

3月になりました。
春の気配を感じる一方で、今年は花粉が例年より多いせいか、頭痛や鼻水に悩まされている方も多いのではないでしょうか。かく言う筆者も、目のかゆみと戦いながらこの原稿を書いています。
花粉の飛散量も、きちんとデータで予測され、「今年は多い」「例年の○倍」と数字で示されます。毎年のこととはいえ、いざ自分の身に降りかかると、その影響の大きさを実感します。
データは確かに未来を教えてくれます。でも、実際にそれを体感するまで、本当の意味では分からないこともあるのかもしれません。
2025年9月15日、総務省統計局が「敬老の日」に合わせて発表した統計によると、日本の高齢者人口は3,619万人(2025年9月時点)に達し、人口に占める割合は過去最高の29.3%となりました。少子高齢化の進展は社会全体に大きな影響を与えていますが、とりわけ重要な課題として挙げられているのが認知症の増加です。内閣府の認知症施策推進関係者会議の推計では、2050年には65歳以上の認知症患者が約586万6,000人、軽度認知障害(認知症の前段階であるMCI)の患者が約631万2,000人に上り、合わせれば約1,200万人に達すると見込まれています。「自分も家族も他人事ではない」。誰にとっても無関係ではない「認知症」というテーマですが、現実感を持ちにくい方も少なくないでしょう。本シリーズでは、多様なデータを手がかりに、認知症の実態に迫るとともに、年代を問わず私たちがどう向き合うべきかを考えていきます。シリーズ第3回では、地域ごとのデータに着目し、認知症ケアの偏在が生まれる背景とその構造的要因を丁寧に読み解きます。そして一歩踏み込み、認知症リスクが「どこで」「どのように」先行して現れているのかを探ります。
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近年、競技のジャンルを問わず、選手のパフォーマンス向上にデータを活用する流れは、トップアスリートだけのものではなくなっています。計測機器や動画分析、トラッキングデータといった手法は、プロやエリート層にとどまらず、ジュニア世代や育成現場にも浸透しつつあります。野球の現場でも同様の変化が起きています。たとえばラプソードのような計測機器が高校・大学だけでなく中学硬式のチームにも導入され、SNSや動画を通じて技術情報が日常的に共有されるようになりました。データはもはや「特別なもの」ではなく、誰もが触れられる前提条件になりつつあります。こうした状況のなかで、「子どもの競技パフォーマンスを高めたいけれど、具体的な指導には自信がない」という感覚を持つ保護者は少なくありません。本記事では、筆者自身の体験を交えながら、スポーツ、特に少年野球におけるデータ活用の広がりを背景に、「親に求められるリテラシーとは何か」を整理し、これからの関わり方を考えます。 (・・詳しくはこちらへ)
「昨日までの成功法則が、今日は通用しない」そんな残酷な現実に直面したとき、私たちは何から動けばいいのでしょうか。データ活用冒険記「データワールド」第1話で描かれたのは、根性論の限界と、組織が抱える「脆さ」の正体です。本記事では、勇者ゼロの葛藤を実務の言葉に翻訳しながら、現場のプライドを守ったまま組織をアップデートするための「最初の一歩」を整理します。難しい理屈は抜きにして、明日からのヒントを一緒に探していきましょう。 (・・詳しくはこちらへ)
いよいよ「契約の地」へ――。データの精霊を迎えるため、ゼロとイチはアーチ村へと辿り着きます。しかし、そこで管理者ノイマンが告げたのは、洞窟に巣くう“見えない魔物”の存在でした。剣では太刀打ちできないその魔物に立ち向かうために必要なのは、新たな武器――データです。ギルドの未来を左右するクエストが、いま始まります。前回の「データワールド」では、魔神ブーカが生み出す災厄により、冒険者ギルドは追い詰められていました。かつて勇者として名を馳せたギルドマスター・ゼロは、従来の戦い方に限界を感じます。そこへ現れた勇者課リーダー・イチが告げたのは、「鍵は剣ではなくデータ」という一言でした。ふたりは新たな可能性を求め、「契約の地」へ向かう決意を固めます。 (・・詳しくはこちらへ)
「もう一人子どもが欲しいけれど、経済的に難しい」「育休を取ったら収入が減ってしまうのが心配」──子育て世帯なら誰もが一度は抱える悩みです。こうした不安を軽減するため、国や自治体は児童手当や育児休業給付の拡充を進めています。とりわけ、2024年10月からの児童手当拡充や2025年度から始まる育休給付の「実質100%保障」は大きな政策転換として注目されています。では、これらの制度強化は本当に「出生数の増加」につながるのでしょうか?2010年以降の婚姻・初産年齢や出生率のデータをひも解きながら、制度の効果と限界を見ていきましょう。 (・・詳しくはこちらへ)
データのじかんNewsのバックナンバーはこちら
2026.02.24 公開

