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データセンターとは?10個のメリットや機能・役割、クラウドとの違いもわかりやすく解説

本記事では、データセンターについて、クラウドや自社サーバーと比較したメリット・デメリットを紹介しています。さらに、選ぶポイントや日本のデータセンターについても解説しているので、データセンターの導入や見直しを考えている方はぜひご覧ください。

         

・「データセンターとは何をしてくれる場所なの?」

・「データセンターはクラウドと何が違うの?」

上記のような悩みを持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。金であれ、石油であれ、データであれ、貴重な資産を管理するにあたって重要なのが「それをどこで管理するのか」です。

データの保管施設となるのはデータセンターです。クラウドの普及に伴い、その市場規模は広がり続けています。現代のデータセンターはどう活用されており、今後どのような役割を担っていくのでしょうか。

本記事では、データセンターの役割や種類を紹介します。また、データセンターを利用するメリットや選び方のポイントも併せて紹介するため、データセンターについてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

データセンターとは?データを格納する施設

データセンターとは

データセンターとは、サーバやネットワーク機器を設置し、データを格納するための施設のことです。オフィスの一部であるサーバルームを、専用施設として独立させたものと捉えても良いでしょう。

データセンターには、電源や通信回線の提供、セキュリティ対策をはじめとした多くの機能が備わっており、サーバを安全に保管するとともに安定して機能し続けるための環境を提供しています。ITのニーズは日々増大しており、ニーズも変化、多様化しています。そのため、上記のような安心・安全な環境を求めてデータセンターを利用するようになった企業も増加傾向にあるのです。

データセンターの役割

データセンターは、企業や政府機関、インターネットサービスプロバイダーなど多様な組織が、日々の業務に必要なデータを安全かつ効率的に管理・運用するための重要な施設です。

データセンターの主な役割には、データの保存、バックアップ、復旧、高速かつ安定したネットワークの提供、データセキュリティの維持などが含まれます。また、災害時のデータ保護や、システムダウン時の迅速な復旧もデータセンターの重要な機能の一つです。

データセンターの種類2つ

データセンターには、自社のサーバをデータセンターに設置する「ハウジング」と、事業者が提供しているサーバを借りる「ホスティング」の2種類があります。それぞれどういったものか詳しく解説していきます。

①ハウジング:

一つ目は、ハウジングです。

ハウジングとは、データセンター内のラックと呼ばれる専用の棚や収納機器を設置するスペースを借りて、自社サーバを設置することを言います。他の呼び方ですと、「ケージング」や「コロケーション」といったものもあります。

ハウジングのメリットとしては、自社で運用中のサーバを引き続き利用できることでしょう。自社のサーバ設置場所を撤去できるため初期費用を抑えて環境のアップグレードができます。また、サーバ設備の機種やCPU・ストレージ容量を自由に決定でき、カスタマイズ性にも優れています。

しかし、機器の運用や保守は自分で行わなければなりませんし、知識やスキルのある人材も必要です。そのため、運用コストがかかり、障害や不具合が生じた場合には自社で対応しなければなりません。

②ホスティング:

二つ目は、ホスティングです。

ホスティングとは、データセンター側で用意した事業者のサーバ、ネットワークを借りることを言います。他の呼び方ですと、「レンタルサーバ」とも言うでしょう。ホスティングのメリットとしては、機器の購入が必要ないため、初期費用や月額費用がかなり抑えられます。加えて、運用や保守は事業者側で行うため、自社の負担は少なくなります。

しかし、OSが限定されているため、サーバの構成や回線速度が制限され、ハウジングと比較すると自由度が高いとは言えません。また、トラブルが発生した際には事業者の対応を待たなければなりません。

