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VPNとは?仕組みや種類、メリット・デメリットまで初心者にもわかりやすく解説!

この記事では、VPNとはどういう意味なのかを紹介しております。また、意味に加えてVPNの仕組みや種類、さらにはメリットやデメリットまで詳しく解説しております。初心者にもわかりやすいように解説しておりますので、ぜひご覧になってください。

         

VPNという言葉に馴染みはありますか?

聞いたことある、という方は多いかと思いますが、誰かに「VPNって何?」と聞かれたら、スマートに回答できる人は実際少ないのではないでしょうか?そこで、今回はVPNについて詳しく説明してみたいと思います。

この記事ではVPNそのものについての解説からその仕組み、種類、メリット・デメリット、選び方について見ていきます。

また、ITリテラシーやビジネス知識を学びたい方は「データのじかん」のコンテンツをぜひお読みください。「データのじかん」は、テクノロジーやデータで、ビジネスや社会を変え、文化をつくりあげようとする越境者のみなさまに寄り添うメディアです。

VPNとは?初心者にもわかりやすく解説

VPNとは

VPNとは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略です。日本語に略すと「仮想専用線」と言うそうです。日本語にしたからと言ってわかりやすくなるわけではない言葉の良い例かも知れません。

VPNとは、一般的なインターネット接続を使用して構築される仮想的なプライベートネットワークです。わかりやすく言うと、VPNは通信のトンネルのようなものです。

オフィスと自宅や、本社と支店のような複数の拠点間で物理的な専用回線を設置するには高額なコストがかかり、実現が困難な場合があります。

しかし、VPNを利用することで、共有されているインターネット接続内で安全な通信路を確立し、セキュリティが強化されたデータの交換を可能にします。

出先でスマホなどでもVPNをつなげると安全に交換が可能なため、忙しい人も導入した方が良いでしょう。

VPNが必要な理由

そもそも、なぜVPNは必要とされているのでしょうか?

その背景には、インターネット特有の性質が挙げられます。

インターネットは不特定多数の人が利用するものですが、中には悪意を持った人たちもいます。そのような悪意のある人たちによってデータの改ざんや窃盗などがインターネット上では日常的に起こっています。

しかし、VPNを使って通信する内容を暗号化することで、第三者からの攻撃を最小限に留めることができます。

利用者のプライバシーや機密情報を守るためにも、VPNの必要性は今後も増えていくことでしょう。それでは、どうしてVPNを使うことで攻撃を抑えることができるのでしょうか?

VPNの仕組み

次にVPNの仕組みを見ていきましょう。

VPNは、データの送信側、受信側でそれぞれ「カプセル化」という処理を行って、仮想的なトンネルを作って通信するようになっています(これを「トンネリング」と言います)

このほか、独自の認証を取り入れたり、通信内容を暗号化したりするなど、安全性を高めるような仕様になっています。

絶対安全になることを保証するものでは決してありませんが、このような方法を取ることで、より安全な情報のやり取りが実現できます。

わかりやすく図解いたしますと、以下のようになります。
図解入れる

VPNの4つの種類とは

VPNは、以下のように大きく分けて4種類あります。

  • インターネットVPN
  • IP-VPN
  • SSL-VPN
  • IP Sec-VPN

それぞれについて詳しく解説していきます。

①インターネットVPN

これはインターネットの回線を用いて仮想のネットワークを構築するVPNになります。

既存の回線を使用するためコストが安いのが特徴ですが、時間帯によっては通信回線が混雑するため速度が遅くなるなどのデメリットが考えられます。

また、一般の回線を経由しているため通信内容が盗み見られたり改ざんされたりするリスクもあり、機密情報を含む企業活動においては奨励できない部分があります。

②IP-VPN

IP-VPNとは通信事業者が独自に保有する閉域網(限られた利用者のみが使える広域通信網)を利用して構築されたVPNのことです。

契約者のみが利用できるため、盗み見られたり改ざんされたりするリスクが低いのが特徴です。また帯域保証があり、速度低下や遅延の心配もないため、社内ネットワーク同様、快適にネット回線を利用できます。

③SSL-VPN

主にリモートアクセスで使用されるVPNです。インターネット上の通信を暗号化して利用できます。

利用者のパソコンと企業内のVPN装置との間でSSL(Secure Sockets Layer。インターネットのIPネットワークでデータを暗号化して送受信するプロトコルの1つ)暗号通信を行います。SSL機能が入っている端末で利用できるので、専用ソフトは不要です。

