INDEX
長野県は日本で最も多くの県と隣接した地域で、白馬や志賀高原など人気の高いスキー場、国宝の善光寺や松本城などで観光客が多く、また移住したい都道府県ランキングでは、14年連続で1位に選ばれている地域です。
また長野県は「信州」とも呼ばれており、それを冠した商品も多く、「信州そば」や「信州みそ」などは県外でも有名です。
産業においては農業、製造業が盛んで、2020年度から取り組んでいる「長野県DX戦略」では、県民生活と行政の「スマートハイランド推進プログラム」と県内産業の「信州ITバレー構想」の両輪でDXの推進に取り組んでいます。
【引用元】長野県DX戦略の概要~Society5.0 時代の新たな信州への道しるべ~
長野県内企業531 社を対象に実施された帝国データバンクの「DX推進に関する長野県内企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の16.2%でこの水準は全国平均の15.7%を若干上回っています。
また「DXを理解し取り組んでいる」、「言葉の意味を理解し、取り組 みたいと思っている」、「言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない」の回答の合計も74.7%と全国平均の73%に近く、DXの進み具合は全国的にみて、ほぼ平均に位置していると言えます。
No | 回答 | 結果 |
1 | DXを理解し取り組んでいる | 16.2% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 28.5% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 30.0% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 16.2% |
5 | 言葉も知らない | 4.0% |
6 | 分からない | 5.1% |
さらに「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別に見比べると、
と大企業は若干全国平均を下回っていますが、中小業者・小規模企業は全国平均を上回っています。
特に小規模企業においては全国平均の8.4%の倍以上という結果から、中小企業向けの支援や施策が進んでいると推測されます。
次に「DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
といった結果を示しており、製造業の水準は全国平均を上回っているものの、他の業界は全国平均を下回っているため、これらの水準の底上げが現状の課題です。
【引用元】DX推進に関する長野県内企業の意識調査 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
人口 | 2,029,541人(2022年1月時点) | |
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面積 | 13,560 km² | |
自治体数 | 77 | |
県内総生産 | 8兆3962億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 | 2019の農業産出額は2,556億円で全国12位。変化に富んだ自然環境や三大都市圏(東京・名古屋・大阪)に近い立地条件を活かした全国トップクラスの生産量と農家数を誇る農業地域。野菜ではレタス、セロリ、白菜、加工用トマト、パセリ、アスパラガス、果物ではネクタリン・プレーン・ブルーベリー、ぶどう、りんご、アンズ、西洋なし、花はカーネーション・トルコギキョウ、アルストロメリアなどの生産量が全国上位。 |
林業 | 2019年の林業産出額は566.9億円で全国第1位。全国有数の森林県であり、森林面積は県土の約8割を占める106万haで全国第3位。人工林面積は33万haで全国第3位、森林蓄積は133百万mの全国第4位。栽培きのこ類のえのきたけ、ぶなしめじ、エリンギ、わさびの生産量は全国1位で林業産出額の9割を占める。素材生産量は針葉樹のあかまつ・くろまつ、からまつが全国3位 | |
水産業 | 長野県は海に面していないため、漁業は内水面漁業・養殖業生産量が主体。2019年の内水面漁業・養殖業生産量は1,677tで全国第7位。内水面漁業ではさけ・ます類が全国第1位で内水面養殖業の”にじます”が第2位。県では資源管理技術や漁場環境保全技術の開発、バイオテクノロジーを用いた新品種の作出、魚類防疫対策等の試験研究に加え、技術指導や優良種苗の供給により安全・安心な水産物の生産に取り組んでいる。 | |
製造業 | 2019年の製造品出荷額等は6兆1578億4655万円。豊富な水と澄んだ空気は精密機械に適しており、諏訪地域を中心に精密機械や電子産業が盛ん。岡谷市、諏訪市、茅野市に電気機械、一般機械などの先端技術の産業が集積している。顕微鏡・拡大鏡、ギター、ウオッチ、水晶振動子、印刷装置、圧力計、スキー・水上スキー・スケート用具の出荷額は全国1位。電子部品・デバイス・電子回路の出荷額全国2位の工業地域で県内総生産の約3分の1を占め、県経済のけん引役を担っている。 | |
商業 | 2016年の年間商品販売額は5兆8,463億円で全国17位。卸売業においては「農畜産物・水産物」が 6,714 億 5,882 万円(同 20.6%)で 最も多く、「食料・飲料」が 4,542 億 4,004 万円(同 13.9%)、「電気機械器具」が 3,670 億 4,567 万円(同 11.3%)、「医薬品・化粧品等」が 3,397 億 5,239 万円(同 10.4%)、「産業機械器具」が 3,099 億 7,991 万円(同 9.5%)で上位5産業で卸売業全体の年間商品販売額の 65.8%を占める。小売業においては「自動車」が 3,471 億 7,186 万円(同 15.6%)で最も多く、「各種食料品」が 3,262 億 146 万円(同 14.7%)、「燃料」が 2,892 億 4,828 万円(同 13.0%)、「医薬品・化粧品」が 1,855 億 4,875 万円(同 8.4%)、 「その他の飲食料品」が 1,791 億 4,345 万円(同 8.1%)で上位5産業で小売業全体の年間商品販売額の 59.8%を占める。 | |