データセンターが提供するサービス6つ

データセンターの種類

データセンターは、サーバを安全に、安定して運用できるためにさまざまなサービスを提供しています。

実際に提供されているサービスを以下の表にまとめました。

提供されているサービス

サービスの主な内容

提供場所

・サーバなどの機器を設置するラックやスペースを提供

・組み立てスペースや休憩場所もサービスの内として提供

電源の提供

・サーバの運用に必要な電源を、24時間365日提供している

・自家発電やUPSの導入により、停電も安定した電力の供給が可能

通信回線の提供

・インターネット接続に必要な通信回線を提供

・はやい速度で高品質の通信回線が提供されることが多い

セキュリティ対策

・場所の詳細を公表せず、来訪者へは入退出の記録とアクセス制限をする

・24時間体制でカメラ、警備員での監視、キーや生体認証で入退出を厳重に管理

・サイバー攻撃等への対策として、厳重な監視や侵入テストなどをしている

空調管理

・IT機器は大量の熱を放出するため、機器を守るために空調を厳重に管理

・空調管理によって、IT機器が安全で正常に稼働できている

災害対策

・センターを免震構造にし、地震対策

・火災や浸水を受けにくい立地選び

・自家発電やUPSの導入により、停電対策

・上記のような強固な災害対策が講じられている

それぞれのサービスの詳細を以下で確認していきます。

①場所:

データセンターは、高性能なサーバーやネットワーク機器を安全かつ効率的に運営するために必要な場所を提供しています。

具体的には、IT機器を設置するラックや設置スペースを装備してくれます。また、IT機器を導入する際の組み立てスペースや修理するための場所の提供も行っています。

②電源:

IT機器を安定的に使用するためには電気の提供は不可欠です。データセンターでは、複数の電源供給ルートや無停電電源装置(UPS)、バックアップ用発電機などを備えているため、停電などの場合でも途切れることなく電力を提供します。

これにより、サーバーがダウンするリスクを最小限に抑え、常にシステムが稼働できるようになります。

③通信回線:

データセンターは、インターネットを利用するための通信回線の提供も行っています。

データセンターが提供する通信回線は高品質で大容量の通信回線が提供されている場合がほとんどです。

④セキュリティ対策:

データセンターでは、防犯カメラや警備員による24時間体制でのデータの管理などセキュリティ面の対策も行っています。また、外部からの不審者を防げるようにドアを通過する際には、IDカードや指紋、目の虹彩などの生体認証システムで確認して厳重に管理しています。

また、物理的なセキュリティ対策だけでなく、マルウェアやネット上からの仮想攻撃を防ぐための厳格な監視を行います。

⑤空調管理

データセンターは、温度と湿度が適切に管理された空調システムを提供します。

サーバーやネットワーク機器は、過熱すると性能が低下したり故障したりするリスクがあるため、冷却システムが重要です。先進的な空調設備を使用することで、各機器が最適な環境で動作できるようにします。

⑥災害対策:

データセンターでは、自然災害や人為的災害に備えた対策も行っています。

地震や洪水、火災などの緊急事態に対する耐性を持つ建物設計や、定期的なバックアップ、データのリカバリ計画を実施します。また、遠隔地にある複数のデータセンターを利用することで、災害時のデータ損失リスクを分散させることも行われています。

データセンターとクラウドの違いとは?

データセンターの種類

ここまでデータセンターの基本情報や提供するサービスについて紹介してきましたが、クラウドとはどのような違いがあるのでしょうか。

簡単に言うと、データセンターはサーバを設置する「場所」を提供するのに対し、クラウドはサーバやネットワークなどの「ITリソース」を提供しています。

データセンターとクラウドの大きな違いとして、サーバやハードウェア、ネットワーク機器等の管理者が挙げられるでしょう。データセンターはこれらを自社で管理する必要があります。対してクラウドは、提供している事業者がまとめて管理しています。

データセンターは自社で管理・運用をしているため、自由度やカスタマイズ性はかなり高くなっています。一方で、クラウドは運用や管理を事業者が行うため、自社で機器を所持する必要はありません。

データセンターのメリットとは?