認知症は日本社会全体に広がる課題ですが、その影響は全国一律ではありません。本記事では、「地域差」という視点から認知症ケアの構造をデータで読み解きます。
65歳以上人口の割合は全国平均で約29%ですが、秋田県や高知県などでは35%を超える地域もあります。認知症有病率自体は大きく変わらないとされるものの、高齢者人口構成が異なれば、患者数や地域への負荷のかかり方は大きく変わります。地方では高齢化率の高さや独居高齢者の増加が影響し、介護ニーズが顕在化しやすい構造があります。一方、都市部では医療機関やサービスの選択肢が比較的豊富である反面、介護人材不足といった別の課題が浮かび上がります。
さらに、病床数や医師数は単純な「都市対地方」という図式では説明できず、都道府県ごとに状況は異なります。生活習慣病の発生率や健康格差も、将来的な認知症リスクに影響を及ぼす可能性があります。
見えてきたのは、認知症そのものの差というよりも、地域構造やリソース配置の違いが「ケアの格差」として表れている現実です。地域差を可視化することは、どこにどのような支援を設計すべきかを考えるための出発点となります。
2026.02.27 公開

スポーツの現場に、データ計測はどこまで浸透しているのでしょうか。本記事では、育成世代を取り巻く環境の変化を背景に、保護者という立場からその現在地を見つめ直します。NPB球団や大学野球で活用が進む弾道測定器「ラプソード」に象徴されるように、投球や打球の数値化はもはや特別なものではなくなりつつあります。さらに、スマートフォンによる動画撮影やSNS上の技術解説の普及により、動作分析は一気に身近なものとなりました。
一方で、情報に触れられるからこそ「何か言わなければ」と感じてしまう親の葛藤も浮かび上がります。独学で学ぶ、専門家に外注する、スクールを活用する――選択肢は広がる一方で、どれが最適解かは簡単には決まりません。
そこで問われるのが、指導力そのものではなく「リテラシー」です。教えすぎず、丸投げせず、子どもの成長段階を見極めながら伴走する力。データ時代の育成において、親はいかに関わるべきか。本記事は、そのヒントを具体的な事例とともに提示します。
2026.02.22 公開

本記事は、漫画『データワールド』第1話を「実務の言葉」に翻訳する解説シリーズです。物語の中で起きたトラブルや決断を、データ活用・DX推進の視点で読み替え、「自分の職場に置き換えると何が言えるのか」を整理します。
第1話では、供給網の寸断や突発的な環境変化によって、これまで順調だった仕組みが機能しなくなる様子が描かれます。問題の本質はドラゴンや魔神ではなく、「変化に耐えられない組織構造」にあります。成功体験に支えられてきた現場ほど、変化への対応に戸惑いが生まれます。その中で若手リーダー・イチが提案したのが、「データの精霊との契約」、すなわちデータ活用という新たな武器でした。
重要なのは、データを魔法のような特効薬として扱わないことです。既存のやり方を否定するのではなく、平和を維持するためのアップデートとして提示する姿勢に、組織変革のヒントがあります。そして何より、ギルドマスター・ゼロが「何から始めればよいか分からない」と率直に認めたことが、最初の一歩となりました。
データ活用は何かを壊すための手段ではなく、今の価値を未来につなぐための知恵です。本記事は、第1話を通じて「まずは今の自分たちを認めること」から始まる変革の本質を丁寧に解説します。
2026.02.25 公開

