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台湾の「ITの神」オードリー・タン 若き天才デジタル大臣の歩みと“すごさ”をわかりやすく解説!

         

あなたは唐鳳(オードリー・タン)氏を知っていますか?

台湾のマスク不足問題をITの力で解決したその直後に東京都の新型コロナウイルス(COVID-19)対策サイトの修正に参加し、その「神対応」っぷりが話題となった台湾のデジタル担当大臣です。

台湾史上最年少で入閣中学中退15歳で起業し成功を治める、トランスジェンダー、IQ180以上……などとにかく耳目を集める経歴と特性もあり、オードリー・タン氏への注目は大きく高まりました。

本記事ではオードリー・タン氏の経歴や現在の取り組み、人柄などをまとめてご紹介します。

引用元:Audrey Tang 唐鳳┃Twitter

オードリー氏の経歴~いつプログラミングに出会い、いつ閣僚に?~

オードリー・タン氏が1981年4月に誕生してから現在までのざっくりとした経歴は以下の通りです。

・8歳  プログラミングを独学で学び始める
・14歳 インターネットと出会い、中学を中退
・15歳 IT企業「資訊人文化事業公司」を起業 ~開発したソフトウェア「搜尋快手(FusionSearch)」は全世界で約800万セットを販売~
・19歳 シリコンバレーでソフトウェア会社を起業する
・24歳   Perl6の実装Pugsを開発する
      トランスジェンダーであることを明かし改名する
     ~米Apple台湾BenQの顧問を歴任~
・33歳 ビジネスからの引退を宣言する
     「ひまわり学生運動」のネット中継に携わる
・35歳 台湾で最年少かつトランスジェンダーで世界初の閣僚(デジタル担当大臣)に就任
・37歳 米外交政策専門誌『フォーリンポリシー』で「世界の頭脳100人」に選出される
・38歳 東京都のコロナウイルス対策サイトの修正に参加する

改めて、才人という言葉がふさわしい活躍ぶりですね。とくにIT分野での活躍がめざましく、台湾では「ITの神」と称されているそうです。

そんなオードリー氏も学生時代は同年代の子どもたちになじめず不登校だったそうです。必ずしも不登校=マイナスではありませんが、いわゆるギフテッド(天才児)と学校という空間の相性の悪さを感じさせられます。

オードリー氏の父であり台湾四大新聞のひとつ『中国時報』の元副編集長である唐光華氏は現在子どもたちの自主性を重んじる「自律学習」の推進活動に取り組んでいるといいます。

中退後にビジネスで大きな成功を修めたオードリー氏。デジタル顧問として招聘された米AppleではSiriの開発などに携わったそうです。ちなみに当時Appleと結んでいた契約では賃金が「時給=1ビットコイン(当時のレートで5、6万円)」で支払われていたとか。

オードリー氏は何がすごいのか 3つのポイントで解説!

経歴だけでも十分に特別さの伝わるオードリー氏。ここではそのすごさをより詳細に伝えるべく、3つのポイントにわけて解説いたします。

若き「ITの神」


若くして「ITの神」と称されるまでに至ったエンジニア/ハッカーとしての能力の高さがやはりオードリー氏の最も特別な点です。

オードリー氏が24歳でプログラミング言語perl 6のHaskell実装「Pugs」を開発し、Perl 6の世界を大きく広げるのに要した開発期間はわずか数カ月でした。また、中学時代にはすでに海外の著名な大学教授たちと一緒にインターネットを通じて仕事をしており、その結果進学に意味を見いだせず中退を選んだという逸話もあります。

開かれた政治の道具となる決意


ビジネス・ITの世界で華々しい業績を挙げながら、33歳であっさりと引退を宣言し、公益のために価値を発揮することにした決断力も並大抵ではない点です。

オードリー・タン氏の政治的信条を表すキーワードのひとつが「Radical Transparency(徹底的な透明性)」。

デジタル技術を活用して「開かれた政治(オープンガバメント)」を実現し、市民と政府が協力して問題解決に取り組むための「パイプ」となることを入閣時に宣言しています。

オープンガバメントにまつわるオードリー氏の具体的な取り組みとしては以下のものが挙げられます。

情報の透明化を推進するプラットフォーム「零時政府g0v.tw」の構築
オンラインで法案を討論できるプラットフォーム「vTaiwan」の構築
・台湾各地の課題の解決策を市民・有識者から募り、政策に取り入れるコンテスト「総統杯ハッカソン」の実施
・フェイクニュース対策に特化した「フェイクインフォメーション調査室」の運営
オープンソースの「マスク在庫マップ」をボランティアのエンジニアらと制作・公開

ユーモアを忘れない人柄


天才と称されまた政治の世界へ若くして飛び込む胆力を持っていながらユーモアを忘れない点も、オードリー氏の驚嘆に値する点です。

例えば「7日以内にカラーとパーマをかけると罰金が課せられる」というフェイクニュースが拡散された際、「フェイクインフォメーション調査室」がつくったのが以下の画像でした。

引用元:傳7天內染燙髮罰造型師100萬 蘇貞昌幽默闢謠┃中時電子報

行政院長・蘇貞昌氏のFACEBOOKページに投稿された画像では。蘇氏の若かりしころの写真付きで「たしかに私は現在髪の毛がないが、だからといってそのように皆を罰したりしない!」とでかでかと書かれています。そしてその下には現在の写真と「もっとも、一週間以内にカラーとパーマをすると髪が痛んで私のようになってしまうよ」という吹き出しが。オードリー氏によるとこのようにユーモアを交えた広告の方が拡散力があり、また満足度を生むためフェイクニュースに対抗する力が強いそうです。

これは蘇行政院長をネタにした投稿ですが、オードリー氏自身IQ180以上という噂について質問された際、大人になってからIQについて議論することにあまり意味はないとしたうえで「ちなみに、私の身長は180センチです(※)」とまとめるなど、ウィットに富んだ回答を行いました。

※引用元:「大臣だけど、聞きたいことある?」台湾の異色閣僚の「超」情報公開┃withnews

 

東京都のコロナウイルス対策サイトへの降臨も話題に

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