④IP Sec-VPN

企業のVPN装置の間にVPNトンネルを構築して、すべての通信を暗号化する方法です。

専用ソフトが必要であるほか、暗号化・認証が必要になるため、必然的にコストは高めになりますが、その分セキュリティも高くなります。

以上のような4種類のVPNがあります。用途にあわせてどのVPNを使うべきか、検討することが求められます。

VPN接続のやり方

VPNの接続のやり方を紹介します。

  • パソコンでVPN接続する方法
  • スマホでVPN接続する方法

ぜひ、本章を参考にVPN接続してみてください。

パソコンでVPN接続する方法

パソコンでVPN接続をする方には、WindowsやMac用のVPN接続サービスアプリのインストールをお勧めします。VPNは自動で設定されるため、特別な知識は必要ありませんし、数分で簡単に設定できます。

VPNアプリをインストールして接続する方法は以下の通りです。

  • VPN接続サービスに登録する
  • VPN接続用のアプリをインストールする
  • アプリを使用して、選択したVPNサーバーに接続する

スマホでVPN接続する方法

スマートフォンでVPN接続をする方には、スマホ用のVPNアプリを導入すると、自動でVPN接続が設定されるため簡単です。

VPNアプリをインストールして接続する方法は以下の通りです。

  1. AndroidではGoogle Playストアを、iPhoneではApp Storeを開く
  2. VPN接続用アプリをインストールする
  3. VPN接続サービスに登録してログインする
  4. アプリを使用して、好きなVPNサーバーに接続する

VPNのメリット5選

VPNのメリットを5つ紹介します。

  • 一定レベルの安全性を確保できる
  • リモートワークに対応できる
  • 低コストで拠点間通信ができる
  • 海外から日本のサイトにアクセスできる
  • 日本から海外のサイトにアクセスできる

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①一定レベルの安全性を確保できる

VPNを使うことで、高いレベルのセキュリティが確保できます。

デバイスとインターネットの接続部分にVPNを設けることで、たとえ第三者がアクセスしようとも、情報は暗号化されていて何の内容かは全く理解できません。

特に企業では、重要なデータや顧客情報が漏れると、その存在自体が危ぶまれることになります。個人も同様に、自分のデータや情報が他人に見られ、それが大きなトラブルに繋がる可能性があります。

しかし、VPNを利用することで、セキュリティが強化された通信環境を作り、安全性を確保できるでしょう。

②リモートワークに対応できる

VPNの利用は、テレワークを可能にする大きな魅力となっています。セキュリティの問題からテレワークの実施に慎重な企業も少なくないと思います。

しかし、VPNを活用すれば、自宅からでも安全に会社の内部ネットワークに接続することが可能です。

2020年以降、テレワークを取り入れる企業が増え、テレワークの有無が就職活動の決め手となる学生も増えています。これからの企業成長には、テレワークの導入が必要不可欠と言えるでしょう。

③低コストで拠点間通信できる

VPNは、セキュリティを向上させるだけでなく、費用を抑えることが可能な利点を持っています。

専用線を設置する場合、各拠点に設置が必要となり、それが結果として高額な費用につながります。また、全ての使用場所に専用線を設ける必要があるため、費用だけでなく手間も掛かるという問題があります。

しかし、VPNの場合は、VPNに対応したルーターを設置するだけで済むため、費用を大きく削減できるという特長があります。

さらに、エントリーVPNを利用すれば、更に費用削減が可能となり、大きな投資をせずにセキュリティレベルを高めることができます。

④海外から日本のサイトにアクセスできる

日本にサーバーを設置しているVPNサービスを使えば、海外にいても日本のウェブサイトにアクセスすることができます。

海外から日本のウェブサイトに接続できない状況もありますが、その問題はVPNの使用により解消されます。

日本のウェブサイトの多くは海外からの接続を制限しているため、海外生活の日本人の中には、VPNを通じて日本のウェブサイトにアクセスする人も少なくありません。

⑤日本から海外のサイトへアクセスできる

VPNを使えば、日本からでも海外のウェブサイトにアクセスすることが可能です。

VPNを通じて海外のサーバーに接続すると、日本で観ることができない映画や動画を楽しむこともできます。

さらに、海外のウェブサイトから、外国の学者による論文を読むという利用法もあります。何を目指しているにせよ、海外のウェブサイトにアクセスできるようになることで、選択の範囲が確実に広がることでしょう。