サーバ管理にかかるコスト・手間を決定できる

データセンターにはどのようなメリットがあるのでしょうか。自社サーバと比較した場合とクラウドと比較した場合の2つに分けて解説します。

それぞれのメリットを確認していきましょう。

自社サーバと比較した際のデータセンターのメリット5つ

まずは、自社サーバと比較した際のデータセンターのメリットです。この場合のデータセンターのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・建物自体をデータ管理することに特化して設計できる

・災害・事故に備えた対策が施せる

・サーバ管理にかかるコスト・手間の削減につながる

・強固なセキュリティ対策ができる

・24時間365日体制で保守運用をしてくれる

それぞれ詳しく解説します。

①建物自体をデータ管理することに特化して設計できる

自社サーバと比較した際のメリットの一つ目は、建物自体をデータ管理に特化した設計が可能なことです。

大量の電力やネットワークを消費するICT機器と価値あるデータの双方を管理することに特化して建物や設備、ルールを設計できます。具体的な設備の特徴としては、大量のデータ送受信に対応するための通信回線、ネットワーク機器・サーバを維持するための電源、機器の高発熱にも対応するための冷却システム、セキュリティ性を高めるための入室監視や、そもそも場所が非公開になっていることが挙げられるでしょう。

②災害・事故に備えた対策が施せる

二つ目のメリットとして、災害・事故に備えた対策が施せます。

データセンターはBCP(事業継続計画)においても大きな意味を持ちます。予備電源やUPS(無停電電源装置)による停電対策、免震・耐震構造、火災発生時にもデータを守るための不活性ガス消火設備など、堅牢な備えが行われているのがポイントです。

③サーバ管理にかかるコスト・手間を決定できる

メリットの三つ目は、サーバ管理にかかるコスト・手間を選択できます。

サーバやネットワークの管理には当然それ双方の人員が必要となり、規模に応じてコストも発生します。サービスとしてデータセンターを利用することで専門の人材による24時間・365日の管理体制が提供され、障害発生時も素早い対応が期待できるでしょう。

また、データセンターをサービスとして利用する形態はハウジングとホスティングに分かれており、細かく見ればハウジングでもただ場所を借りるだけなのか、導入や運用・メンテナンスまで任せるのかなどサービス内容には複数のプランが存在します。

自社で対応した場合のコストやケイパビリティと、サービスの内容やコストを比較する作業が最適なデータセンターの利用計画を立てるにあたっては不可欠でしょう。

④強固なセキュリティ対策ができる

四つ目は、強固なセキュリティ対策ができることです。

データセンターでは、保管しているサーバを外部の攻撃から保護するために、強固なセキュリティ対策がなされています。このセキュリティには、データ面と物理面の二つが存在しています。

データ面は、外部からのサイバー攻撃等から守るための対策。データセンターでは、定期的なデータのバックアップが行われているため、もし障害等が起きても、すぐにデータを回復して運用が可能となります。

物理面では、外部侵入を防ぐことが挙げられるでしょう。住所などの詳細な位置の公表を極力抑えることで、外部侵入への対策が講じられます。

⑤24時間365日体制で保守運用をしてくれる

五つ目は、24時間365日体制で保守運用をしてくれることです。

データセンターは高い信頼性を提供するために、24時間365日体制で保守運用を行っています。緊急時にも迅速に対応できるように、専門の技術スタッフが常駐し、定期的な点検や監視を実施しています。これにより、サーバーやネットワーク機器の障害を未然に防ぐとともに、万が一の障害時にも迅速に復旧作業が行われることが保証されます。

24時間365日体制の保守運用サービスは、企業にとって重要なビジネス継続性を確保する上で欠かせない要素です。データセンターの利用によって、自社のITリソースを最適に運用しつつ、予期せぬ障害やトラブルに対するリスクを最小限に抑えることが可能です。