エネルギー | 豊富な水資源を活かした水力発電量は全国第3位で、再生可能エネルギーによる2020年度の電力自給率は106.5%を達成。再生可能エネルギー発電設備容量321.8万kWに対し、水力発電が163万kW、太陽光発電が154万kWで大半を占めている。県では「再生可能エネルギーの供給拡大」と「エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくり」を掲げており、農業用水を利用した小水力発電や自然エネルギーの事業化の支援に取り組んでいる。 | |
企業 | 上場企業 | 37社 |
事業所 | 115,016事業所(2019年) |
農業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また個人の商業、情報通信業においても単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 長野県 |
プロジェクト名 | 長野県DX戦略 |
活動・事業概要 | 新型コロナウイルス感染症などの前例のない危機にも対応できるように、Society 5.0 時代を見据えて、県全域のDXを行うことで5Gなどのインフラ整備を促進し、長野県を、県民や地場企業に加えて、県外の人や企業にとっても魅力的な地域にする。 |
支援・取り組み内容 | ○スマートハイランド推進プログラム ・スマート自治体推進PJ ・キャッシュレス推進PJ ・スマートエデュケーションPJ ・地域交通最適化PJ ・ゼロカーボン・スマートインフラPJ ・医療充実PJ ・スマート避難PJ ○信州ITバレー構想 ・IT人材の誘致・定着の促進 ・IT人材の育成支援 ・ITビジネスを活性化させるエコシステム(共創の場)形成 ・ITビジネス創業支援 ・IT企業の立地環境の整備 |
設立・運営開始日 | 2020年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 企画振興部DX推進課 |
公式サイト | 長野県DX戦略について |
運営者名 | 長野県市町村自治振興組合 |
プロジェクト名 | 電子自治体の推進 |
活動・事業概要 | 情報化に関する企画・立案をはじめ、システムの共同構築・運用並びに人材育成事業等を実施し、 市町村における事務経費の削減、事務負担の軽減並びに職員の情報化に係る技術・能力の向上 |
支援・取り組み内容 | ・人材育成 ・市町村向け相談窓口 ・システムの共同構築 ・共通する事務の調査・研究 ・機器の共同調達 ・システム・機器の保守運用管理 |
設立・運営開始日 | 1995年3月22日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 電子自治体推進部門 |
公式サイト | 長野県市町村自治振興組合 電子自治体推進部門 |
運営者名 | 公益財団法人長野県産業振興機構 |
プロジェクト名 | 企業支援 |
活動・事業概要 | 以下の公益目的事業を実施 ・技術革新による地域産業の高度化や新産業の創出の促進に関する事業 ・製品開発及び販路開拓の支援に関する事業 ・企業経営に係る相談に対する助言に関する事業 ・企業再生や事業承継の支援に関する事業 ・下請取引のあっせんに関する事業 ・地域産業の振興に関する事業 ・その他この法人の目的を達成するために必要な事業 |
支援・取り組み内容 | ・相談 ・販路開拓・拡大 ・人材育成 ・助成金・補助金の活用 ・開発 ・展示会・商談会の活用 ・ITの導入・活用 ・海外展開 ・経営改善・事業承継 などの支援 |
設立・運営開始日 | 2022年4月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | ‐ |
公式サイト | 公益財団法人 長野県産業振興機構 |
運営者名 | 伊那市 |
プロジェクト名 | 伊那市DXしあわせのまち宣言 |
活動・事業概要 | 人口減少をはじめとする、様々な地域課題に対し、テクノロジーの活用を図りながら、生活の利便性だけではなく、暮らしの豊かさや働き方の変革等につなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 |
支援・取り組み内容 | モバイルクリニックや、ドローン、自動運転等のテクノロジーを活用することで、暮らし続けられる、誰もが幸福な生活を営むことができる「しあわせのまち」に向けた取り組み ・モバイルクリニック ・ぐるっとタクシー ・ゆうあいマーケット |
設立・運営開始日 | 2021年3月30日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 企画部企画政策課新産業技術推進係 |
公式サイト | 伊那市DXしあわせのまち宣言 |
運営者名 | 松本市 |
プロジェクト名 | 「デジタルシティ・松本」のシンカ |
活動・事業概要 | 以下のビジョンの実現に向けた事業 ・豊:デジタルで大都市並みに仕事ができ豊かに暮らせるまち ・挑:デジタルのフィールドで新しい自分に挑戦できるまち ・快:デジタルでタイムリーに結ばれた便利で快適なまち ・育:デジタルで好奇心をくすぐり未来を育むまち ・安:デジタルで人と情報がまもられる心安らぐまち |
支援・取り組み内容 | ○いつでも、かんたんに(手続きの変化) ・マイナンバーカード ・どこでも申請サービス ・AI-RPA(単純作業の自動化) ・自治体システム標準化 ・キャッシュレス決済 ○仕事や暮らしがより良く(働き方の変化) ・どこでもテレワーク ・電子決裁(押印レス) ・オンライン会議 ・電子入札・電子請求書 ○便利なサービスが生まれる(データから新たな取組みを誘発) ・オープンデータ ・地理情報(GIS) ・3D都市モデル ・情報発信 ○可能性を引き出す(学びの変化) ・GIGAスクール構想下の子どもの学び ・社会教育・自主学習 ・授業におけるデジタル技術活用 ・学校外におけるデジタル活用 ○活躍の場が広がる(空間の変化) ・仮想現実の構築 ・サービス提供 ・経済活動 ・xR等の先端技術の活用 ・デジタルワーク人材の育成 ○誰もが恩恵を受けられる(デジタル格差対策) ・ICTインフラの維持・整備 ・デジタル活用支援 ・社会参加機会の創出 ○安心が高まる(セキュリティ対策) ・セキュリティ対策の徹底 ・個人情報・プライバシー保護 ・情報モラルの理解 など |
設立・運営開始日 | 2022年3月31日 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | DX推進本部 |
公式サイト | 松本市DX・デジタル化に関する骨太の方針の策定について |
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