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首相官邸のホームページなどをみると日本経済の成長スキームとしての「日本再興戦略」についてさまざまな情報が見つけられます。この戦略は2013年に内閣により閣議決定されて以降、改訂が重ねられています。そして、三つのスキームから構成される「三本の矢」成長戦略の一部でもあります。まず、「第一の矢」としての大胆な金融政策、「第二の矢」としての機動的な財政出動、そして「第三の矢」としての新たな成長戦略がそれですが、「日本再興戦略」はこの「第三の矢」としての成長の指針にあたります。
概要をまとめると、まず今後の日本経済の未来は「第4次産業革命」への産業界の適応と活用に掛かっているとの主張が挙げられます。「第4次産業革命」とは、ドイツ政府が推進を表明する、主に製造業による技術革新プロジェクトから広まった概念です。これは情報技術を最大限に活用して既存のコミュニケーション環境を劇的に改善し、社会構造までも変革する可能性のある文明の発展に向けた段階を示したものです。具体的には、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AI(Artificial Intelligence:人工知能) 、ビッグデータなどがその発展の技術的な基盤とされています。 次に、そのような技術を実現しながら、達成すべき施策が挙げられています。
例えば「日本再興戦略2016」では、
の5つの施策が提起されています。
最初の施策に含まれる10のプロジェクトとは、
「1.第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・AI・ロボット)」
「2.世界最先端の健康立国へ」
「3.環境・エネルギー制約の克服と投資拡大」
「4.スポーツの成長産業化」
「5.既存住宅流通・リフォーム市場の活性化」
「6.サービス産業の生産性向上」
「7.中堅・中小企業・小規模事業者の革新」
「8.攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化」
「9.観光立国」
「10.官民連携による消費マインド喚起策」
などです。ここで特筆すべきは、KPIが設定された具体的な施策までリストアップされている点です。KPI(Key Performance Indicators)とは、重要業績評価指標と訳されますが、要するに最終的な目標を達成させるために不可欠の、各プロセスでの達成度を評価するための具体的な計測基準のことです。従来の成長戦略が提示してきたような単なる概念の提示にとどまらず、数値による具体的な指標を示しているところに、揺るぎない未来への挑戦的態度を見ることができます。
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