それでは日本の政治の意思決定の年齢とはいったいどのくらいなのでしょうか?
そこで、今回は、年齢別の人口と年齢別の投票率から、大まかな投票者の平均年齢を計算してみました。
人口と投票率は2017年のものを利用し、年齢階級ごとに仮の平均年齢を下の表のようにおきました。
年齢階級 |
人口(千人) |
投票率(%) |
仮平均年齢(歳) |
18〜19歳 |
2462 |
40.49 |
18.5 |
20〜29歳 |
12519 |
33.85 |
25 |
30〜39歳 |
14996 |
44.75 |
35 |
40〜49歳 |
18900 |
53.52 |
45 |
50〜59歳 |
15748 |
63.32 |
55 |
60〜69歳 |
17725 |
72.04 |
65 |
70歳代以上 |
25231 |
60.94 |
75 |
出典:人口推計(2017年度版)、総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について
上記の表をもとに投票者の平均年齢を求めたところ、 2017年の衆議院選挙における結果は、55.6歳となり、中位年齢を7歳程度上回るという結果になりました。
さらに、政治家の平均年齢についてみていくと、2017年の衆院選当選者の平均年齢は54.7歳(前回より1.7歳上昇)、2019年の参議院選挙の平均年齢は54.4歳(前回より0.5歳減少)で、いずれも中位年齢を6歳程度上回っており、上記で求めた投票者の平均年齢と非常に近い値となりました。
このような結果から日本の意思決定を行っている人々の平均年齢はおおよそ55歳程度であるということがわかりました。
ちなみに、10代から30代の有権者の投票率が60代よりも多い75%になったと仮定した場合、投票者の平均年齢は現在より4歳程度若い、 51.6歳になります。
世界で感染が拡大する未知のウイルスへの対応という未曾有の事態において、様々な場所で政治の意思決定についての意見が寄せられたり、議論が交わされたりしています。
そうした中で、SNSなどで意見を表明することも非常に重要なことですが、意思決定のプロセスを抜本的に変えるためには、まず投票に行くということが必要不可欠となります。
“Bad politicians are elected by good citizens who don’t vote.”という言葉が英語圏ではよく投票しない人に大して発せられていますが、これは「悪しき政治家たちは投票をしない全良な国民によって選出される」という意味です。どのような時代でも政治は日本で暮らす全ての人に関わるものです。 今の時期は特に政治の意思決定が重要になるときです。改めて政治家をはじめとした国を動かす全ての人たちにどういう政治をして欲しいのか考えてみる良い機会なのかもしれません。是非考えてみてください!そして、特に政治に不満を抱いている人は投票する、という権利を放棄しないでください!全ての人の考えが平等に反映される、というシステムにおいて全ての人の考えは平等に大切なものなのですから。
【参考引用サイト】 ・ World Population Prospects 2019| Department of Economic and Social Affairs ・ 若い世代中心に広がる「民主主義」不信:日経ビジネス電子版 ・ 人口推計| e-Stat ・ 総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について ・ 【図解・政治】参院選2019・当選者の平均年齢(2019年7月) ・ 【図解・政治】衆院選2017・当選者の平均年齢(2017年10月)
(大藤ヨシヲ)
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