VPNのデメリット3選

次にVPNのデメリットを3つ紹介します。

  • セキュリティが完璧になるわけではない
  • 通信速度が遅くなる可能性がある
  • 製品によっては高コストになる

順に紹介しますので、メリットと共に押さえておきましょう。

①セキュリティが完璧になるわけではない

確かにVPNの使用はセキュリティを向上させますが、それが全ての問題を解決するわけではありません。セキュリティは絶対的なものではなく、いつでも侵害される可能性があるのです。だからこそ、「VPNを使っているから安全だ」と過信せず、警戒心を持つことが大切です。また、セキュリティを保つためには、常に高い意識を保つことも必要となるでしょう。

②通信速度が遅くなる可能性がある

VPNの使用により、通信が遅くなることもあります。特に、インターネットVPNやエントリーVPNは共有回線を利用しているため、多くの人が使う時間(例えば、朝の通勤時間や夜の帰宅ラッシュ時など)には、通信の遅さが顕著になる可能性があります。このように頻繁に通信速度が遅くなると、ストレスを感じることになり、それが作業効率の低下につながるかもしれません。

③製品によっては高コストになる

VPN接続は専用線に比べて導入費用が抑えられますが、契約する通信路や使用する機器によっては、費用が増えることもあります。便利な機能を持つ製品はたくさんありますが、それに伴って価格も上がります。使わない機能があると、それはただの無駄な出費になります。だからこそ、自社で必要な機能を事前に明確にすることが大切です。

VPNの導入方法

VPNの導入方法を紹介します。

  1. VPNルーターを導入する
  2. VPN設定をする

ぜひ本章を参考にVPNを導入してみてください。

①VPNルーターを導入する

VPNを導入する1つ目の方法として、VPNルーターを活用した導入方法が挙げられます。

VPNを利用したい各拠点にVPNに対応したルーターを設置し、各拠点を繋ぐために設定を行います。

②VPN設定をする

VPNを導入する2つ目の方法として、VPN設定をパソコンなどの端末で行うことで、拠点間のVPN接続が可能となります。

VPNのよくある利用シーン

VPNの導入によりセキュリティが向上することはわかりましたが、具体的な運用方法についても知りたいですよね。

VPNのよくある利用シーンは以下の通りになります。

  1. 自宅から社内ネットワークにアクセス
  2. 別オフィスのIT機器を遠隔操作
  3. 拠点間で安全かつスムーズなデータのやりとり

順に紹介します。

①自宅から社内ネットワークにアクセス

VPNを利用すると、自宅からでも会社でのように作業が可能になります。

これは、自宅と会社のネットワークやシステムを仮想専用回線で接続し、同じネットワークとして利用できるためです。

通常、会社のネットワークに保存されているデータへは、そのネットワーク内からしかアクセスできません。このため、自宅でのリモートワークでは、会社のネットワークにアクセスできず、作業が困難になりがちです。

しかし、VPNを設置すると、自宅からでも会社のネットワークやシステムにアクセスできる仮想の専用回線を確立できます。これにより、自宅や出張先のホテルからでも、会社のネットワークやシステムに接続し、効率的に作業を進めることが可能になります。

②別オフィスのIT機器を遠隔操作

VPNを利用すると、異なるオフィスにあるIT機器を遠隔操作することが可能になります。

これは、VPNが仮想的な通信ネットワークを構築し、異なる拠点間でのデータのやり取りを可能にするからです。

例えば、本社にのみ配置されている特定のIT機器がある場合、VPNを通じてその機器にアクセスできます。拠点ごとに重要なデータを保管するのはリスクが伴い、手間もかかりますが、VPNを利用すると、各拠点から必要なデータにアクセスするだけで済みます。

この技術を応用すると、異なる拠点にあるコピー機を利用することも可能です。たとえ本社にいても、VPNを介して接続された他の拠点のコピー機から印刷を行うことができます。VPNにより、IT機器の物理的な位置に関わらず、各拠点間でスムーズに業務を進めることができます。

③拠点間で安全かつスムーズなデータのやりとり

他の拠点にあるIT機器を操作できるということは、拠点間でデータを安全かつ効率的に交換できることを意味します。例えば、本社と支社をVPNで接続することが可能です。

本社で受けた注文データは、VPNを介して接続された支社のサーバーにアクセスして保存することができます。本社にいながら支社のサーバー内のフォルダを操作できるため、拠点間の業務がスムーズになります。

