戦略だといえるでしょう。
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