クラウドと比較した際のデータセンターのメリット5つ

データセンターのメリット

次に、クラウドと比較した際のデータセンターのメリットを解説します。データセンターのメリットとしては、以下のことが挙げられます。

・自社に合った機器を選定できる

・障害への速やかな対応ができる

・専用回線によって大容量・高速通信の維持ができる

・クラウドで管理できないデータも管理できる

・災害対策の実施ができる

それぞれ詳しく解説します。

①自社に合った機器を選定できる

クラウドと比較した際の一つ目のメリットとして、自社に合った機器が選定できます。

クラウドは提供されたサービスを利用するため、自社に必要な環境が備わっているとは限りません。対して、データセンターは自社でネットワークやソフトウェア、IT機器の選定が可能です。

そのため、あらかじめ選択肢が限られているわけではないので、自社が求める環境や機能、目的などに適した選定が可能となるのです。

②障害への速やかな対応ができる

二つ目のメリットとして、障害発生時において速やかな対応が可能です。

クラウドを導入している際に障害が発生してしまうと、サーバの管理や運用をしているのは自社ではないため、サービスを提供している事業者による復旧を待たなければなりません。

対してデータセンターを利用している場合、自社での復旧作業が必要です。そのため、クラウドと比較して早く復旧できる可能性があります。

もしデータセンターが自社の遠くにある場合は、「ホスティングサービス」を利用すれば、データセンターの現地スタッフが復旧対応をします。そのため、自社から遠い場所にデータセンターがある場合でも速やかに障害への対応が可能となるでしょう。

③専用回線によって大容量・高速通信の維持ができる

ラックやスペースに空きはある

三つ目のメリットとして、専用回線による大容量・高速通信の維持が可能です。

クラウドは、一般回線を不特定多数の人々が利用するため、利用状況によってサーバーへの負荷がかかり、通信速度が低下してしまう可能性があります。その結果、データ処理が遅くなる場合があります。

しかし、データセンターは自社とセンターの拠点間を専用回線で繋いでいるため、大容量で高速な通信の維持が可能です。そのため、業務効率が下がることなく、スムーズに対応できます。

④クラウドで管理できないデータも管理できる

四つ目は、クラウドで管理できないデータも管理できることです。

クラウドは、インターネットを介して不特定多数の人が利用するため、個人情報や機密情報など、重要なデータの取り扱いや管理において安全性が高くなく、情報漏洩のリスクも発生してしまうかもしれません。このようなクラウドのセキュリティの状態は、企業のコンプライアンスと合わず、クラウドが提供する機器へ自社情報を保管することが許されない場合もあります。

しかし、データセンターであればそういった悩みは必要ありません。自社でサーバや機器を管理するため、オンプレと同じように強固なセキュリティ対策が講じられます。その結果、情報漏洩のリスクが低く、クラウドでは管理できない機密情報も安心して保管できます。

⑤災害対策の実施ができる

五つ目は、災害対策が実施できることです。

地震や水害、火災などの災害発生時には、クラウドの場合は障害発生時と同じように、事業者側による復旧を待たなければなりません。しかし、データセンターであれば、本社から離れた場所にバックアップ機器を用意しておくことで、災害対策が可能となります。もし主要都市などで大きな災害が発生した場合でも、遠い場所でバックアップをとっていれば、システム自体を停止させずに災害復旧ができます。

規模の大きい災害が発生した場合でも、自社のBCP(事業継続計画)にはとても有効的です。

データセンターを利用するのデメリットを2つ紹介

データセンターのデメリット

多くのメリットがあるデータセンターですが、一方でデメリットや注意しなければならない点も存在します。データセンターの主なデメリットには以下の2点が挙げられます。

・コストがかかる

・移動時間がかかる

それでは、一つずつ詳しく解説します。

①コストがかかる

デメリットの一つ目は、コストに関してです。

データセンターを利用する場合は、自社からの機器の移動料などの初期費用と、施設の利用料や管理料といった月額料金が必要です。

また、データセンターに設置したサーバを自社で利用するために、両方をネットワーク回線でつなぐ回線料もかかります。

さらに、データセンターでは24時間365日有人によるセキュリティがされているため、人件費や保守・運用料も必要です。

ほとんどのデータセンターには最低利用期間が設定されているため、設置する機器数や契約期間などを、全体的に見て利用するか決めるべきです。設置する予定の機器数によっては、自社でサーバを運用した方が安く済む可能性もあるかもしれません。必要となりそうなすべての料金を計算して見積りを出すべきでしょう。