ペーパーレスを目指している企業では、紙の注文書を電子化する動きが見られます。FAXで受けた注文書は紙に出力せず、直接サーバーに保存します。そして、VPNで接続された各拠点のサーバーに受信した注文書を移動させることで、業務を円滑に進めている企業も多いです。

このように、VPNは拠点間のコミュニケーションを効率化し、業務の進行をスムーズにする革新的な技術です。

VPNの選び方

ここからはVPNの選び方について解説していきます。

VPNを選ぶ際のポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  • 安全性
  • 保守・サポート体制
  • 運用コスト
  • 海外利用の可否

それぞれについて詳しく解説していきます。

①安全性

まずは安全性について検討しましょう。

上で説明した通り、VPNには主にインターネットVPNとIP-VPNがあります。前者は一般公衆網を使用し、後者は閉域IP網を使用するため、安全性に大きな差が出ます。

そのため、導入時にどの程度の安全性が必要になるかを明らかにする必要があります。

②保守・サポート体制

次に保守・サポート体制についてです。

インターネットVPNは、安価である反面、社内などにVPNルーターを設置する必要があり、それなりの専門知識が必要になります。一方で、IP-VPNは初期設定を終えてしまえば、あとはVPNの事業者に頼ることができます。

トラブル発生時の対応についても要検討です。すべて自分で行うのか、専門の事業者に任せるかによって利用者の負荷も変わってきます。自分でどこまで対応するのかを明確にしておきましょう。

③運用コスト

初期費用や毎月の利用料金などの運用コストも重要です。

あまり安さを求めすぎると、VPNに求めることができない可能性があります。逆に、不要なオプションをつけてしまうと、割高になってしまいます。あくまでも必要な機能のみを精査して導入検討をしましょう。

なお、ネットワークは1回使って終わり、という類のものではありません。数年、場合によっては十数年利用するものです。更新時に都度見直しを図り、適切なVPNコストの運用を心掛けるようにしましょう。

④海外利用の可否

海外にある拠点とつなぐVPNを検討している方は注意が必要です。

海外拠点のある国とVPNがしっかり接続できるかあらかじめ確認しておきましょう。特に中国では2017年1月以降、いくつかのVPNが使用できなくなりました。

今後もこのような規制が発生する可能性があるため、海外との利用も検討している場合は注意が必要です。

このように、VPNを選ぶ際に見るべき軸は存在します。VPNの情報収集をする際には、これらの点に着目しながら探してみてください。

VPNに関するよくある質問

VPNに関するよくある質問は以下の通りです。

  • VPNオフにするとどうなるの?
  • VPNの危険性とは?

それぞれについて解説していきます。

VPNオフにするとどうなるの?

VPNを切断すると、インターネット接続はもはや暗号化されず、セキュリティが低下します。この結果、暗号化や認証を提供しないHTTPプロトコルを使うウェブサイトで情報を入力する際、その情報がサイバー犯罪者に容易に傍受され、読み取られたり、悪用されてハッキングの対象になったりする可能性があります。

VPNの危険性とは?

もしVPNを使用するデバイスが、別の方法でマルウェアに感染していた場合、VPN接続を介して企業の内部ネットワークへとその感染が広がる恐れがあります。

たとえば、「Emotet」のような、怪しいメールの添付ファイルを開くことで感染するタイプのマルウェアは、VPNを通じてパソコンからネットワークに広がり、感染が拡大するリスクを持っています。

まとめ

今回は、VPNについてまとめてみました。

VPNが使えると、場所や時間にとらわれずに仕事ができるようになるなど、便利な点がいくつか存在します。一方で、慎重にVPN選びをしないとリスクやコスト増に見舞われる可能性もあります。ぜひこの記事を参考にし、安心・安全なVPN選びをしてみてください。

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(安齋慎平)

 

参照元

VPN接続とは?VPNの基本とメリット・デメリットを紹介|ICT Digital Column【公式】NTTPCコミュニケーションズ
VPNの選び方とは?7つのポイントや種類、おすすめ製品を紹介!|ITトレンド
【活用事例】IP-VPNとその他VPNとの違いやサービスを紹介|ICT Digital Column【公式】NTTPCコミュニケーションズ

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