データの精霊との契約を求め、ゼロとイチは精霊の管理者が住むアーチ村を訪れます。しかし、そこで告げられたのは、精霊の力が「見えざる魔物」によって封じられているという事実でした。かつてゼロも挑みながら果たせなかった契約。再び立ちはだかる課題に対し、今回の鍵となるのは「データ」です。
魔物は姿が見えない――。力押しでは解決できない状況のなか、ノイマンから授けられたのは「データのまなざし」という新たなスキル。データに気づき、それを手がかりに状況を読み解く力が試されます。一方で、ゼロは現場を歩き、自らのやり方で情報を集めることを選びます。データを見る者と、人に会いに行く者。それぞれのアプローチが交差しながら、物語は次の局面へと進んでいきます。
第2話は、「見えない問題」をどう可視化するかというテーマを通じて、データ活用の本質を描きます。答えは力ではなく、観察と視点の転換にあるのかもしれません。契約への道はまだ遠い――。その一歩が、静かに踏み出されます。
2026.02.24 公開

2024年10月からの児童手当拡充、そして2025年度から始まる育休給付の実質「手取り100%」化。子育て支援は今、大きな転換点を迎えています。所得制限の撤廃や高校卒業までの支給延長、第3子以降の増額など、多子世帯ほど手厚い設計へと進化しました。また、両親がともに育休を取得した場合に最大28日間、実質10割保障とする仕組みは、「収入が減るから休めない」という壁を下げ、男性育休の取得拡大を後押しします。
一方で、行動データは厳しい現実を示しています。平均初婚年齢や第1子出産年齢は上昇を続け、合計特殊出生率は過去最低水準に低下。制度が拡充されてきたにもかかわらず、婚姻数・出生数は減少傾向にあります。研究からは、児童手当の効果は限定的ながら第2子以降を後押しする可能性が示唆される一方、父親の育児参加は出生意欲により強く影響することも分かっています。また、現金給付だけでなく、保育所整備や医療費助成といった環境整備の重要性も指摘されています。
東京都や松戸市など、独自施策を重ねる自治体では人口流入を維持する動きも見られます。制度強化は万能ではありませんが、子育て世帯が将来を描ける土壌を整える第一歩です。経済支援、働き方改革、地域環境の整備を組み合わせた総合的なアプローチこそが、少子化対策の鍵となることを、データは静かに語っています。

今回は『『子ども・子育て支援の拡充は出生に効くのか?制度強化と行動データから見る現実』』という記事を紹介しました。
そこで今回の編集後記では、筆者の幼少期のころの子ども事情を振り返ってみたいと思います。
1970年代生れの筆者が子どもだった頃、公園はいつも満員でした。ブランコは順番待ち、団地の広場では暗くなるまで野球。夕方のチャイムが鳴ると、あちこちから一斉に子どもたちが家へ走り出す。商店街では駄菓子屋に子どもが群がり、近所の大人たちがそれとなく目を配ってくれていました。クラスは40人近くいて、それが当たり前の風景でした。
当時すでに統計の世界では「少子化」という言葉が語られ始めていましたが、正直なところ、ここまで社会の姿が変わるとは想像もつきませんでした。数字は未来を示していたのに、体感としては“子どもが多い社会”だったのです。
今は結婚の形も働き方も多様化し、子どもを持つことはより慎重な選択になりました。あの頃と何が違うのかと問われれば、一つではなく、少しずつ積み重なった社会の変化なのだと思います。
夕焼けの色や校庭の匂いは変わらないはずなのに、そこに立っている子どもの数は違う。あのにぎやかな風景を知る世代として、数字の向こう側にある社会の時間の流れを、これからも静かに見つめていきたいと思います。
それでは次回も「データのじかんNews」をよろしくお願いします!

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(畑中 一平)
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