②移動時間がかかる

デメリットの二つ目は、データセンターまでの移動時間がかかることです。

データセンターでのトラブル発生時やメンテナンス時は、自社の社員が現地まで足を運ぶ必要があります。そのため、データセンターを設置する場所が遠方すぎると、移動がかなり大変になってしまいます。特にトラブル発生時は早急に現地へ向かわなければなりません。

しかし、近場にデータセンターを設置してしまうと、災害発生時にすべての機能が停止してしまったり、情報がなくなったりします。そのため、移動ばかりを考えて近場に設置するわけにもいきません。また、データセンターはセキュリティも厳重なため、それらを通過しなければ、サーバや機器にたどり着けません。ここでも時間がかかってしまうでしょう。

「ホスティングサービス」のような、遠方のデータセンターの対応を現地スタッフに一任できるシステムもあります。そういったサービスが備わっているか、充実しているかも注意しておかなければなりません。

データセンターを選ぶ5つのポイント

データセンターの役割と提供するサービス

では、実際にデータセンターを選ぶ際には、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。

今回は、データセンターの選び方として重要な以下の5つを紹介します。

・立地は良いか

・料金は予算内か

・ラックやスペースに空きはあるか

・ネットワークの速度や性能は良いか

・見学できるか

それぞれ詳しく解説します。

①立地は良いか

一つ目のポイントは、立地が良いかどうかです。

ハウジングの場合、機器のメンテナンスや保守といった内容でデータセンターを訪れる機会が多いでしょう。

そんな中で、立地が悪く行きづらい場所にあると、移動だけで大きな負担となってしまいます。駅の近くが良いのか、車で楽に行ける場所が良いのかなどと、希望は人それぞれだと思います。実際に足を運ぶことを想定して選択するべきです。

また、災害発生時のことも考えなければなりません。津波の被害や浸水、液状化現象なども考慮して立地の良いデータセンターを選びましょう。

②料金は予算内か

二つ目のポイントは、料金が予算内かどうかです。

データセンターを導入する際には、初期費用やラック使用料などの運用にかかる毎月の料金、回線の利用料など、様々な料金がかかります。そのため、これらがどのくらいかかるのかをあらかじめ確認しなければなりません。

これらの料金は、サービスを提供する事業者によって異なるため、予算の範囲内に収まるかどうかも、データセンターを選ぶうえで重要なポイントとなります。

③ラックやスペースに空きはあるか

三つ目のポイントは、ラックやスペースに空きがあるかです。

データセンターを導入、運用する中で、新規事業の立ち上げや、事業を拡大したくなる時が来る可能性があります。そういった状況でサーバを増やすとなった場合に、ラックやスペースの空きがなければ、新しく別のデータセンターを利用しなければなりません。

別のデータセンターを契約して複数ある状態だと、トラブルが生じた際にそれぞれを行き来する必要があり、運用が複雑になると同時にコストがかかってしまいます。データセンターに空きがあれば、新規事業立ち上げや拡大がスムーズにでき、事業を効率よく実施できるでしょう。

④ネットワークの速度や性能は良いか

四つ目のポイントは、ネットワークの速度や性能です。

データセンターによって、利用可能な回線が異なります。そのため、自社が求める速度や性能が備わっているかを確認しなければなりません。加えて、アクセス集中の際に安定性があるかも確認しましょう。

また、「国内インターネットエクスチェンジ(IX)」に接続しているかも重要なポイントとなります。IXとは、多くのISP(インターネットサービスプロバイダ)回線が集まる施設のことを言います。IXに接続していることで、大規模なネットワークを効率的に処理できるでしょう。

