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「検索」から「回遊」へ SNSにより、情報収集トレンドに起こった大きな変化とは?

         

回遊が促進する「パルス型消費」

「回遊」の重要性に気づいているのはTikTokだけではありません。Instagramの「ストーリー」や、Twitterの「フリート」といったショート動画投稿機能も回遊型のコンテンツ視聴手段です。“24時間で消える”という気軽さが注目されがちな同機能ですが、回遊の可能性を広げたという点も現代のSNSユーザーのニーズに合致していたのではないでしょうか。

YouTubeも短編動画に特化した「YouTubeストーリー」や「YouTube Shorts」をリリース。そもそも同サービスも、ユーザー行動データに基づいた関連動画レコメンド機能に力を入れ続けてきました。

このようなトレンドが生じている理由のひとつは、「回遊が購買に直結するという事実が認知されてきたから」でしょう。

インターネット時代の消費行動モデルとして良く使われてきたのがAISAS(※)です。
しかし、TikTokがユーザー追跡調査を行ったところ、AISASモデルにおいて「Action(行動)」からは遠いはずの「Interest(興味)」の方が「Search(検索)」よりも購買との相関係数が0.29ポイント高いという結果に(出典: TikTokユーザー白書(2020.11))。

回遊により、興味を抱いてすぐ購入する現代型の消費行動「パルス型消費」が促進されているのです。現代のマーケティングにおける回遊の重要性を示すポイントといえるでしょう。

※消費者が商品を知ってから購入するまでの典型的な流れを示すモデル。「Attention(認知)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)」の頭文字で構成されている。

終わりに

ものごころついたときからスマホを手にするジェネレーションZ以降の世代にとって回遊は当たり前の情報収集方法です。93年生まれの筆者にとっては「検索」の方がまだまだ身近に感じられるのですが、ふと思い出せば目的なくSNS内をふらふらしている時間は確かに存在し、意識せずとも「回遊」が浸透してきていることに、この記事を書いてみてはたと気づきました。

無意識の情報収集を促す「回遊」をあなたはどんなときにしているのか、ぜひデータのじかんのコンテンツを回遊しながら考えてみてください!

【参考資料】
・TikTok For Business オフィシャルユーザー白書 第3弾 発表! 回答から回遊へ 興味で突破する時代の再来。┃TikTok
・Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」┃TechCrunch
・「Instagram」の認知率、1年間で7割強に増加--ジャストシステム調査┃Cnet Japan
・TikTokが「レコメンド」フィードの仕組みを公開、イメージアップ作戦か┃TechCrunch
・AISASとは?AIDMAとの違いを具体例で徹底解説!┃リコーのマーケティング支援
・YouTube視聴時間の7割超はAI利用のレコメンドから--最高製品責任者が語る┃Cnet Japan
・2020年度 SNS利用動向に関する調査┃ICT総研

宮田文机

 
「回遊」で「“知らない”ということを知らない情報」を収集

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