⑤見学できるか

五つ目のポイントは、事前に見学できるかです。

立地やセキュリティ対策など、確認する際に実際に現地に行った方がわかりやすい場合は、事前に見学の可否を確認しておきましょう。現地に行くことで、そこでの作業や搬入などもより具体的に想定できます。季節や天候にどう対応するのかといったことも確認するべきです。さらに、作業スペースや休憩場所、データセンター周辺の施設等も一緒に確認しておくと良いでしょう。

データセンターに関するよくある質問

データセンターとクラウドの違い

最後にデータセンターに関するよくある質問を3つ紹介します。

・データセンターの設置場所はどこ?

・データセンターを提供している大手企業は?

・データセンターがなくなると言われているのは本当?

疑問や悩みを解消するために役立ててください。

データセンターの設置場所はどこ?

データセンターの場所は正確には明かされていません。セキュリティ上、正確な場所を把握されない方が攻撃者に対し有利になるためです。

とはいえ、「東京都 中央区」「大阪府吹田市」など大まかな所在地は公表されており、日本データセンター協会のサイトでも企業名や問い合わせ先とともにまとめられています。都道府県別にはやはり東京都の割合が最も多く(公表されているエリアでは江東区や千代田区が目立つ)、それに神奈川、大阪などがつづくイメージです。データセンター名で検索するとGoogle Mapで住所が出てきたり、外観が公表されたりしている例もあります。

厳密に秘匿されているわけではありませんが、詳細は非公開なのが基本的な方針と捉えておくと良いでしょう。

データセンターを提供している大手企業は?

データセンターを提供している大手企業は以下の表の通りです。

会社名

住所

株式会社アット東京

東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア3階

富士通株式会社

神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1

鈴与シンワート株式会社

東京都港区芝4-1-23 三田NNビル22階

株式会社ワイイーシーソリューションズ

神奈川県横浜市中区山下町22番地(山下町SSKビル)

株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ

東京都港区西新橋2-14-1 興和西新橋ビルB棟

カゴヤ・ジャパン株式会社

京都府京都市中京区三条通烏丸西入御倉町85-1 KDX烏丸ビル 8F

株式会社IDCフロンティア

東京都千代田区内幸町二丁目1番6号 日比谷パークフロント

株式会社イーネットソリューションズ

石川県金沢市上堤町1-12金沢南町ビルディング8F

株式会社アイネット

神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号 三菱重工横浜ビル23階

さくらインターネット株式会社

大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル11階

会社ごとでも提供されるサービスが異なるため、利用の際はよく比較をして自社に適した企業を選ぶようにしましょう。

データセンターがなくなると言われているのは本当?

データセンターがなくなると言われる背景には、クラウドコンピューティングの急速な普及があります。クラウドサービスは、物理的なデータセンターを必要とせず、インターネットを通じてリソースを利用できるため、企業や個人にとって魅力的な選択肢となっています。これにより、従来のデータセンターの役割が変わり、縮小されるとの見方が広まっています。

しかし、データセンターが完全になくなるというのは極端な予測です。クラウドサービス自体も実際には巨大なデータセンターで運営されており、物理的なインフラは依然として必要です。また、セキュリティやデータ保護の面から、オンプレミスのデータセンターを維持する企業も多く存在します。したがって、データセンターが完全になくなるわけではなく、その存在形態や利用方法が進化していくと考えられます。

終わりに

データセンターの選び方

本記事では、データセンターについてメリットやデメリット、選び方について詳しく紹介しました。

データセンターとは、サーバやネットワーク機器を設置し、データを格納するための施設のことです。セキュリティや障害・災害対策、自由度や質が優れていますが、コストや移動時間に関しては、課題が残っています。

自社に適したデータセンターが見つかるように、本記事で紹介した選び方のポイントを参考にしてください。

社内で取り扱う重要なデータを安全かつ効率的に利用できるようにデータセンターの利用を検討してみましょう。

 

 

参照元

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